ノロイの呪文のほどきかた【1】
今日もご訪問くださいましてありがとうございます。
生きていれば、それはそれはいろんなことがあるものです。
今日はそんななかで多くの人がかかっているであろう、
“ノロイ” についてのお話です。
ノロイといっても、コワい話じゃございません。
私はホラーどころか、名探偵コナンでさえコワい話なのではないかと
ずっと避けていたような人間です。だから大丈夫です。
よろしければしばしお付き合いくださいませ。
生まれてこの方、長い間。
私はたくさんのノロイにかけられていました。
① コブタのノロイ
小さかった頃。
親戚の、少し年長の子供から
「太ってる」「首がない」「ブタ」
と言われ続けた時期がありました。
記憶に残っているので、もしかしたら小学校に上がっても
言われていたのかもしれません。
これは、3歳のお誕生日のみみこちゃん。
たしかに胴の上にドンッ!と頭が乗っかってます。
お首ちゃ〜ん!どぉ〜こぉ〜〜〜?!
たしかにこりゃ見えておりませぬな…。
お鼻もちょいとあぐらをかいてコブタちゃん風。
(鼻があぐらをかくというのは通じるのかしら…方言?)
まだ幼い頃というのは自分のことを客観視することができません。
それに、子供は素直です。
だから、「首ない・ブタみたい・太ってる」と言われたら
「へぇ〜、そうか。ワタシは首がなくてブタのように太ってるのか」
と、それが真実として刷り込まれてしまいます。
…これが世にも恐ろしい、「コブタのノロイ」。
② イヤイヤのノロイ
小学校三年生になってお習字を始めました。
優しい先生と仲間に恵まれたおかげでとても楽しくて
好きだったので、いつもなにかしらの賞をいただいていました。
けれど、母は私の書いたものを見るたび
「あんたの字ぃは、いつでも嫌々書いたような字ぃやなぁ」
と言いました。
「おかしいなぁ?楽しく一所懸命書いてるつもりやのに…
そうか、私の字はそんなふうに見えてるのか…
けど、どうやったらイヤイヤ書いたように見えなくなるんやろか…
イヤイヤ書いてるわけちゃうのにイヤイヤに見えるて…
いったいどうしたら………????????」
と、さっぱりわからず混乱したまま年を重ねていきました。
高校生になると条幅(じょうふく)という
大きな紙を使って作品を作るようになりました。
場所も取るし、日中は人の出入りも多くて集中できないので
寒中の深夜に小さな反射式ストーブひとつで手を温めながら
幾晩も徹夜して書き上げていきます。
けれどいくら書いても結局どれも不本意な仕上がりで、
さっぱり満足できないまま締切を迎えました。
自分の書いた文字がイヤイヤ書いたように見えるのではないかと
ずっとビクビクして自信がなかったからです。
これが留まるところを知らない「イヤイヤのノロイ」。
③ インギンブレイのノロイ
大人になってから、父に手紙を書いたことがありました。
親になにか気持ちを伝えるというのは、私にとってはとにかく
とてもハードルの高いことでしたから、
よほどのことがあって書いたものだったと思います。
書きながら、受け取った側(=父)はきっと喜んでくれるだろうと
淡い期待をしていました。
で、後日、手紙を読んだ父から声をかけられました。
「おまえの手紙は、ええ(=良い)けどインギンブレイやのぉ〜」
と。
うっかり私は喜びました。
『おぉ!父!読んだか!!それはよかった!褒められた!』
と心の中で大喜びしました。
表面上はクールさを保ちながら、心の中は欣喜雀躍。
そして一瞬ののち。
「ん…?ちょっと待て。今なんか無礼って言った???」
当時の私の脳内辞書には[慇懃]という言葉しかありませんでした。
慇懃[いんぎん]
:真心がこもっていて、礼儀正しいこと。また、そのさま。
例)「慇懃なあいさつ」
慇懃無礼[いんぎん-ぶれい]
:言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま。
あまりに丁寧すぎるとかえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。
また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、
実は尊大で相手を見下げているさま。
ガーン( ̄◇ ̄;) 真逆の意味やん… めっちゃ喜んでしもたがな…
そうか、敬意を込めたつもりだったけどインギンブレイなのか…
だからなんか顔が笑ってなかったのか…
……。
………。
…シュン。
これが、その後何年かにわたりかしこまった手紙を書けなくした
「インギンブレイのノロイ」。
ノロイいろいろ
先の①〜③はすぐに思いついた代表的なものだけです。
思い出せばこのほかにもまぁザックザックと出るわ出るわ。
ここ掘れワンワンで小判がザックザクならうれしいけれど
掘ってもノロイしか出てきませんからもう掘りません。
①〜③、これらは全て他人からかけられたノロイです。
他人の軸に添う形でかけられたノロイ。
自分がかけたノロイではありません。
あと、最後にもうひとつ。
真面目な人や末っ子に多いのではないかと思いますが
④ 自らノロイにかかりに行くスタイル
というのも存在します。
身近な人がなにかを批判しているのを耳にして、
「あ、それは良しとされないことなんだ」
とその意を瞬時に汲みとり、批判されないような道を選ぶノロイ。
うまいたとえが思いつきませんが…うーん。
たとえば…
「〇〇さんちの○子ちゃん、受験に失敗したんだって」
「へーぇ。〇〇さんちは年子の弟さんや妹さんもいるのにねぇ。
予備校行くのかしら… お金がかかって大変でしょうに」
こういう会話を聞いて
「自分は受験に失敗してはいけない」
とか
「もし受験に失敗しても予備校には行ってはいけない」
と、全力で自分をノロイにかけ、縛ってしまうパターン。
お兄ちゃんやお姉ちゃんが叱られているのを見て
自分はそれをしてはいけないと学習することも一種のノロイ。
どれも自分からかかりに行ってはいますが、
すべて他人軸のノロイです。
お心当たりありませんか?
いかがでしょう。
怖くないですよと言いつつ書いてて背筋が寒くなってまいりました。
あなたにも、これまでに身近な人からかけられた
世にも恐ろしいノロイがなにか残っていませんか。
気がつかず、今でもうっかり引きずっていませんか?
明日はそんなノロイの解きかたをご披露してみたいと思います。
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