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Brand New Year: Eric Carmen コメント抄訳

All By Myselfなどで知られるメロディーメーカー&シンガーのエリック・カルメン。彼の45年のキャリアを総括する初のオールタイム・ベスト・アルバム『The Essential Eric Carmen』のリリース(2014年4月・日本盤は7月)前の2013年12月末に先行リリースした楽曲『Brand New Year』。1998年の『夢の面影』以来、15年ぶりとなる新曲だ。
エリックは珍しくこの曲の制作過程を、彼のファンサイトericcarmen.comでつぶさに語っている。
管理人のBernie Hogya氏の承認を得て、抄訳をご紹介します。

拙い英語力ゆえ誤訳もあるかと思います。適切な訳をご教示いただければ、反映させていただきますので、よろしくお願いいたします。              (許可なく引用・複製はお断りします)

Posted 25 December 2013 - 08:04 AM


Ericcarmen.com Topic 『Brand New Year』

2013.12.25

Verse(ヴァース)でヴォーカルが厭世観を運んでくるのは、意図的なものだ。僕はもう22歳ではないし、同じ理由でジョニー・キャッシュの『Hurt』を愛している。僕はヴォーカルで、ヴァースの中に誰かが実在していたように聞こえるようにしたかった。

僕は『Brand New Year』のバックからバックまで、4つのヴォーカルを入れた。前にも言ったように、僕にとってはヴォーカル・パフォーマンスの「Believability」が最も重要な要素だ。僕がオートチューンや、他の最新テクノロジーのまやかしを決して使わないのは、そういった類のものはパフォーマンスの人間性(Humanity)を損なうと考えるからだ。僕がパフォーマンスで「創る」のは、僕がそれを歌ったとき、僕が感じたものを聴き手が感じる力だけだ。第1連の2行目で「Sometimes it felt like we might not make it」が枯れて、むき出しで、不完全なのは、そういう理由だ。歌うことは、いい音を創るものでも、すべての音を刻むものでもない。意図したことをリスナーに確信させるものなのだ。

『Brand New Year』のヴォーカル・パフォーマンスの中で僕が気に入っている言葉は、第2節にある「cold」という単語だ。「The world can be so COLD…..」では、なんとか僕が寒さに凍えているかのように聞こえる歌い方をした。

詞はむきだしで生々しくしたかった。僕が感じた痛みを感じてもらいたかった。

Chorus(サビ)のファルセットの高まりとBridge(ブリッジ)のところで、この歌の歌詞は「positive」に転ずる。最初のVerse(ヴァース)では決して「positive」を感じさせない。世界が経験し、苦しんだ凶事の前兆を感じさせる。これがまさにこの歌の目的だ。我々は喪失を経験し、不当な目に遭い、人生で経験する痛みを味わっている。それでも我々は決して諦めたりはしない。人は明日に望みを抱く。人生から投げかけられたものに動じず、人は何とか難局を切り抜けようとし続ける。

これが『Brand New Year』だ。この曲を書いたとき、僕は明確に2人の人のことを考えていた。どちらも想像する限り最もひどい1年を経験していた。

2人とも僕が知るかぎり最も素晴らしい人だが、なぜか人生は昨年、2人をひどい目に遭わせた。そこで僕は僕自身の4年半前の離婚で感じた苦痛と、それがどれほど子供たちに影響を及ぼしているかについて考え始めた。そして、世界中の数えきれない人々の経験した悪いか、もっとよりひどい1年について思いを馳せるようになった。

僕がソングライターとして曲を書くときには、僕が呼ぶところの「普遍性(Universal)」を見出そうと試みる。すべての人の心に響く何か。すべての人が感じる何か。それこそが歌を素晴らしいものにする。

人は人生の節目で、音楽や歌詞の中にある皆が感じる何かに引きつけられることがある。『All By Myself』が世界のどの街角でも知られ、世界中で7、800万回以上歌い継がれている理由は、どこの誰もが、その感情を共有できるからだ。

1975年だけでなく、1985年、1995年、2005年、そしておそらく2015年も、それ以降も。

ソングライターはときとして幸運を得ることがある。『Brand New Year』のVerses(ヴァース)とChorus(サビ)を書いた晩、吹雪で通りは停電し、外界から遮断された。暖房も、電話も、インターネットも使えず、いつもなら聞こえる電気のかすかな音すらも聞こえない。リビングルームは完全にぽっかり取り残され、暖炉の焔のゆらめきだけが部屋を美しく照らしていた。僕はそこに座って本を読んでいた。そのときふと部屋の隅にあるピアノに目がいった。部屋を横切り、ピアノの前に座り、僕は鍵盤に指を置いた。ずいぶん長いことピアノに向かっていなかったが、その晩は音楽が頭から溢れ出てきた。僕は1時間もたたずに

BセクションのVerse(ヴァース)とChorus(サビ)を書き、2、3日後にはBridge(ブリッジ)を書いた。

詞とタイトルは数日後にでき、Bridge(ブリッジ)の詞を書いた日、デモを録音した。この曲は『Boats Against The Current』と同様、僕がいままで書いた中で最もオーガニックな歌のひとつだ。どちらもごく自然に書けた。僕はそういう瞬間が好きだ。

さて、もう夜が更けた。曲作りのプロセスをここまで明らかにしたのはたぶんはじめてだ。もし、誰かと話をするとすれば、それははじめから僕を理解してくれた君に違いない。

メリークリスマス、そして暖かい心を込めて、安全で健康で幸せな『Brand New Year』を。

xoxoxo

e

http://ericcarmen.com/forums/index.php?/topic/30246-brand-new-year-free-download/?p=450470 Eric Carmen

https://www.sonymusic.co.jp/artist/EricCarmen/info/442028

*このメモは個人的にFBのnoteに保管していたものですが、FBのnoteが廃止となったため、こちらにメモを残します。

♯EricCarmen #エリックカルメン #TheEssentialEricCarmen #ラズベリーズ #Raspberries