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デバッグの勝利。全人類は『屑鉄まとうデモナ』をやりましょう

好きなゲームは?愛と熱量たましいを感じられるものです。
魂の込めたられたものは、触れるだけで昂るというもの。


タイトル画面。ゲーム中で表示された時は、英文が変わっていたりする

徹底して練られたバトル。その真髄はデバッグの丁寧さにあり

前提 重要なのは分かっている、だが難度は尋常に非ず


 ストーリーや世界観の秀逸さの委細は実際にやって頂くとして、
私がまず心惹かれたのはバトル周りなんですね。
RPGに於いて、戦闘はかなりのウェイトを占める部分であり
ここでの楽しさがゲーム体験に直結すると言っても過言ではないほど。

 ただ、バトル制作に掛かる労力は尋常ではなく
少し数値を弄っただけでレベルデザインが激変するということも茶飯事。
これに対し「少なくとも可笑しなものはないか?」と振り返るにしても、
自分一人ではなまじ知識が邪魔をするので困難という背景があるのです。

製作者故の弊害、『分からない』がわからないへのケア


 『この技はこういう挙動なので強みはこれ』、
『汎用性が高く、これは優先的に抑えておきたい』……
製作者であるがゆえに、効果を知っていることが前提になってしまいます。
これが非常に厄介で、前提知識なしではどう進めるかがイメージしにくく
仮に導線をつくったとしても、その効果が如何程かが把握しかねる……

 ここに対し、αテストの時点から汎くプレイヤーさんを募集し
その上で挙がったものを迅速に対応し取り込むことで対応。
結果として、多彩な戦術を実現しいわゆる産廃がほとんどないという
非常に完成度が高いバトルを最初から最後まで楽しめるのです。

 このきめ細やかさはリリース後も続いており、
一度クリアしていても同じ武器で新たな戦術、まったく違う体験ができる……
ここからして熱量の凄まじさが伝わってきます。すごくすごいです。

2x2=∞ 試せば試すだけ応えてくれる戦術


 ターン制バトルにおける2回行動……下手に採用すると間違いなく暴れる
非常に調理の難しい要素です全部メガガルーラが悪いちきゅうなげするな
これを反転させ、デフォルトにし技同士組み合わせることを戦術へ昇華、
装備や技をデッキに見立てて洗練させてゆき、回し方で勝負するという
ある種カードゲームのコンボに近い爽快感抜群の戦闘が楽しめます。

状態異常の名手相手に、意趣返しで倒すなんてプレイも可能

どの武器種も外れなし 君の選択は間違ってなどいない


 初期から複数の技が解禁されており、もう色々試せます。
この時点でちょっとしたコンボどころか最後まで使える小技が。
計画的に進めれば、1章大ボス辺りから完成度高めのコンボが可能。
しかも強みこそ違えどどの武器種、難易度でもそれは同じ

 堅実に行きたいなら、防御系の技を充実させる手もあります。
相手の攻めは強烈ですが、こちらは攻めだけでなく守りも強く
押し切れないようなら長期戦を仕掛けてじわじわ削る……でも可。
2回行動故に、ピンチからの立て直しも難しくないのです。

神の見えざる手 運も実力のうち

 多彩な戦術もさることながら、運要素の絡め方も絶妙なのです。
『追加行動を得たので普段不可能なコンボ』、
『フィニッシャーが完全に入って一気に削れた』……
その上で下振れは少なく、上振れは多く……となっているので
仮に負けた場合はまず構築から伸びしろがあるのです。

 ここで試行錯誤を続けて、たまには運の力も借りて……とやっていくうちに
いつの間にかのめり込んでいるのが素晴らしい。
何なら最初から上振れ狙いの完全ロマン構築なんかもアリで、
慣れてくると自在にコンボを組んで試し、通ると脳汁がたっぷり出ます。
この懐の深さは、かの傑作FF5を彷彿とさせるほど。

ゆるポスカリ 成立させるのは高火力ロリ


いいじゃねえか、ちっこくてかわいくて高火力で

 ゆるふわポストアポカリプス
一見くっつかなさそうな単語を自然と調和させるのが、このロダネです。
厳しい世界観でありながら、どこかほのぼのとした感情をしばしば抱く……
この独自性は、心を掴んで離さないでしょう。

 拠点で回復するとイベントが発生し、ロダネが弾けます。
それはもう、手を変え品を変えありとあらゆる手段で。
稀にシリアスなものもあったりしますが、大体は吹っ飛びます。
回復するのがむしろ楽しみになるというアイデアも見事。

おわりに


ここまで来ると、言葉は不要です。
屑鉄まとうデモナをやりましょう。いいですね?


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