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楽器・子ども・保育

まず思い付いたのが「発表会で演奏する子ども達の姿」である。それは私自身が初めて勤めた法人で、2つ目に勤務した公設民営の認可保育所での発表会での印象が強いと考える。そこでは、毎年12月に行われる発表会で、幼児クラス(3・4・5歳児年齢別クラス)は、それぞれ楽器を演奏する合奏を行う。年齢ごとに表現する内容や曲は違うが、基本的には職員がピアノで伴奏し、子ども達はそれに合わせてそれぞれの楽器を演奏するというものである。日頃から職員のピアノに合わせて歌を唄ってはいるが、楽器との触れ合いは、発表会を見据えた秋ごろに行われ始める。何回かは自由に楽器を触れる体験はあるが、その後は課題曲に合わせて、保育士から求められた演奏を繰り返し練習する。今思えば、それは、とても訓練のようであった思う。
 
他園はどうか。他園の発表会を見学に行った経験が少ないが、運動会でのマーチングバンド活動が思い出される。

吉永(2006)は「マーチングバンド活動の音楽性は否定しない」とあるが、一方で「練習が指導者にとっても幼児にとっても大変であることや、外遊びや自由遊びの時間が少なくなること」「幼児は、指導者や親の期待に応えるべく、いかなる困難をも乗り越えてマーチングバンド活動を行っている」とある。私も全否定するつもりはないが、より子ども主体な取り組みへと再考する必要を感じている。

さて、保育施設で子ども達が出会う楽器の主なものを挙げてみる。
 
太鼓、ギター、ウクレレ 、ピアノ、カスタネット、タンバリン、鉄筋、木琴、鈴、シンバル、マラカス、トライアングル、ウッドブロック。

上記より、単音と音階のものに分けられる。
他にはどんな分け方があるのだろうか。

また、保育者は何を基準に、子どもと楽器の出会いを考えているのだろう。
 

改めて、以下のことを問いたい。
・子どもは、いつ、どこで、どんなときに、楽器と出会うのだろうか。
・子どもは、いつ、楽器を触れるのだろうか。
・保育者は、なぜ、子どもに楽器と触れさせるのだろうか。
・曲と合わせることや、曲を演奏することは、なぜ必要なのだろうか。

 ※吉永早苗(2006)「幼児期のマーチングバンド活動に関する考察」音楽教育ジャーナルvol3 2

〔後記〕
楽器は高価だ。高価だから扱い方や扱う時間を限定させようとするのではないか。

音楽は目に見えにくい。同じ表現である「描画」と違って、見えにくいからこと、保育者に扱いにくく、探求されにくいのではないか。

音は存在する。だからこそ探求したい。それは子どもも大人も同じで、人間として、それぞれ心地の良い音を欲しているだろう。

だからこそ、探求できる環境を整えてあげたい。音の貧富の差もあるだろう。都市と田舎の違いのように、室内と屋外の違いのように。

本物の音との出会い。子どもにも出会ってもらいたいし、僕も出会っていきたい。まずは、この夏、海に行こうと思う。あ、川でも、山でも良いか。もはやお風呂の水の中を潜るのもいいかもしれない笑

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