フランスで賃貸詐欺に騙されそうになった話

こんにちは。最近ハッピーオタクライフを送るために日本に帰ろうと思っているオレリアンです。

これからフランスに留学してくる人の役に立つかなあとふと思い立ってフランスの賃貸詐欺について書いてみようかなあと思いました。

フランスの賃貸詐欺とはなにか

日本ではほとんど遭遇したことがないし聞いたこともなかったのですが、フランスでは賃貸詐欺というのがけっこう横行しています。賃貸詐欺というのはなにかというと、「アパートを貸します」というアナウンスをウェブサイトとかFacebookとかにのっけておいて、騙された人から前金(とかなんとか)と称してお金を騙し取る手口の詐欺です。そもそもアナウンスが嘘なので初めからアパート自体が存在しません。金返せ!と連絡しようとするとアカウントそのものが消えているというやつです。

フランスの賃貸事情

日本だと大体不動産会社に行って賃貸契約することが多いと思います。フランスでも不動産屋さんはたくさんありますが、フランス人は不動産業者を介さず個人間で賃貸契約を結ぶことがかなりあります。Boncoinというメルカリみたいなネットでものを売れるサイトがあるのですが、そこにいくと賃貸のアナウンスがよく掲載されています。そこから個人で大家に連絡をとって賃貸契約を結ぶという流れですが、その中に詐欺物件がけっこう紛れています。詐欺物件は他のサイトにも溢れています。僕の同居人はフランス人なのですが、同居人の友達はそんな詐欺物件に騙されて2000ユーロ騙し取られてました。こんな事件いっぱいあるしフランスの警察はこんなことではなにもしてくれないから泣き寝入りです。

僕の体験

僕も一度詐欺物件に騙されそうになったことがあります。フランスに来てから数年間はフランス政府が運営してるCrousというなシャワー・トイレ・キッチン共同の監獄みたいなたまに南京虫が沸く家賃激安の学生寮に住んでいたのですが、数年後に「おまえはもう十分住んだから出ていけ」というメール(本当はもっと丁寧な文面)が来ました。僕はおとなしくしていたし何も問題は起こしていませんでした。メールによると期限が来たので出ていけということでした。そのままだと路上生活者になるしかないので上記のBoncoinとか賃貸のサイトとかでアパートを探し始めましたが、これが困難を極めました。外国人だからなのかメールを送ってもだいたいの個人大家は無視してきますし、そのとき僕は保証人がいなかったので、国が保証人になってくれるVisaleという制度を利用しようと考えていました。法律上は大家や不動産業者はVisaleを受け入れることになっていましたが、現実にはVisaleを保証人に受け入れてくれるところはありませんでした。日本でアパートを探す外国人の大変さが、自分が外人になってみてようやくわかりました。

でもそんなときある一人のフランス人大家がメールに答えてくれました。身分証と現在の状況と普通に銀行振込ではなくなんとかというお金を払えるアプリで数百だか数千ユーロ払ってもらったら何日に会って鍵を渡すみたいなことが書いてありました。その指定された日が空いてなかったのでその日は空いてないと言ったら同じような文面の長いメールが帰ってきて、文章になにか自動翻訳のような不自然さを感じました。「その日は空いてないっつってんだろ。頭がお沸きになられている方かな?」と思い、そのときに確信はありませんでしたが、普通契約前に金は払わないし、ようやく詐欺なのではないかと思いました。そこで、そのニセ大家がのせていた物件の写真をダウンロードしてGoogle画像検索にかけたところ、まったく別の不動産屋のサイトに同じ写真がありました。つまりニセ大家はその不動産屋のサイトから物件の画像をダウンロードして載せていたのです。これで詐欺だと確定しました。

その後、しかたないので学校の先生をしているフランス人の友達に保証人になってもらって、Facebook経由で人づてで今住んでるアパートを借りることができました。よかった。

詐欺物件の見分け方

以下の条件が揃っていたらかなりあやしいです。

・写真がプロが撮ったみたいにきれいすぎる

・物件のグレードの割に家賃が安すぎる

・契約前に金を払わせようとする

・銀行振込ではないサービス(paypalとか)経由で金を払わせようとする

・文章がどこかおかしい(コピペしたような文章だったり、フランス語の間違いだらけだったりなど)

・怪しいと思ったら画像をGoogle画像検索に入れてみる(同一の画像が出てきたら別のサイトから引っ張ってきた画像ということなので詐欺確定です)

特に大事なのは「実際に会って契約する前に絶対に一銭も払わない」ということだと思います。

この話が誰かの役に立ったらいいなあと思います。


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