世代論の終焉

あまり、めくじら立てることではないが、Z世代を主語にしたコメントはしない方がよさそうである。
ニュースやネット記事ではキャッチーな表現で済むが、マーケティングレポートでZ世代を主語にするのは「無能の証明」と言える。
<世代論の期間とボリューム>
世代論の元祖、団塊の世代の出生数は800万人近い。
この人数が1947から1949年の3年間に生まれ、成長していったのだから、特に個性がなくてもひとつの塊とするだけで個性感がでてくる。
Z世代は1995~2009年に出生のコーホートとするらしい(はっきりした定義はない)が、この数が1800万人と概算できる。
団塊世代に比べ、期間は5倍で、人数は2倍強である。
Z世代は人数が多いパワーを持つが、だからこそ、世代の特徴を表す鋭さに欠けている。つまり、分析力が弱い。
<世代論とライフステージ分析>
Z世代の現在年齢は、15から29歳に分布していて、ライフステージでみると高校生から社会人にまで広がっている。
Z世代の高校生の分析となると5世代、5期間の高校生が分析対象になる。こんな分析に可能性と意味があるとは思えない。
なにより、高校生、大学生、社会人、未既婚が混在する状態で世代論を振りかざすのは勘違いとしか言えない。
例えば「Z世代は貯蓄より投資に積極的」という分析コメントを見かけた時は、Z世代を最近の若者と脳内変換しないと理解できない。
また、高校生は投資を禁止されているはずでNISA口座は作れないなどとアラ探しをしてしまう。
さらに、証券会社かどこかの記事広告だろうとの判断に至り、有効情報として記憶しないとの認識判断になる。
<Z世代の世代特性>
Windows95の年からスタートしているZ世代はデジタルネイティブとも言われる。
ただ、このデジタル化はコーホート効果としてよりも他の世代も巻き込んだ時代効果として機能してる。
これがZ世代論のあいまいさの原因のひとつである。
<世代論は消えてゆく>
ここで、Zのあとのα世代のキーワードとして、Youtubeネイティブを考える。
テレビ放送(視聴)が一般化してから60年以上になる。インターネット登場時にテレビ終焉の雰囲気があったが、それをかわして定着を続けた。
そこにテレビ放送と同じデバイスで観られるYoutubeが浸透してきた。
このものごころついたときからYoutubeを観ている世代をYoutubeネイティブとする。
年齢では、GoogleのYoutube買収の翌年の2007年生れ以降をYoutubeネイティブとし、これをα世代とする。(現年齢17歳以下)
<世代論からCGCへ>
消費者インタビューしていても、今の高校生以下は画面は観るが放送は見ない人が圧倒的という事実が観察できる。
これは、放送局とテレビCMに支配されてきた日本の認知市場が大きく変わることを意味している。
さらに動画コンテンツを生成できる生成AIが浸透すれば、放送という業態は
大きな構造変化に対応する必要がでてくる。
この先にCGC(コンシュマー・ジェネレイテッド・クリエイティブ)市場が可能になるはずだが、まだ良く考えられていない。

出生数と世代の区切り

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