見出し画像

霧島 ~ 天国と地獄


①霧島 天逆鉾を目指して

GWに霧島に行ってきました!
霧島の高千穂峡の山頂(標高1574m)は、古事記や日本書紀に記されている天孫降臨の舞台と伝わる山です。山頂には、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が高千穂峰に降臨した際に突き刺したと伝えられる「天逆鉾」があります。

実はこの霧島登山、10年くらい前に一度トライしてあきらめた場所。
今回はそのリベンジです!

岩肌を上る人々

整備された山道をしばらく歩いていくと、広々とした岩肌がぱあっと
目の前に広がりました。
間近で見るともっと険しいです。
岩がごろごろとしていて、みなが這いつくばるようにして登る姿を見ながら
そのあとに続きます。

この辺りでの私の正直な感想はというと…
「なんか間違った?」
「私、どうしてこんなことをしてるんだっけ?」
赤茶けた岩石部分はぼろぼろ崩れたりするので、薄い灰色がかった固い岩を頼りに登ります。
しかも岩山が終わりそうだと思ったら、また続いていて
どこまで行っても道が果てしなく続くように思えます。

きついです。
相当きついです。日ごろから運動不足のわが身を呪いつつ歩みを進めます。
私の必死の形相に、相棒は
「無理しなくて途中でやめてもいいよ。」
と言ってくれましたが、私は首を横に振りました。
やる気があったわけでは決してなく、ただ
「行くも地獄、戻るも地獄。」と思ったから。

後ろを振り返るとこのまま転がり落ちそうで怖かったんです。
何も考えず、ただ一歩ずつ歩みを進めることに集中しました。

息も絶え絶え、途中わずかに平らな部分や、固い岩を探して寄りかかり
ひと休み、少し行ってはひと休みを繰り返します。

遠くに見えるは錦江湾


眺めはいいです。
「登ったからにはここをまた下りないといけないんだよね……」
そう考えると、ちょっと、いえだいぶブルーになりますが
眺めは本当に素晴らしいです。

しばらく行くとやっと平らな場所に辿り着きました。

火口・ 御鉢
地層

火口も見えてきました。
少し雲がかかってきましたが、地層の断面もはっきり見えて面白いです。
パラグライダーとかで飛んだら気持ちよさそうです。
できないけど……

山の尾根というのでしょうか、平らになったところを先へ進みます。
平らではありますが、道は狭く、両側はそのまま崖です。
切り立った崖ではありませんが、結構な急斜面。
辺りは真っ白で、周りを雲に包まれているよう。
ちょっと怖い。
道の真ん中にでも頼りになるロープがあればいいのにな、と思いました。

しばらく歩くとまた整備された道がありました。
辺りは真っ白な霧に包まれていますが、元宮の石祠が見えてきました。

脊門の丘にある元宮の石祠

昔はこの脊門の丘に霧島神社の古宮もあったとのこと。
こんな山頂にあったとは……

そこからまた山頂に向かって登るのですが、台風か何かでやられたのか
登山道の階段はかなり壊れた状態です。
とぎれとぎれのロープを頼りに登って行きます。

天逆鉾

山頂に着くと、ありました!天逆鉾!

私の勝手なイメージで、2メートルぐらいあると思っていましたが
1メートルもないくらいの大きさです。
そりゃそうか(>_<)

でもようやくたどり着いた!

霧の中の天逆鉾

霧で何も見えませんが、本当なら見えたであろう山々の名が石板に
刻まれていました。

近くには小さな休憩所のようなものがありました。
500円で利用できます。
突然の雨や強風の時には、ありがたい救いになりそうです。

雲間から

風で雲が流れ、一瞬山並みが見えました。
下り道も転びそうで怖いので、ロープがあるととても有難かったです。

鹿児島の町が見える

帰りは思ったより楽でした。(3回ぐらい転びましたけど……)
山歩きに慣れているらしき人たちはサクサク歩いていましたが、
結構みんな転んでいたので、軍手をしていくことをお勧めします。

登りと違って目的地がちゃんと見えるのと、岩山に慣れてきたからか
行きがけに心配していたほど、下りは怖くなかったです。

降りていくと登山道入り口前に古宮址があります。
行きがけに寄っていく方も多いようです。

古宮址(こぐうし)

古宮址は霧島神宮の跡地です。
霧島神宮はかって噴火で焼け、現在の地に移されました。
この古宮址には天孫降臨神籬斎場(てんそんこうりんひもろぎさいじょう)があり(中心部分です)、現在も霧島神宮の祭事が行われています。

そして、この霧島・高千穂河原にあるカフェ「ミコト乃フモト」。
ここのかき氷が何といっても素晴らしかったです!

ミコト乃フモト
店内の様子
ふわふわのかき氷

日ごろ運動不足の私にとっては地獄の特訓のようだった霧島登山。
そのあとに辿り着いたこのカフェのかき氷は、まさに天国の味わいでした!

本当に美味しい!
氷はふわふわ、下の方は抹茶味で上には珈琲の粉(?)が掛かっています。
あんこと練乳、黒蜜。これはお好みで。
くちどけ感も最高で、今まで食べたかき氷の中で一番おいしかったです!
レコードでビートルズの音楽がゆったり流れ、まさしくここは天国でした。

頑張った自分へのご褒美にぜひ味わってください。
ちなみにコーヒーももちろん美味しかったです。

②霧島神宮

遠い神代の古えより霊峰高千穂峰に鎮座すると伝えられている霧島神宮。
大噴火などによる焼失を経て現在の場所に移されてから約300年。
本殿・幣殿・拝殿が国宝に指定されています。

遠くに勅使殿が見える
霧島神宮・勅使殿

境内は多くの参拝客でにぎわっていました。
勅使殿は重要文化財で、極採食に彩られた象や獅子の彫刻がとても見事。
こちらも国宝の社殿と同時期、正徳5年(1715)に造営されたそうです。

極彩色の彫刻が見事

濃い緑の中に浮かぶ鮮やかな色彩がとても美しいです。

霧島には古くから伝わる九面信仰なるものがあります。
九面は工面に通じ「工面がいい」「工面がつく」と縁起がいいので
霧島神宮には、この九面のお守りも売ってあります。
自分が望むご利益に応じたお守りを買ってみるのも楽しいかも。

③白鳥神社

霧島からそう遠くないえびの市・白鳥山の中腹にたたずむ神社です。
村上天皇時代(946年~967年)に性空上人による創建と伝えられています。

白鳥神社

なんとこの白鳥神社境内の巨木が、奈良東大寺大仏殿に使われています!
1704(宝永元年)この白鳥神社から東大寺まで延べ10数万人が参加し9ヶ月を
かけて運搬されたそうで、1日860人の人夫と牛40頭で運んだとか。
あまりのスケールの大きさに驚かされます。

御神木・衛守杉

この衛守杉はもともと樹齢五百年の夫婦杉でしたが、台風の影響で片方が倒伏し今はこの一本で神社を護っています。

この杉を応援する御朱印もあります。

白鳥神社 御朱印
柱の龍の彫刻

この柱に施された龍と雲の彫刻が見事です。
見ていてうっとりするくらい美しいです。
これは鹿児島・宮崎地方に特有のものだそう。

霧島神宮の本殿の龍柱も見事だそうですが、そちらは残念ながら非公開。
いつの日にか見てみたいです。


この記事が参加している募集

ご当地グルメ

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?