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創業4期目でセールス組織拡大の壁にぶち当たった話

こんにちは。アウモ株式会社取締役の安藤(@_andy_1023)です。

アウモ株式会社ではユーザー向けのメディア事業「aumo」と、法人向けのSaaS事業「aumoマイビジネス」の2軸で会社運営をしています。

対外的には最初に立ち上げたBtoCのメディア事業のイメージが強いので、「SaaSもやってるんですね」みたいなことを言われることも多々あります。
実はBtoBの法人向け事業も順調に拡大していて、特にこの1-2年は、広告事業からSaaS事業の転換にチャレンジしていました。

2022年6月27日に出したプレスリリース

今回のnoteではこの1-2年で法人向けSaaS事業の組織作りについてどんなことに注力してきたか、そして今後どんなことを目指していくかを記していきたいと思います。

・アウモに興味を持っていただいてる方
・SaaS事業に関わっている方、今後関わる予定の方
・メディアのマネタイズを担当されている方

こんな方に読んでいただいて、コメント等々いただけると嬉しいです。

法人向け事業の変遷

アウモの法人向け事業はSaaS事業の以前から存在していました。メディア事業「aumo」を立ち上げたタイミング(2017年3月)でほぼ同時にスタートしてます。
メディアを立ち上げたタイミングはユーザー数もPV数も少ない状態でしたので、まずは飲食店や宿泊施設などおでかけメディアと関連性のある実店舗に対してのSNS運用代行事業からスタートしました。

当時の営業資料

元々法人向け事業の立ち上げメンバーは、いわゆる体育会系組織で、新規の獲得に振り切ったマネジメントが最大の強みでした。
ちょうど当時ベルフェイスさんが「its OLD営業」でマス広告を展開されていた時期だったのですが、自分たちで「OLD営業」と揶揄してました(ヒラメ筋)

とにかく稼働量を大切にするチームで、受注した時だけでなく、アポが取れた時や、日々の稼働量が目標を超えた時は、お祭りなんじゃないかというくらいお互いを褒め合う、そんな組織でした。

仕事の量と質の話ってありますが、量をできなければ質に転化させられるわけもなく、特にベンチャー企業・スタートアップの初期フェーズは量をこなせる能力、それをマネジメントできる組織がとても強いと思ってます。

SNS運用代行事業としてスタートしてから、徐々にメディアが大きくなるにつれて、メディアの枠や記事を販売するモデルにシフトしていきます。
2018年頃からメディア規模の成長に合わせて、法人向け事業も一気に拡大していきました。営業人員の採用も加速させつつ、地方拠点の展開(名古屋・大阪・福岡)も早々に進めていきました。

福岡への事業展開のきっかけとなった西日本新聞社との共同事業リリース

2020年にコロナ感染拡大が起きて、一時的に事業・組織を縮小させましたが、今では売上・利益が拡大しています。
また、コロナ以前から検討していたSaaS事業の立ち上げを、2020年秋頃から再スタートさせて、翌年の7月にリリースを迎えました。
※この辺の話は以前@ShunichiUbukataTechblogにまとめてくれてます

当時抱えていた課題

2017年にSNS運用代行事業からスタートした法人向け事業は、メディア広告事業となって成長し、最終的にSaaS事業へと進化していきました。
一方でこのSaaS事業への転換を迎えるタイミングで、大きな課題を抱えていました。

前述の通り法人向け事業のメンバーは、新規獲得に強みを持っていて、そのおかげで事業が立ち上がったのは間違いないのですが、顧客の満足度が目標に到達せず、解約率にも課題がありました。
結果的に毎月の予算をこなすために一時的な売上の割合が増えて、頑張っても頑張ってもこれ以上事業が成長しない構造になっていました。

SaaSのプロダクトを作って顧客に提供することで上記の改善は一部見込めていましたが、そもそも組織自体が進化をしないとこれ以上の事業成長はないと感じ、持続的な成長ができる組織へのアップデートを進めていきました。

課題解決のために取り組んできたこと

1.データに基づく意思決定ができるための基盤構築

先ほど事業成長の課題に言及しましたが、そもそも何が原因で成長が鈍化しているのかわからない状態だったので、まずはモニタリング体制の整備から着手しました。
それまでは正直営業の嗅覚や勘といった、感覚に近い形で意思決定をすることも多かったと思います。データに基づく意思決定ができるための基盤構築は、事業成長において必須だと考えました。

これまで主にtoCの事業に関わっていた自分にとっては、toB事業のデータ基盤の構築ははじめてのチャレンジで、勝手にデータが格納されてくるtoC事業との違いに当初は苦戦しました。

スタート時はGoogleスプレッドシートで、そこからGoogleデータポータルでDashboard化、いまはHubSpotに移行してます。
この体制を構築したことで、ある程度瞬時に事業のコンディションやその要因を把握することができるようになりました。

2.顧客第一主義へのカルチャーシフト

最終的に顧客に満足してもらうためには、本来受注した後が大事だということを組織全体で再認識して変化していくことが必要でした。
全社会など関係者全員が集まる場で「自分たちがなぜこの事業をやっているか」を繰り返し発信したり、コミュニケーションをとることで共通理解を作っていくことを意識していました。

それだけでなく様々な取り組みを通してカルチャー醸成に取り組んできました。
そのうちの1つが「カスタマーサクセスストーリー」という取り組みです。

これは顧客が元々どういう課題を抱えていて、それに対して自分たちがどういう価値提供ができているのか、結果顧客はどう変わったのか、今後何を期待してくれているのかを、営業担当から事例発表形式で全社にシェアしてもらう時間を作りました。

カスタマーサクセスストーリーより

元々「どういう顧客から受注したのか」という報告は全社で共有されるのですが、「顧客がサービスを使ってどう変化したのか」までは共有されていないことがほとんどでした。
この発表の機会を作る事で、組織全体のアテンションが「獲得後」に少しずつ向くようになった気がします。
また全社観点でも、自分たちの事業が顧客の成功に繋がっている事を、具体例を通じて実感する事ができる非常に良い機会になりました。

この取り組みは外部にも発信をしていこうということで、社外からも閲覧できるクライアントインタビューという形式に昇華させて継続しています。

会社紹介資料より

また目先の成果を追い求めるあまり、中期的な成果や売上を毀損している実態も立ち上げ期にはありました。
短期的ではなく、時間をかけて中長期で顧客の本質的な課題に一緒に向き合っていくことが、本来自分たちが目指している事業であり、それができることで結果的にストックの売上も積み上がっていくということを、組織全体でコンセンサスをとって進めていきました。
特にここに関しては、マネジメントレイヤーが強い意志を持って貫かないと簡単に流れてしまうものだったと思っています。(実際何度かそうなりましたw)

3.生産性を維持・向上し続けられる組織体制への移行

会社紹介資料より

元々法人向け事業は営業+営業企画(運用・サポート系メンバー含む)といった組織体制でしたが、2021年夏頃からThe Modelの分業型組織へと移行、約1年をかけて今の組織体制にアップデートしていきました。

顧客に向き合うことができる組織を作り上げるためには、組織もそれに合わせた形にすることが必要でした。各機能・チームがそれぞれの工程の専門家になることで、より付加価値を創出できると考えました。

事前に約半年くらいかけて他社の事例を勉強しながら、自分たちの組織にどう当てはめていくのが良いかを考えていきました。SaaSを運営する会社の知り合いに話を聞いたり、本を読んだり、SNSを漁ったり。

やってみて思うのは、各社各事業によって最適な形は異なるので、自分たちで意思を持って最適解を探しにいくという姿勢が非常に重要だと感じました。
アウモの場合は、まずIS・FSの立ち上げからスタートして、CS・MKへと展開していきました。同時に作り上げなかったのはマネジメントの難易度を下げて実現可能性を上げる意図もありました。

この体制への移行は「生産性の維持・向上」が目的でした。そのため各機能のKPI設計は全て生産性に紐づくものになるように(コストセンターにならないように)注意して進めていきました。

どうしても営業が強い組織であればあるほど、「IS=アポを取ってくれる人」「CS=役務を回してくれる人」という作業要員的な受け取り方になりがちなので、「なぜこの組織を作るのか」「この組織のミッションやKPIはなんなのか」を全社に対して丁寧に説明しながら進めていくことも、意識していたことの1つです。

取り組みの結果と今後目指す姿

成果が出るまでそれなりの時間をかけて進めたことで、営業生産性も解約率も大きく改善しました。
これまでは社員を増やすことで一時的に組織の生産性が落ちたり、営業メンバーの生産性のボラティリティが激しかったりという事象もありましたが、この組織にアップデートできたこともあり、生産性を維持・拡大しながら社員を増やすことができる状態になったと思います。

とはいえ、まだまだ「立ち上がった」状態に過ぎません。
SaaS事業で目指しているのは「実店舗自らがもっと簡単に効率的にマーケティングができる世界」を実現することです。

法人向け事業を数年運営してきた中でわかってきたのは、特に飲食店や宿泊施設は大手ポータルサイトに業界全体が依存せざるを得ない傾向があるということでした。
店舗運営側がマーケティングの領域をより自立した形で運営していくことで、それまで大手ポータルサイトに支払っていた広告費を削減することができるようになり、他に投資をすることで更なる事業成長・経済活性ができるようになると考えています。

短期ではなく中長期的に顧客の課題に寄り添うことで、業界全体が抱える課題を解決したい。店舗運営側が自立的にマーケティングを実施できる構造を作りたい。そんな想いでこの事業を運営しています。

この夢を実現するには、まだまだ道半ば。アウモの組織も今後は各機能・チームごとにより業務執行のレベルをあげていくことが求められるため、ノウハウも人材も不足している状態です。

という訳で、セールスやカスタマーサクセスなど各ポジションで全力採用中です!少しでも興味を持っていただけた方ご連絡お待ちしてます!

▼会社紹介資料

▼aumo採用について

▼aumo Techblog

▼安藤が前回執筆したnote

いま在籍しているメンバーに加えて、これから新たに迎えるメンバーと一緒に、掲げている目標を実現していきたいと思ってます。

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