絵描きから、かけがえのない大切な友への手紙 2
大切な友へ はじまる
君はすごいよ
だめだだめだ!
負けちゃだめだ!
がんばれなんて言わないよ。
でも、今は今だけは泣いてもいいからがんばれ!
昼間の君からの驚くべきたった一言のLINEで、あたしはそんなこと思ってた。
夜、君からの電話が来るまでは。
君はすごいよ!
「涙が出ないのは防衛本能ね」
「本当は大声で泣き喚きたいのに」
オペの決まった病院で、二日間の執拗な検査を終えた今、君は御主人と一緒にキッチンに立って皿洗いをしている。
これが生きてるってことなんだって、あたしの方が教えられる。
週明けには更なる過酷なオペ前の検査が君を待ち受ける。
「腹括ったわ」
君はかっこいいよ!
長時間の大手術に備えて、輸血用の自分の血を大量に採られ保存される。
あたしよりも小柄で華奢な君。
ついでにいうと、お洒落で美人な君。
ぺらぺらになっちゃうね。
神経も体力もその上血までしぼりとられて。
「ほんと、ぺらぺらよ!」
そんな君が大きく見える。
強い君が好きだ。
弱音も本音を言ってくれる君が好きだ。
頼りないあたしを頼ってくれてありがとう。
偉そうなこと言ってるくせに、ほんとは弱虫毛虫のあたしを選んでくれてありがとう。
こんな薄い胸でよかったら、いつでも泣き喚いてほしい。
そして、あたしの方が元気もらってるんだよ。
君の小説の感想を伝えられる日のために、何度も読み返すよ。
あれは君にしか書けない、どこか懐かしい、知ってる香りのする不思議な傑作だ。
(11月22日)
友と同じく、ひろ生もガーベラが大好き。
優しいドクターと巡りあえてよかったね。
はじまり
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