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小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第十回【The night of the iguana】

テネシーウィリアムズ、イグアナの夜 

日本では上演されている記録はない。この度10aveの42stにある、オフブロードウェイの劇場が3つ入るお気に入りオシャレ建築に久しぶりに向かった。まずNYのシアターはとにかく汚い。そしてせばせばしい。しかし、ここthe Pershing square signature centerはとにかく広々としていて、NYでは至極珍しく綺麗。シアター体験というのはアカデミカルな経験であると思いたい人間としては非常に居心地が優れる空間なのである。 

その中の一つ、キャパおそらく400くらいの中劇場で今回の演目は上演されていた。さながらシアタートラムや本多劇場のようなニュアンスに当てはまるのではないかと、東京の劇場に置き換えてみたりする。演目も高尚でおしゃれ、なかなかの玄人空間であったが、座席が広めで新しく非常に良好な観劇環境。不必要に声をあげたり、ゲラゲラ大笑いをする客もおらず、じっと難解なテネシーウィリアムズクイズを食い入って観ているという様相だった。

内容は至極難解。何とも洒落たタイトルのイグアナの夜、というのは主人公のシャノンの置かれた状況が現地メキシコのホテルで従業員に捕らえられたイグアナの状況に重ねたという事らしい。

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