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台湾漫画〈日本語版〉リスト2023

2023年は定期的な刊行が実現!

2023年に日本で出版された台湾漫画の日本語訳版をリストアップしました。

22年の勢いはそのまま加速。ハイペースで台湾漫画が翻訳・発売されており、リストは充実。

注)性的表現が多い一部のBL・成人漫画レーベルは、当文章が未成年にも読まれる可能性があることから除外しております。
22年のリストはこちら。


『友繪の小梅屋備忘録』

原題:友繪的小梅屋記事簿
著者:清水/協力:三色坊Haku/翻訳:黒木夏兒
PICK UP PRESS発行(1巻まで刊行)
舞台は大正時代の台北。料亭「小梅屋」の一人娘・友繪が女学校で催される園遊会のおもてなしメニュー担当に。級友と共に台北の食探訪!和洋台揃った豊かな食と海老茶袴で走る友繪の成長を、きらら系的タッチの可愛い絵で綴る。

『台湾人主夫奮闘記 in Tokyo』

原題:最軟!東京人夫日記
著者:米奇鰻/翻訳:呉ジンカン
PICK UP PRESS発行(1巻まで刊行)
有能な妻が台湾から東京に転勤……不安そうな妻を助けるために、主夫兼漫画家の作者が大奮闘しながら東京のさまざまを観察。その観察眼は優しくも鋭く、笑いながらハッとさせられることが多い。

『幽霊はどこへ?』

原題:鬼要去哪裡?
著者:韋離若明
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(上下巻)
人と関わることを好まない青年は、幽霊と関われる体質だった。自分では動けない幽霊を運ぶ「幽霊バス」と呼ばれる彼の胸にはある願いがあった……さまざまな事件と関わるうちに友人が増えていく彼だが、その先には切ない物語が。

『葬送のコンチェルト』

原題:送葬協奏曲
著者:韋離若明/翻訳:串山大
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(全1巻)
家出した大学生女子は葬儀社でアルバイトを始めるが、最初の仕事はなんと……!日本とはかなり異なる台湾の葬儀や葬儀社の仕事を、主人公と共に覚えてゆける本作は、「死と向き合う」人の心を文化を超えて突きつけてくる。#続きが気になる台湾漫画大賞 にて紹介された作品。

『ネコと海の彼方』

原題:貓與海的彼端
著者:陳巧蓉(原作)星期一回収日(漫画)
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(全1巻)
内気な少女は、ふとしたきっかけで前の席の、人気者の少女と仲良くなる。漫画創作を通じて仲を深め、特別な親友となった二人だったが……。前半の高揚感は一転、苦しみとなる。これは大切なものを大切なままにお別れして生きてゆくための、切実な物語。『綺譚花物語』星期一回収日の美しい筆致がいっそう物語を切なく彩る。

『守娘』

著者:シャオナオナオ
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(上下巻)
清代の台南の怪奇譚・陳守娘(タンシュウリョン)の物語を題材にした本作。守娘と出会ったお嬢様は、さまざまな女性との関わりの中で女性を搾取する巨悪の構造に巻き込まれる。墨っぽい美しい作画で描かれる、霊と女性の無力さ、それに抗う守娘とお嬢様の連帯に胸を鷲掴みにされる。

『海龍改改 消えたサルタヒコノ目』

原題:海龍改改:消失的猿田彥之眼
著者:張国立(原作)韓采君・趙大威(漫画)
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(全1巻)
入試に失敗した青年が発見した、日本語の手帳。そこに書かれた謎を解明すべく、幼なじみの二人と共に探検開始!秀才も落ちこぼれも、男子も女子も入り混じり、喧嘩したり協力したり……子供時代の最後の冒険が楽しい。ちょっと褪せた色合いがさらにノスタルジーを呼び起こすフルカラー作品。

『僕の声を聞いてほしい!!』

原題:請聽我的聲音!!
著者:楊基政
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(1巻まで刊行)
憧れのお姉さんと一つ屋根の下……でも素直に喜べない。それはお姉さんがすっかりだらしなくなってしまったから?それとも……?恋が叶うわけがない青年と、彼を翻弄しながら何か辛いものを抱えていそうなお姉さんのドキドキシチュエーション、どうなる?(百合好きな私の感想として、一巻最後の展開はかなり気がかり)#続きが気になる台湾漫画大賞 にて大賞を受賞し、8月からComic Walkerで連載された作品が単行本化。

『龍行旅』

著者:AKRU
KADOKAWA発行/青騎士コミックス(全1巻)
角を生やした龍の青年と不思議な男児は、他の龍を探す旅の中で様々な怪異の事件に関わる。『北城百畫帖(カフェーヒャッガドウ)』がコミックカタパルトの閉鎖により読めなくなってから、久々の単行本。流麗な絵柄で描かれる怪異物は作者の真骨頂。

『ヘレナとオオカミさん』

原題:海倫娜與大野狼先生
著者:布里斯
KADOKAWA発行/MFC(グローバルコミック部)(上下巻)
孤児院に暮らす少女と、スランプに苦しむ狼マスクの絵本作家が絵本を通じて心を通わせる、切なくも温かい物語。普段の絵柄と作家の絵柄、少女の絵柄が入り混じる誌面も楽しく、泣いて笑顔になれる作品。2022年に #台湾コミックはじめました で連載された四作品のうちの一つ。

『青春ディソナンス』

原題:殤否
著者:Gene
KADOKAWA発行/MFC ジーンシリーズ
こちらも #台湾コミックはじめました で『殤否 僕らの世界のつくりかた』として連載。

家庭に恵まれず、辛い境遇を支え合う二人の高校生男子の物語。作者は台湾で多くのBLを描き「京都国際マンガ・アニメ大賞2020」で大賞を受賞した実力派。シリアスな本作は「台湾BLの一ジャンルである社会派BLと言える(台日翻訳家・黒木夏兒談)」とのこと。

発売中!

11月27日にBLが二作品。いずれもレーベルは『青春ディソナンス』同様ジーンピクシブ。この日は台湾の島先生がコミックキューンにて連載していた台湾日常系作品『ぽかぽかたいわん!』1巻も発売、台湾デーとなった。
※当初『龍と地下室』という作品も入れておりましたが、こちらは中国の作品とのことでしたので掲載をやめました。情報を間違えたおりましたこと、申し訳ありませんでした。

『先生、夜明けにそばにいたい』

救済系BLとのこと。

『世界の終わりも君といっしょに』

ぶっ飛んだ終末系。Gene先生は『青春ディソナンス』に続き2ヶ月連続刊行。

筆者について:X(Twitter)では「あうしぃ@カワイイマンガ」の他に、台湾漫画の話をするための「あうしぃ@台湾漫画(@auctwcomic)」というアカウントも持っています。以前はそちらに、台湾漫画の日本出版情報を一枚の画像にまとめて紹介していましたが、書影を借りていた版元ドットコムで書影の使用を不可とする出版社が大幅に増え、その活動ができなくなってしまったことから、note+マンガ情報サービス「マンバ」を使用して情報をまとめることにしました。

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