リサ・ケイ

How should we live in such an insanity?  大…

リサ・ケイ

How should we live in such an insanity?  大学生ブログ

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    オリジナル小説を連載しています。毎日更新です。

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スクリーム・フロム・ザ•レディオ

 グーーーーーーッドイブニーーーング!バッドイブニングなヤツもいるかな?  世界はバレンタイン・デーの翌日、男と女の浮かれ騒ぎ、そんなピンキーなインサニティーの中で、キュートなプラネットに住むブルーなアンタら、ちゃんと生きてるかい?呼吸してる?しっかり二本足で立ててるなら上等、両手含めた四本足でなんとかってヤツもまあ立ててるんなら上々ってとこだ。そんな今夜のお便りはテクノポリスより愛を込めて、悩み多き乙女からの相談だぜ。  世界はセント・バレンタインデー、テクノポリスではそ

    • howmilesaway 9

      暑い。風が全く吹いていなかった。ハナと私は小さなローラコースターの前に立って、辺りを見回していた。今日はカーニヴァルの二日目で、昨日の夜に盛大なパレードがあったからこの街のほとんどの人がまだ家で寝ているんだろう。カーニヴァルの人気は少なくて、一応アトラクションが動いたり屋台なんかが出ていたりするけど、カーニヴァルの人たちもあんまりやる気がない。初日が終わっちゃえば本番は三日目から、って考えてるみたい。 「ほんっとにガラガラだね、試しに来てみたけど。これじゃああんまり楽し

      • howmilesaway 8

        特に、歴史の本に登場する現実世界のいろんな場所に私は魅了された。この世界には本当にたくさんの国が、街があって、それは物語に登場するものに負けず劣らずユニークだ。私してその世界のいろんな場所に、私とは違う見た目の、私とは違うものを着たり食べたりするいろんな人たちが暮らしている。私はすっかり夢中になった。いろんな場所に行って、自分の目でいろんなものを見てみたい、そう思った。そして前言ったのと同じように、ママに言った。 「ママ、私いろんな国に行ってみたいの。この街の外にあるい

        • hownilesaway 7

           メイクをする時に大切なのは、まず自分がどういう顔になりたいかっていう理想を考えて、その次に今ある自分の顔を客観的に見ることだと思っている。私の顔のパーツは、理想とどれくらい離れているか?共通点は何か?相違点は何か?何をどうしたら、理想に近づけそうか?  時には顔のタイプが全然違いすぎて理想には残念だけど近づけないって時もある。だけどそういう時も諦めずに代替案を探し出して、どういうふうにしたら自分がよりよく見えるかってことを考える。私が思うにメイクはそのプロセスの集大成で、ど

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          howmilesaway 6

           見るのが嫌になっちゃうようなあざをそれでもちゃんと見つめて、注意深くクリームを塗ったら私は下着を身につけてそのままガウンを羽織った。今日はカーニヴァルの初日だ。多分ハナも気合を入れてくるだろう。さて、私もどんな格好をして行くか考えなくちゃ。  ファッションは好きだ。メイクや服やアクセサリーは、間違いなく私の魅力を高めてくれる。それは私にとってちょっとした魔法なんだ。お気に入りの服を着て、綺麗なメイクをして外に出ると、ママが繰り返すこの街この街って話とか、胴体のあざのことと

          howmilesaway 5

          クリームを確保してバスルームに戻る。大きな容器に入ったクリームはもう残りが少ないのかなんだか軽くて、その軽さがとても心もとない。新しいやつ買っといてよかった、って思う。古いやつは今日使い切っちゃうかもしれないから、新しいやつも一応一緒にバスルームに持って行った。  バスルームの大きな鏡の前で、裸になった自分の体を見る。私が一日の中でいちばん嫌いな時間だ。  鎖骨から胸元、そして脇にかけて、浅黒いあざのようなものが広がっている。お腹のあたりは白くてつるんとしているけど、

          最近どう?わたしは毎日note書いてますヨン

           noteを毎日投稿しよう!と思い立ってから大体一週間ぐらい経った(ガバい)  私は小説家になりたくて、書くことで生計を立てることが夢で、でも小説を書くと言うことは体力も時間もすごく必要で(特に長編小説)、くそ暇大学生の癖に全然夢のために行動してなかった。小説家になりたいくせにそもそも長編小説を一本まともに完成させたこともなかったから、賞に応募してみよう!とかほんとにそういう次元じゃなかった。つまり何もしていないということ。そんな自分がもちろん嫌で、普通に恥ずかしくて、とに

          最近どう?わたしは毎日note書いてますヨン

          howmilesaway 4

          カーニヴァルを生み出した男は、カーニヴァルが莫大な経済効果を生み出すことに気がつくと、なんとかその効果を増幅させることができないかと考えた。そして彼はカーニヴァルを「移動式」にしてしまった。 今やカーニヴァルを求めて国中から人がやってくる。しかし旅行というのは金がかかる。中にはカーニヴァルに行きたくても行くことができない遠方の人たちもいる。そういう人たちがカーニヴァルに来て金を落とすようにするには、こちらが移動して彼らの元に行くのが最適である。 この街は辺鄙だ。カーニヴァ

          howmilesaway 3

          家に帰ると、ママがキッチンテーブルに座って新聞を読んでいた。 「ただいま」 と声をかけて部屋に入る。 「あら、もう帰ってきたの?ハナは?一緒にカーニヴァルに行くんじゃないの?」 ママは新聞から顔を上げて言った。 「一回家に帰って支度してから行こうって話になったの。七時に迎えにくる」 そう言ってバスルームに向かおうとしたわたしは、ママの声に呼び止められた。 「カーニヴァルねえ、カーニヴァル。ねえ、リリーはカーニヴァルが好き?」 まあまあ、って答える。そしたらママ

          howmilesaway 2

          「リリーも行くでしょ、カーニヴァル?何時に集合にする?」 さも私と一緒にカーニヴァルに行く、というようなハナの口ぶりに私は驚いた。 「マイクと一緒に行かないの?てっきりふたりで楽しむんだとばかり思ってたけど」 ハナはデザートに取っておいたりんごをかじりながら、澄ましたような顔で首を横に振った。 「マイクとは一緒に行かない。子どもの頃からリリーと一緒に行ってるんだもん。あっちも男友達と行くわよ」 カーニヴァル初日の夜は特別だ。街にやってきた記念のパレードが開かれて、ア

          howmilesaway 1

          その日の気温は二十一度セルシウスで、私はシャツの上にブラウンのジャケットを羽織っていた。生ぬるい風が頬と顔まわりの髪の毛を撫でて、今日はこれじゃ暑かったかもしれない、と思わせる雰囲気。  隣を歩くハナのブロンドがひらひら揺れる。カーリーヘアーをふたつに束ねて、まっすぐに下ろした前髪を気にしてしきりに手でなでつける。ブラウスの上に花柄のキャミソール、頑丈なデニムのミニスカートは決して揺れなかった。湿度は六十パーセント、夏が近いある朝の終わりごろ。 「ねえ、別にきれいだよ。そ

          小説連載始めます、予告編‼️

          I will never know, 'cause you will never show Come on and love me now, come on and love me now…  午後2時。カーディガンズの「カーニヴァル」がラジオから流れるのを聴きながら、あたしはパンケーキにメープルシロップをかけていた。店内に漂うココナッツオイルの匂いと、滑り止めのニスが塗られたテーブルの感触。がらがらの店内と、暇そうに突っ立っているウェイター。窓から見える雲ひとつない青空、

          小説連載始めます、予告編‼️

          喫茶深海・レポ

           お昼のバイトをしながら、わたしはずっとそわそわしていた。これが終わったら、これが終わったら‥。お店を閉めてみんなでまかないを食べているときもそれは同じで、ずっと時計をちらちら見ていたせいかオーナーに「このあと何かあるの?」って聞かれちゃったくらい。そうですあるのです、わたしは考えてることがお見通しだったことをちょっと照れくさく感じながら、「このあと喫茶店に行くんです」と答えた。 「喫茶店?どこの?」 「十条です。ちょっと遠いんですけど」 「十条か!渋いところに行くねえ」

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          これがほんとの自己紹介

          リサ・ケイです。初回のnoteで自己紹介っぽいことやってますけど、(自己紹介って言えるのか?あれを)たぶんこっちがほんとの自己紹介。昔から考える性格ではあったけど、ちょっと前に人生の意味とか就活とかについてひたすらぐるぐる考えてなんか久々に病んじゃったよ。闇の谷底から早く抜け出したくて必死で書いた日記。とにかく元気になろうと思ってむりやり明るく締めてるけど、この問題提起は今もずっと未解決でわたしの心の中にある。殴り書きみたいなものだから、つたないとこもあるけどぜひ立ち寄ってい

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          バックサイド・オブザワールド

           昨日もバイト、今日もバイトで最高に疲れ果ててる。トイレで見たインスタのストーリーに、金持ちの男に乗り換えて幸せそうなあの子が高級ホテルではしゃいでる姿が写ってる。心が綺麗なわたしは最低賃金でバイト、飲食のくせにまかないがないから死ぬほどお腹が減る。深夜だけど耐えられないから今日も何か買って帰るんだろうな。  バイトが終わるのは11時だけど、電車を乗り継いで家に帰るのは12時過ぎ。コンビニに寄ってレジ横にある揚げ物と焼きそばパンを買って帰る。食べた後絶対後悔する、ニキビもでき

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          グッドモーニング・ルーティーン

           連日夜遊びなんて結局わたしには向いてなくって、早寝早起きして朝ごはん食べるのがいちばんバランスいいみたい。友達と朝まで飲み歩くのだってそうしてる間はそりゃ楽しいけど、明るくなってから感じるお酒でガラガラになっちゃった喉とか、シャワーを浴びてないベタベタした体とか、メイクが落ちてむくみまくりの自分の顔なんかを見るとげんなりしちゃう。はあ、早いとこ切り上げとけばよかった!そのくりかえし。  わたしが思うにいい朝(グッドモーニングっていい挨拶だよね、ほんとに!)っていうのは前の

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