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囲碁普及大作戦 ー 顧客の抱え込み

春先になり、気温が温かくなってきたため、血流が良くなり体調が気持ち良くなってきた。

久しぶりに囲碁普及大作戦のnoteを記載したいと思う。

囲碁界のプロアマ問わず、囲碁で仕事をしている方々にとって、金払いの良い顧客というのは非常に重要です。それこそ、指導碁を週1回受けてくれたり、ある程度金額が係るイベントに定期的に顔を出してくれる優良顧客は、どの立場の人でも末永くお付き合いして欲しいと感じるだろう。

1.驚いた話

2年前のこの時期に、私はいつも通り全国大会のある地区予選に参加した。

1回戦で大勝していた内容の囲碁を落していたので、初戦から肩を落とした自分ですが、その日の自分は珍しく体調が良かったため、勉強のため全ての対局を打ち切ろうと思った。

最近の地区予選は、小学生の参加も珍しく無く、学生が社会人大会に腕試しや経験を踏むために参加が増えている。

確か予選の2回戦か3回戦だったか、私の対戦相手が高校生だった。その横に非常に上品な小学校3年生位の男の子と同級生らしき子が、私の横でおしゃべりをしていた。

非常に真面目な顔で真剣な話をしていた。

A君『院生ってどうなの?』
B君『院生制度って結局は所詮金儲けだよ。』
A君『そうなんだ。(親身に寄り添った表情)』
B君『お金ばかり係るんだ。』
A君『お母さんは?』
B君『そのような事に気が付いていないんだよ。だから親には都合の良い事ばかり説明しているんだよ。』

俺『・・・・(汗)』

対局検討中に小学生2名の会話が大人過ぎて、囲碁おじさんの私も検討そっちのけで耳をダンボにして聞き入ってしまった。

2.囲碁界でよく聞く顧客の奪い合い

私は、囲碁棋士、囲碁インストラクター、碁会所の席亭など囲碁を主たる仕事にする人達の古から変わらない顧客の囲い込み囲碁の押し売りを聞いたり、目の前で出会うとで辟易とする。

どれだけ自分の教室や指導碁、そしてイベントに参加して貰えるかが囲碁を商売としている人達にとって重要かはよくわかる。

ただ、囲碁界の関係者に出会うとその多くの方が、権力・影響力・仕事・生徒を自分の配下に収めたがる人が多い。何故ならば、顧客となる生徒さんは売上の一部となり、教室に参加する人の数や指導碁を受ける人の数が多さが売上に直結するからだ。

だから、囲碁界の方々の多くは、まず自分達を主張する。

それは生きていく上で、非常に正しいのですが、譲る・選択させるという事をあまり聞いた事が無い。

囲碁という僅か1つの世界なのに、それぞれがそれぞれの立場で個別最適を選択し、我が個人・我が組織が一番成りと競っている。

だれも全体最適の視点で、顧客目線の最適化を求めるゆとりがない

顧客目線に立つならば、

  • 予算

  • 場所

  • 目的

  • 要望

などのニーズをヒアリングした上で、囲碁に接してくれる顧客に対して最適なマッチングをさせる事で、末永く囲碁界に接して頂く必要がある。

その最も根本的な顧客目線を身に着けていないのが現実だろう。

3.私の流儀

私は、22~28歳位まで中小企業に5年以上所属していた。

22~24歳位までは、自分の顧客評価そして自分の価値・スキルをひたすら高める事のみに集中してた。その上で、自社の評価を高め取引先の案件数や社員のプロジェクト参加人数を増やす事のみ考えていた。

その当時は、ライバル会社の社員と競い、如何に有利なポジションに成るかばかりを考えていた。自社と自分の利益を最大化にするにはどうすれば良いだろうかという事のみに意識が集中していた。

勿論、それが動機付けになりITスキルを伸ばすための爆発力になっていた。

同じ取引先で3~5年経過した頃だろうか、取引先の私の上司は、私をプロジェクトのリーダーにして、予算以外の多くの裁量権を委譲した上で取引先の社員やパートナー企業の若手社員を配下につけた。

最初は、自社の社員を育成できない事や自分の売上が伸びない事にストレスを感じた。それでも、任された仕事の顧客と信頼してくれている取引先の上司のために全力を尽くし続けた。

その頃嵌っていた大前研一氏の書籍に、本当に優秀な人材は顧客を抱え込まずに顧客にとって最良のソリューション(解決策)を提供するという主旨が述べられていた。

即ち、顧客がお金を払って仕事を依頼する時に、自社及び自分の総合的なスキルと実績を判断した上で、自分達の提供するサービスが顧客にとって最善な価格で最善なサービスであれば、自分達の良さを主張して仕事を受注すれば良い。

スキル不足や人員不足、リソース不足を感じたならば、顧客にその仕事を最適なソリューションを提供する会社や営業マンを紹介すれば良い。一見ライバル会社に仕事を奪われる感覚があるかも知れないが、紹介した会社や人そしてサービスが良い物であれば、紹介した営業マンや会社にも良い顧客を紹介してくれたと感謝され義理を感じられるようになり、更に顧客側からも嘘を言わない誠実な人物だという評価を受ける。

だから、優秀な人物程、自社や人に依存せずに顧客に最善を尽くす人であるという主旨が書かれていた。

大前研一氏の書籍は既に数10冊以上出版されているので、どの本に書かれていたか忘れてしまったが、上記のような内容が記載されており若い頃に感化されたのを覚えています。

そして、IT業界における私の考え方も180度変わり、自分のスキルで顧客に最善を尽くし、同じ業種の若い人達の役に立つならばそれでいいと感じるようになった。

フリーランスとして独立してから、その上司とは直接取引をさせて頂いたし、その後私がぶっ倒れるまでIT業界での仕事のスタンスはそのような姿勢で生きてきた。

IT業界には、多くの会社や色々な立場の人と出会う。
その上で、自分が将来伸びると思った若手には、自社他社問わず重要なキーマンを紹介したりしていた。

そのような事を長くやっていたら、過去の私の働き振りを知っている取引先には、担当者の状況にもよるが、こちらが困った時に声掛けでタイミングに寄りますが、大概案件を頂けるようなお付き合いをさせて頂いた。

だから、自分が20~40前半まで健康だった頃は、下請けとしてはかなりの額を提示していたが案件には一切困らなかった。

4.囲碁界では?

囲碁のプロ棋士、囲碁インストラクター、碁会所の席亭は、皆どの立場でも大変です。人気があり稼いでいる立場の人もいれば、低所得で大変な方も多くいる。

どのような立場でも、原則としていえる事は只一つ。

囲碁を愛してくれる顧客のために最善を尽くしましょう。
顧客はどのような囲碁サービスを獲るかは自由です。

それが、自分の組織が関わる事、自分が関わる事が最善でないかも知れません。そのような時には、真剣に顧客の立場を考えて、自分の利益以上に先ずは相手の事を真っ先に考えるだけで、囲碁界は改善します。

囲碁を純粋に学ぼうとしているお子様やその家族、そして社会人で囲碁のイベントや指導碁に参加してくれる方々をお金稼ぎの道具にしていませんか?

一番重要なのは、囲碁に接してくれる方が末永く快適に囲碁界で楽しんでくれる事ですよ。それをプロ棋士、囲碁インストラクター、碁会所の席亭、その他囲碁に携わる多くの方々が肝に命じるだけでも、今の100倍のパワーは生まれると思っています。

その上で、顧客目線で全ての囲碁サービスを見直し、個別最適ではなく全体最適を目指すだけでも囲碁界は良くなると思っています。

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