見出し画像

囲碁普及作戦ー快活CLUBの勉強

日本囲碁界の課題を浮き彫りにして、具体的解決策を提示する戦略noteです。本日は、「快活CLUBを勉強しよう」です。

1.はじめに

最近、囲碁界の事を考えることためにあらゆる事がインプットとして脳内を駆け巡ります。日常生活で感じる外の状況も全て参考になるデータであり、実店舗があるお店には、試しに入る事もある。

そして、最近碁会所の形態に近しい若しくは碁会所が参考にすべき業種の1つとして、「快活CLUB」があります。

既に全国で498店舗、都内だけで41店舗といつのまにか私達の生活に溶け込んでいるお店です。

快活CLUBがどんなお店かといえば、「漫画喫茶」「インターネット」「仮眠・休憩所」がベースとなり、ゲーム、カラオケ、ビリヤード、ダーツなどがあります。

え!?

漫画買えばいいじゃない?
インターネット自宅できるじゃない?
休憩自宅でできるじゃない?

と思われる方もいるでしょう。そこにビジネスのヒントがあり、そこに学ぶべき多くの事が隠されており、その内容を把握する事で囲碁界特に碁会所を運営される方々への多分な示唆があります。

2.サービスの値段

入会金:370円(税込み)
最初の30分:380円 以降10分ごとに:130円
会員が、最初の1時間を利用したと計算すると770円(税込)
これが平日(金・祝日前日の18:00迄)の料金で祝日及び金曜日・祝日前日の18:00からは330円を支払います。

即ち、平日の1時間だと770円になり、休日になると1100円になります。

そして、何ができるのかといえば
・個室1~1.5畳の空間を自由(仮眠・休憩)に使える。
・施設にある漫画が読める。
・インターネットができる。
・ソフトクリームが食べれる。
・ソフトドリンク飲み放題
・シャワー
・共用トイレ
・コインランドリー(有料)
・ファーストフード的な食事(有料)

と極端な話、30日間貸し切りで生活しようと思えばやれてしまうサービスが快活俱楽部にあります。そして、1日24時間借り切る値段は、6,880円(税込)。

これを30日概算で計算すると20万9700円となります。
6,880円×30 = 20万6400円
330円×10(土日祝) = 3,300円

そして、池袋駅周辺の1Kの賃貸を検索すると
マンションで9~11万円前後、アパートで6.5~8万円前後です。
敷金・礼金が無しとすると1ヶ月平均で、マンション12万前後アパート9万前後です。

快活CLUBが何をしているかといえば、極端な話を言えば個室が常に清潔に保持されたり、共有スペースである漫画、ドリンク、ソフトクリーム、シャワーなどを提供した今の時代に合わせた賃貸不動産屋の進化系と言えます。

そして、この業種の利益を決める鍵は、個室の稼働率敷地面積辺りの売上高もしくは顧客単価です。これを如何に上昇させ、定常的に稼働率を100%に近づけるための共用サービスを向上させることが、この快活CLUBの儲けを大きく関係するKPI(重要業績評価指標)となります。

3.快活CLUBの競合とは

快活CLUBがどのような業種と競っているのでしょうか?

・賃貸不動産
・カラオケ屋、漫画喫茶、インターネットカフェなど娯楽施設
・カプセルホテル、ビジネスホテルなどの宿泊施設
・ファーストフード・喫茶店などの飲食店
・中古漫画販売店

など有とあらゆる業種でお金と時間を費やす顧客を獲得しようとしているのが理解できるでしょう。お時間が有る時には、快活CLUBのホームページを隅々まで閲覧した上で、実際の近くの店舗に1時間社会勉強すると色々と勉強になると思います。

4.碁会所の値段

さて、囲碁界に話を戻しましょう。
主に碁会所です。1日1200~1500円。超破格です!
土日のかきいれどきで、朝から晩までタコ粘りしても1200~1500円。
更には、月額定期サービスを購入すると1ヶ月30日で15000~20000円

碁盤の半分のスペースと椅子を占拠したとして、あらまビックリ
快活CLUBが1~1.5畳のスペースを借り切って約21万円。
碁会所が、碁盤半分と椅子1つの約0.3~0.5畳を1ヶ月借り切って約2万円前後。

これでは、ビジネスとしてお話になりません。

快活CLUBのサービスには全然劣るかも知れませんが、それでも山手線圏内のテナント代を考えたら快活CLUBの料金体系に近い価格と単位時間の売上を上げていかなければ、店舗や色々な経費が賄えないし、顧客のために新しいサービスを良くする事を仕掛けられません

5.碁会所の値段の背景

団塊の世代で碁会所をオープンする席亭は、バブル経済で一山当てて経済的に成功した人が運営している人が多かった気がします。記憶違いだったらごめんなさい。

即ち、株・不動産・ビジネスなどで成功して50~60歳位になり、ガツガツお金を稼がなくとも良いゆとりのある人です。
そんな方が、資産はあるけど仕事をしないのも暇だから、同世代の団塊の世代の憩いの場を格安で提供する事で、社会活動を維持し社会貢献をするという意味あいが強いと思います。

その文化が、経済状況がバブル期から一転して低迷した30年間の日本経済においても何故か1日1200円前後という悪しき文化が継承されています。

6.碁会所の潰れる背景

そして、資産は持たないけど囲碁を愛して、囲碁界のために碁会所を運営していた多くの団塊の世代は、以下何れかの問題で潰れています。

①お金の問題
    稼働率が低下した事で、店舗を維持できなくなった。
➁高齢・病気
 碁会所を運営する主の席亭が高齢化したり病気になる。
➂後継者不足・アルバイトを雇えない。
 碁会所の低賃金のバイト者がおらず、①➁が連動して➂となる。
④コロナ
 ここ3年間は、①~➂の問題から一気に④で止めを刺さされた。

ここで、重要なのがもし、碁会所を運営する人達にある程度の利益が確り確保できているならば、店を畳まずともサービス形態を変えたり、リニュアールしたり、バイト賃を弾んで人を増やしたりと色々な戦略ができたはずです。

即ち、問題の原点を辿ると資産を持った席亭の考えられない碁会所の価格設定に合わせるために多くの席亭が去ったと考えられます。そして、コロナがほぼ終焉し、今年から囲碁界全体で戦略的に行動し、他業種との顧客の奪い合いの狩りをして全体で儲けなければなりません。

7.都内碁会所への提言

コロナ禍を乗り切った碁会所は、ある程度力のある碁会所だと思います。
都内の碁会所がカルテルを組んでも良いので、碁会所の値段をキチンと碁会所で働く全ての人に還元する仕組みを作り上げましょう。

そのためには、初めの一歩として私からの提案は、快活CLUBのような値段体系を標準化させましょう。
週末の土日と祝日そしてその前日である祝日前と金曜日18:00からは全て1時間600~800円の範囲を目指しましょう。顧客の入りが厳しかったら最低1時間500円を目指しましょう。

その上で、平日は単位時間当たりのサービス費用を500~800円に設定しましょう。

このような事は、今まで団塊の世代の月額定期2万円前後を当てにしてきた碁会所は怖いですよ。でもね、今後囲碁界は月額定期2万円が当てにできなくなる時代がもう来ているのですよ。
だから、売上をキッチリとり教室や大会、交流会のイベントを仕掛け、碁会所の運営者全員(経営者、席亭、アルバイトなど)が平均年収そしてできたらそれ以上を目指せる事を目指しましょう。

8.都内碁会所への提言2

碁会所1つだけで孤軍奮闘しても駄目です。
このような考え方に賛同できる碁会所の責任者を集め、意識を統一し一体感を出して取り組む事が大切です。
そして、1つに纏まる必要があるのであれば、M&Aではないですがお互いを高め私利私欲を捨て大きなグループ会社として纏まり、各拠点の碁会所を1つの個人商店として管理するのではなく、会社として各店舗を管理するという事をできるようになると相乗効果が発揮できると感じます。

碁会所の運営は大変だと思いますが、経営者・席亭・個人含めリモートでも良いので月1回のZoom定例会をしていけば個々は非力でも大きな力になる可能性があります。

そして、全体として強靭な他業界にも負けないサービスを提供し続けるように祈っています。纏まると人材の共有化アイディアの共有化、イベントの共有化ができるので、若い経営者であれば是非ライバル碁会所・教室だと思わずに共に戦う戦友として力を合わせて下さい

必ず、都内そして関東圏ではこの単位時間もしくは数時間パックでのサービスの提供が実現できるはずです。そのためには、是非「快活クラブ」の儲かる仕組みを勉強してみて下さい。

そして、若い経営者を中心に近い地域の経営者と良く話をして仲良くして腹を割った話(お金の話、経費の話、勉強になる話等)をするようにして下さい。

次回は、勉強の材料として1ゲーム最低500円(45分前後辺り)の料金を必要とする雀荘店のお話について語れたらと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?