中島淳志

色々な私見と旅や読書諸々。 2024年3月からイタリア・ローマに留学中

中島淳志

色々な私見と旅や読書諸々。 2024年3月からイタリア・ローマに留学中

最近の記事

独学

現在、語学学校に通っていることもあり色々とこれまでの数年間、考えなかった事を考えるようになった。 小泉進次郎構文みたい… 私は絵描きを生業としているので様々なタイプの作家の知り合いや友人がいるが、私は特に典型的なアカデミズムをバチバチに叩き込まれ、それをゴリゴリに押し出した絵を制作している。 私と対象的な作家のスタイルといえば独学で抽象画やポップな絵を描いている作家になるだろう。 (これは完全な独断なので違う!と思われても仕方ない) 独学を否定するつもりは一切ないのだが

    • ライバル

      学校前や後、休日はローマ市内の博物館や遺跡に行ってスケッチしたり写真を撮ったりしているのだが、そこに行くまでの道のりにも素晴らしい景色はたくさんあるので常にアンテナを張りながら歩いています。 例えばこんな感じ。 遠景の抜けていく空間に鐘楼があるのが作品として描く際に見せやすいなと思い撮影。 そして、この自分が撮った写真に対して1つのなかなか無い偶然が起きた。 先週トラステヴェレにある美術館に行ったのだが、そこで展示されていた水彩画の中にこんな絵があった。 全くの偶然だ

      • フォロ・ロマーノの入場に関して

        先日、ローマに到着してからようやくフォロ・ロマーノの内側に入りました。 どうしてすぐに行かなかったというと最初の週は体調不良が続き2週目は気持ちが他に向いていた事と行こうとしたがローマ市内でマラソン大会が開催されており入れなかった事が要因としてあります。 最後に行ったのは2019年なので約5年ぶりの再訪になります。 前回と比較して入場方法について2つ大きな変更がありました。 1つは支払いがクレジットカードのみになっており現金は一切受け付けていませんでした。 オンラインで

        • バラッコ古代彫刻美術館にある古代ギリシャのレリーフ

          ローマにあるバラッコ古代彫刻美術館(イタリア語ではMuseo di sculatura antica givanni barracco)は入館料を取っておらず寄付金を受け付けている。 初めて訪れたのは2017年で小規模な博物館程度にしか感じなかった。 現在通っている語学学校に近いこともあり時間がある時は寄るようにしている。 今日は観る事をメインにこの美術館にやってきたのだが、展示されているレリーフ彫刻に特に関心を抱いた。 というのもあまりにもレベルが高く彫りも繊細で立体的

          体調が良くなってきた

          ローマについてから最初の一週間はあまり良いものではなく、少し気持ち的にも沈んでいた。 体調が良くなかった事もあり正直な所、早く帰国したいなと若干のホームシックになっていた。 現在は体調も回復し街歩きができる状況になってきたので古代ローマ遺跡や博物館などを訪れている。 沈んでいた気持ちも好きなモチーフを描く事によって明るく前向きになってきているな感じると、やはり自分は腐っても絵描きなんだなと認識する。 今日はアルテンプス宮に行ったが、そこに収蔵展示されている彫刻をスケッチ

          体調が良くなってきた

          時間に対する感覚

          ローマについて一週間、最初の2日間は街を歩いたものの3日目からどうにも身体がダルく環境から受ける生物的なストレスと合わせて精神も体調も落ち込み家で養生していた。 それもあって全くローマにいる意味をなしていない一週間になってしまったが、明日明後日からはまた動き回れそうだ。 人間は年齢が上がるにつれて時間の流れを早く感じるようになり、1年がどんどん短く早く過ぎるようになる。というのは昔からよく言われている事でこれには色々な要素があると思うのだが、やはり新しい経験をする事が減るの

          時間に対する感覚

          留学における人間関係

          留学期間に出会った人は自分の人生にとってほぼモブ以下だ。 留学先で出会うことに何かしらの特別感や運命的なものを感じることもあるだろうが、そういう人はいても1、2人だろう。 自分はオーストラリア留学で知り合ったイタリア人と継続的に連絡をとっているが、これは自分がイタリアに興味があるから続いている関係だと考えている。 クラスや社交的な場だけ親しげに会話して帰国する、それまでだ。 本心では互いに興味がなく、ただ留学先であったというだけの関係を必死に維持しようとしている人は多い。

          留学における人間関係

          イタリア・ローマに留学

          2024年の3月からイタリアのローマに1年間の語学留学と作品の為の現地取材を兼ねてきています。 この機会の為に約5年を掛けて準備してきましたが、初日に喉を痛めてしまい身体がダルく、現地での生活に合わせるために掛かるストレスや時差ボケなどもあり、想像していた楽しいスタートとは違ってあまり良い状況ではありません。 初日はそういう事を気にせず街中を散策しましたが、やはり無理をしたせいもあり帰宅後は明らかに身体が重く、若干熱っぽくもありました。 また、体調が良くない事と連動して作

          イタリア・ローマに留学

          アバター The way of water

          観終わった後の感想は非常にナンセンスなメッセージ性をもった映画だなという印象です。 ネタバレもあるかもしれないので、それが嫌な方はこれ以上は読まないことをオススメします。 序盤は分かり易い自然賛美と環境破壊や地球温暖化などを非難する描写が目立った。所謂、西洋のヒッピー文化、ラブアンドピースをあからさまに映像にしたような感じ。 途中からは旧式の家父長制と人種差別もりもりの描写が目立ち、今更感のあるメッセージ的な描写にウンザリ。 西洋人が行ってきた植民地支配と先住民の殺戮

          アバター The way of water

          数字は文字、数は概念

          以前、テレビで宇宙についての特集をやっておりなんとなく眺めていた。 人間なら誰しも考えることだと思うのだが、宇宙が誕生する前はどうなっていたのだろうと、疑問をもつことだろう。 宇宙誕生からが「有」の状態なら誕生以前は「無」の状態、つまりゼロの状態だと考えている。 そんなことをぼんやり考えていたら以前読んでいた数学の本に書かれていた言葉を思い出した。 数字は文字で数は概念。そしてゼロという状態は人間が作り出した概念であり、自然界には存在しない状態。 文章自体は異なってい

          数字は文字、数は概念

          江之浦奇譚

          いつも次から次へと書きたいことを書いて、ダラダラ長い文章になってしまうので、今回はなるべく簡潔に読みやすさを目指して。 先月、小田原にある「江之浦測候所」を訪れた。 ここは現代美術家の杉本博司氏の頭の中の夢想を形にした巨大な作品の様なものだと思う。 江之浦測候所の敷地内には様々な由縁のある礎石や石塔、瓦に明月門などが、絶妙に配置されている。 その空間はただ単に建造物や古美術を見せる美術館ではなく、周囲の環境、特に目の前に広がる相模湾を主役にした地球規模の動きを見せてくれ

          江之浦奇譚

          ミミズの話 エイミィ・ステュワート著

          久しぶりの更新です。 とてもマニアックな本ですが、非常に面白い内容でした。 私は、捕鯨問題をきっかけに人間と生き物や自然との関わり方や、そもそも人間とは何なのか。人間はこの地球でどの様な発展をしてきて、どの様な役割を担っているのか。 色々と考えてきました。 捕鯨問題で最も不快であった事の1つが特定の種、もしくは愛しやすい生き物を特別扱いして、その他の生物等には見向きもしない傲慢な性格です。 非常に視野が狭く、知見も無く、偏った知識で判断している姿勢に憤りも感じました。 ま

          ミミズの話 エイミィ・ステュワート著

          熊野灘もう一つの古道 桑野淳一著

          熊野、吉野、伊勢に関する非常に読みやすい本です。 筆者が友人が週末だけ住む三重県南伊勢町(旧南島町)を訪れる所から本が始まり、その後、南島の町中や自然の描写があり、熊野、吉野、伊勢と南北朝時代の歴史背景を踏まえつつ筆者の謎解き物語が始まるといった感じです。 私自身も熊野や吉野、伊勢の自然には大いに魅了されている人間なので、筆者の描写が非常によく思い起こすことができました。 また、私が熊野で感じた、どこの自然とも違う論理では説明できない不可思議な自然の気配というのも、何故感

          熊野灘もう一つの古道 桑野淳一著

          日本平~久能山東照宮

          先週末、松坂屋静岡店での展示を確認するついでに、静岡市にあります、日本平と久能山東照宮を訪れました。 第一印象として、種々様々な樹木が生い茂っており、その種類の多さに感動しました。 また、特殊な地形の成り立ちをしているので、その環境も一段と面白みがありました。 久能山東照宮の境内にも様々な木が植えられており、また丁寧に手入れされていたので、非常に美しく感じました。 私自身、山によく行きますが殆どが植林された杉林であり、景観の平凡さ、気味の悪い雰囲気、生命の気配のしない林

          日本平~久能山東照宮

          イタリア建築紀行 渡辺真弓 著

          読書感想文です。 今回は『イタリア建築紀行 ゲーテと旅する7つの都市』です。 主題の通りゲーテが『イタリア紀行』に記述している、彼が実際に訪れた都市を西洋建築史を専門とする著者が様々な角度から記述した内容になっています。 ゲーテのイタリア紀行の中での文章を引用しながら説明したり、著者の新たな解説が加わったりと非常に構成として面白く、一気に読み進められる軽快さもある内容だと思いました。 特に、ローマの成り立ちを物凄く分かりやすく整頓して説明しておられるので、現在のローマ

          イタリア建築紀行 渡辺真弓 著

          近江商人の哲学 山本昌仁著

          近江八幡にある「たねや」について、社長自ら記述した本になります。 先日、ラコリーナ近江八幡へ行きました。 目的はクラブハリエのバームクーヘンを食べるためではなく、素敵な建築家、藤森照信さんの建築を拝見、実感するためです。 ラコリーナ近江八幡に行くまでは、「たねや」という会社のこと、クラブハリエが、たねやから派生してできた会社であったことも知りませんでした。 こちらの本の前半の印象としては、少し自慰的な文章が多く感じられ、読んでいて面倒な気持ちになってきたということです。

          近江商人の哲学 山本昌仁著