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Theレベニュー会議 「型」と「情報」の営業変革 振り返りハイライト

ウイングアーク1st主催イベント「updataDX22」にて500名以上が参加したセッション「Theレベニュー会議~DX時代の営業組織を考える~」の続編として、今年4月に「The レベニュー会議 『型』と『情報』の営業変革」を開催しました。今回のnoteは当日のハイライト。ぜひアーカイブ動画とあわせてご覧ください。

「The レベニュー会議 「型」と「情報」の営業変革」の概要

年間400件以上のグロースコンサルティングを実施し、企業の営業力向上におけるトップランナーである株式会社リブ・コンサルティング。同社常務取締役COOとして、あらゆる企業規模への営業変革を手掛けてきた権田さんをお迎えし、営業の「型」12パターン別に考える生産性向上や、DX推進により変化した組織内「情報」の流れ等についてご紹介しながら、データという情報を情報流に乗せ、営業プロセスの解像度を底上げする秘訣などを会議しました。

権田様プロフィール

日本でのRevenue Operationsの現状

Revenue Operations(以下レベニューオップス)とは、営業部、マーケティング部、カスタマーサクセス部など収益に直接関与する部門横断で連携する上で、組織間の縦割りを解消し、全員の焦点を合わせ繋げていくことで、顧客提供価値と全体収益の最大化実現を目指す考え方です。日本でのレベニューオップスに関する取り組みはまだまだこれから。
 
日本の営業領域の仕事はいまだ属人性が高いと言われており、「人」へノウハウや顧客情報、営業のプロセスが蓄積されています(ブラックボックス化)。結果、営業生産性も先進国の中では低いという調査結果も出ています。
 
属人的な営業組織を脱却し、収益プロセスの透明化と最適化を行うことを目的とした専門チームの導入としてレベニューオップスが注目されています。

“プロセスマネジメント”と“デジタル技術の活用”

マネジメントの要素、Input,Process,Outputの「Process」に着目したとき、マネジメントできるのは「内的要因プロセス」です。「外部要因プロセス」は自らマネジメントすることは出来ません。
 
このマネジメントできるプロセスを可視化(型化)例が下記のフローチャートです。

自社の売り上げを構成するプロセスを分解し、それぞれの数値がどういった
状況にあるかリアルタイムに近い状態で把握できることが望ましいです。
 
またそれぞれに投資している人的資本やそれ以外の投資費用を補足し、ROIなども同時に見えるようにしていくことで収益の最適化を実行しやすい環境をつくることが重要です。

これらのプロセスをモニタリングしつつ、改善プロセスを行い回すことで、計画や施策の見直しを行い、チューニングを継続することが大切です。これらを全部マンパワーで行うと大変なので、上手くデジタルを活用することが必要になります。

改善プロセスにおいては「空気感」をもとに会話しては噛み合わなくなってしまうので、「数値」や「事実情報」をもとに行います。そのために肝となるのが、データドリブンとデジタル技術の活用。
デジタル技術の実装はゴールではありません。必要な情報を特定し、それを取得したり、集計したり、共有するための手段として、活用できるテクノロジーを、投資対効果を踏まえて検討します。

参考として、弊社の営業組織で使っているダッシュボードのひとつをご紹介します。(上記)下の赤い点線で囲った部分には1週間の営業部員の活動成果が出るようになっています。例えば、営業が1週間活動した結果、活動量は多いのに売り上げや新規商談の登録件数、案件のフェーズアップなどのアウトプットが現れていなければ、何が原因なのかを探り、改善していくことが重要となります。
 
弊社では、このような複数のダッシュボードを活用して社内で共通言語をつくり、それぞれのプロセスを見える化して、課題があれば直ぐに対処していくという体制を持っています。
 
さて、ここからはお待ちかね権田さんパート。

『売り方の型化』と『情報流』


製造業の現場で生産性を上げていくということは、もともと日本の得意分野でした。しかし、ひとたび営業分野になると生産性の向上は課題だらけです。
 
では、営業に関する生産性向上のハードルとは何でしょうか。
1. 目に見えないこと
2. 相手が人だということ
の2点です。これらを解消するために考案したのが下記の「購買心理×セールスステップ」です。

横軸でジャーニーを作成。縦軸では、購買心理のプロセスを据えました。人はそれぞれ異なるけれども、モノを買うときの心理はある程度プロセス化できることがわかったからです。

上記は、営業の「型」12パターンを考案したものです。縦軸はプロダクトの特徴で、上にいくほど型化がしやすく、下にいくほど属人化しやすくなっています。横軸は誰に向けたビジネスか。右にいくほどセールスの要素が強くなり、左にいくほどマーケティング要素が強くなります。
 
福田康隆氏の『THE MODEL』(翔泳社,2019年)が流行しましたが、上記のとおり「1-B」というひとつの型に分類しています。ひとつの型がどんなビジネスモデルやフェーズにも合うというわけではないのです。自分たちのビジネスの特徴やフェーズをしっかりと確認して型化していくことが大切なのです。
 
縦軸の3は属人化が残る部分です。ここを無理矢理に型化しようとしていくと破綻するので注意が必要です。例えば「3-B」のエバンジェリストセールス。優秀なエバンジェリストは簡単に再生産できるものではありません。今いるエバンジェリストをいかに有効活用していくかという方向に考えていくことが必要になります。

組織における最適な人員構成を検討したのが上記の図になります。一握りの「アーティスト」が新領域を開拓したとしましょう。それをコンサルタントが誰もが再現可能な型化します。その型をもとに大勢のソルジャーが実働していき、コミュニケーターが顧客との関係性を維持、発展させる。必要な人数も役割ごとに異なります。このように最適化された人員構成は、ビジネスを発展に導きます。人事的な観点、採用の観点でもこの構成比率は大変参考になると思います。

事例:具体的な営業職種のキャリアステップも型化しています
株式会社リブ・コンサルティングの人材要件のスキルマップ

このような形で、弊社ではアセスメント、採用、人財育成などにも型を活用しています。データを収集するだけではなく「データをどのように使うのか」の指標に型は有効活用できるのです。

営業領域の情報のブラックボックス化の解消にも取り組んでいます。

ポイントは、顧客との関係性を可視化すること。そうすることで、既存顧客からのアップセル、クロスセル、顧客紹介のオポチュニティーを見つけられたりと、顧客への解像度が上がるのです。
 

まとめとお知らせ


本セッション中の権田さんの「企業は正解探しをするのではなく、最適解探しをしなければいけない。適切なデータ活用によって、最適解を早く見つけられるようになる」という言葉がとても印象的でした。「可視化」して自分たちのビジネスの指標を得ること、優先順位を把握すること、顧客との関係性を見える化することが、売上に直結するDXなのですね。
 
権田さんが説明された『売り方の型化』などをベースにつくられた営業DXソリューションは、「CS finder」というサービス名で2023年7月にローンチされるそうです。ぜひご注目ください。
CS finder:https://www.libcon.co.jp/solution/customer-success/

 
次回予告!
次回の「Theレベニュー会議」は、来週6/28(水)13時から。

今回は、株式会社FAプロダクツ 代表取締役会長で元キーエンス・トップセールス、『シン・営業力』の著者 天野 眞也氏と、弁護士ドットコムの取締役で契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」事業責任者として圧倒的な事業成長を率いる橘 大地氏をお迎えし、主に下記2点について、組織全体の収益マネジメントにつながる「レベニュー思考」を編み出しながらディスカッションしていきます。
・事業で勝つための営業組織づくり:勝ってきた組織の特徴とは
・戦略と判断:戦略に基づいてどのような材料で判断=意思決定をしているのか、判断力の磨き方

皆様のご参加お待ちしております!

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