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「子供が汚れてるじゃない!」妻が泣いた日のこと。

パートナーと意見が食い違ったとき、どうしてますか?

ぼくは無理に解決させなくてもいい時もあるんじゃないかなと思ってます。

8年前、双子の長男次男が1歳の頃、妻がお昼頃から一人時間を取り、久しぶりに友達に会いに行った日がありました。

お昼から夜の寝かしつけまでをぼくが一人でこなしたのは、その日が初めてかもしれません。

うちのキッズたちはめちゃくちゃ元気で、家中を走り回り、ご飯を食べさせる時も後ろからついていって口に放り込まないといけないほどでした。

昼間は公園で遊ばせ、夕方になんとかご飯を食べさせて歯を磨き、そのあとはひたすら寝室の中をキャーキャー言いながら走り回ってたんです。

ちびくろサンボのホットケーキのお話に出てくる虎のように、彼らは寝室を大騒ぎで走り続け、19時頃に突然パタっと倒れて寝てしまいました。遊び疲れたんでしょうね。

ぼくも疲れ果てそのまま寝入ってしまったのですが、22時頃に妻が帰ってくる物音がして目を覚ましたのです。

今日あったことを妻に話したあとに、何気なくぼくはこう言いました。

「二人とも疲れて寝ちゃったからお風呂は入れてないんだ。明日でいいよね」

すると、なんと妻は顔を両手で覆い泣き出したのです。

「子供たちが汚れてるじゃない…!」と。

妻はぼくに怒るでもなく責めるでもなく、ただお風呂に入らずに寝てしまった子供達のことを本気で不憫に思っていたようでした。

その時、ぼくはすごくびっくりしたんです。そんな泣くほどのことでもないのに、なんでこんなに悲しんでるんだろうと。妻の気持ちに全く共感することができませんでした。

その時、話し合いをすることもできたとは思うんです。1日くらい風呂に入れたくても大丈夫だろうとか、こっちも疲れてたんだとか。

でも、妻は必死だったんです。ぼくが出張で家を空ける機会が多かったので、ほとんど一人で双子を1年間育ててきた。張り詰めた緊張の中で子供を育ててきた。

最初の子供には色々と手をかけ過ぎてしまうし、心配事は多いですよね。この子達になにかあったらどうしようと、不安と緊張が張り巡らされた日々を妻は送っていたんです。

泣き崩れた妻を見た時、彼女のその緊張が見えたんです。ああ、こんなにも思い詰めた日々を送っていたのかと。

今ぼくが何を言っても彼女の心には届かない。ただぼくらの間に溝を作るだけだなとも思ったんです。

だから何も言いませんでした。

それから4年後に3人目が生まれ、ぼくは3ヶ月の育休を取り、がっつり育児と妻のケアを心がけた日々を送るようになりました。

3人目が3歳くらいになったとき、例のお風呂事件を妻に話してみたんです。覚えてる?って。

すると妻は

「え?そんなことあったっけ?1日くらい風呂なんて入れなくていいのにねー」

なんてカラカラと笑っていました。

「子供が1日お風呂に入らなかったこと」は大した問題じゃなくて、当時妻が心理的に全く余裕のない日々を送っていたこと、そしてそんな日々をぼくが送らせてしまっていたことが問題だったんです。

育児方針の違いや分担で意見が分かれることはいまだにぼくらもあるけれど、その後ろにある感情はなんなのか?なぜその感情が生まれるのか?そこに注意を向けることが大切なのかもしれません。 

それから、もし背景がわかってもすぐに解決できるとは限らないんですよね。ぼくらがこの話題を笑って話せるようになるまで6年かかりました。

夫婦で気持ちのすれ違いが起こった時は、その場で解決させようとせず少し時間を置いてみるのもありなのかもしれません。

この話はVoicyでもしていますので合わせて聴いていただけると嬉しいです。

ーVoicy
(Voicyオリジナル放送は平日火曜〜金曜6:15AM)

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ーポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」

ー夫婦関係学ニュースレター

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