2/5 雇用はむしろ弱く、M7決算は●●を見て
こんばんは、アトレです。少しだけいつもと壁紙の趣を変えてみました。私はトレードを趣味でやりますが、証券会社や専業トレーダーをやっている人などはホントストレスが絶えないんだろうなと頭が下がります。
70万人減少。これは何の数字か?雇用統計のHousehold dataによると、昨年11月対比で1月は約70万人も雇用者が減少しているようです。12月対比でも3万人の減少ですね。
雇用情勢要約表 A.家計データ(季節調整済) - 2024 M01の結果 (bls.gov)
昨年同時期と比べると1百万人増えているので大事ではないですが、先週の雇用統計の数値はなんだったんだという感じもしますね。
今日はまずは雇用に関してです。
先週の雇用統計の数字は市場予想の倍の雇用者となり、世間を驚かせました。雇用統計は修正も多く、季節要因による調整も入るので実態がつかみにくいデータと言われます。年齢、性別、人種などかなり細かい区切りで調べる割には大雑把な印象を受けます。政府系雇用の占める割合も大きく、極端に言えば政府系の雇用のさじ加減でなんとでもなる指標です。オレンジの予想値と青の結果の差を見ると、予想値は毎月割と変化が少ないのに対し、結果が大きく変動しています。
これに対し、以下はIndeed社が出している求人件数情報です。2020年2月を100とした場合の推移です。22年1月を頂上として減少傾向にあり、雇用統計の直近2か月が強かったのとは反対の現象です。
このNOTEでも以前に取り上げましたが、雇用統計の数字は正社員が減少し、パートタイマーが上昇しているという実態があります。以下は今回発表された24年1月と過去との比較です。
A:1月と昨年1月の比較=正社員、パート共に増加
B:1月と昨年9月の比較=正社員が1百万人減少、パートが54万人増加
C:1月と昨年12月の比較=正社員が6万人減少、パートが10万人増加
Aだけ見ると経済は良さそうに見えますが、より直近のB、Cを見ると、正社員がかなりリストラされ、パートが増えている姿が見えます。
上図は「季節調整ありバージョン」ですが、生データである調整前のデータがこちら下の図。データが少なく、先ほどのAとCの比較しか取れず。
A:1月と昨年1月の比較=正社員、パート共に増加
C:1月と昨年12月の比較=正社員1百万人減少、パート7万人減少
生データで見るとかなりの雇用者減少になっていますね。
尚、パートタイマーについては「(正社員ではなく)パートしか見つからなかった」という理由で働いている人が総数28百万人の内、1百万人を占めます。そしてこの数字はこの1か月で約6万人増加しています。
つまり、結論として、雇用者は伸び続けてはいるが、内容は悪くなっている。という事が言えます。特に季節調整なし生データでは先月対比で労働者が減少しているにも関わらず、「雇用は非常に強い」という見方はミスリードではないかと思います。
雇用は数だけではなく、賃金も大事です。以下はADP社がまとめた、1000万人の労働者の給与データを用いて計算した賃金の昨年対比の伸び率です。精度が悪いと過去言われてきたから21年に精度を上げるべく新計算手法に変えているようで、データが薄いですが、確実に賃金上昇率は減少しているようで、雇用は数も質も悪化していっている事が分かります。
これにより、本来は金利が下がる局面にも思えますが、ここからの金利の動きに注目です。
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