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2024PGAツアー ウェルズファーゴ選手権


1.日程及び会場

〇日程 2024年5月9日~12日
〇会場 クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)
〇全長 7558Y(Par71)

2.結果

優勝 ロリー・マキロイ   -17
  (今季2勝、ツアー通算26勝目)

2  ザンダー・シャフリー -12

3  アン・ビョンホン    -9

T4 ジェイソン・デイ    -6

T4 イム・ソンジェ     -6

T6 マッケンジー・ヒューズ -5

T6 デニー・マッカーシー  -5

T8 マックス・ホマ     -4

T8 セップ・ストラカ    -4

3.思い出の地で大会4勝目、サンデーバックナインの2イーグルは圧巻、ロリー・マキロイ

 ツアー初優勝の地での見事な逆転劇でした。
 首位に1打差の2位でスタートしたロリー・マキロイが、バックナインにある2つのPar5(10H、15H)で共にイーグルを奪うなどの猛チャージを仕掛け、2イーグル5バーディー1ボギー1ダブルボギーの6アンダー65で回り、トータル17アンダーで逆転。
 2週前のチューリッヒクラシックオブニューオーリンズに次ぐ自身の出場2試合連続優勝を果たし、ツアー通算26勝目を挙げました。
 また本大会最多の4度目の優勝にもなりました。

〇イーグルは”正義”

 マキロイとシャフリーが13アンダーで並び、勝負のサンデーバックナインを迎えた直後の出来事でした。
 10H(Par5)で先にバンカーからのセカンドショットを打ち、イーグルチャンスを作ったシャフリーに対し、マキロイのセカンドショットはグリーンには乗ったもののカップまで約10mいう状況。
 しかしマキロイのパットがカップに吸い込まれイーグルとなり二歩リードし、シャフリーのパットはショート。
 今までシャフリーが守ってきた首位の座を、今大会初めて奪いました。
 マキロイのチャージはこれに留まらず、13H(Par3)、14H(Par4)で連続バーディーを奪い、シャフリーの戦意を削ぎました。
 そして15H(Par5)、グリーンサイドのバンカーからの第3打を直接カップに入れイーグル。ここで試合は九分九厘”終了”しました。

〇最後は”ご愛敬”

 シャフリーとの差が7打差となった最終18H(Par4)。
 マキロイのセカンドショットは、ピンを狙ったのか大きくオーバーしてしまいクリークに捕まりました。
 ダブルボギーになりましたが、これまでの大差が生きました。
 しかし来週のことを考えれば、大きな反省材料になりました。

〇連続優勝の勢いでバルハラに

 これで出場2大会連続優勝の勢いで、いよいよ全米プロゴルフ選手権の会場でもあるバルハラに向かいます。
 実は10年前もウェルズファーゴ選手権に優勝し、バルハラで開催された全米プロにも優勝した”流れ”があります。
 直近のLIVゴルフで優勝した、ディフェディングチャンピオンのブルックス・ケプカや、マキロイと同じ直近の自身出場大会2連勝中で、マスターズに続くメジャー連勝を狙う大本命、スコッティ・シェフラーにやっと同じくらいの舞台に立てたマキロイ。
 この他の強豪もいますが、マキロイの株も上がったことでしょう。

4.またも大事な場面での”勝負弱さ”を露呈、それでも前を向き初メジャーに挑む、ザンダー・シャフリー

 マキロイに1打差をつけ、およそ2シーズンぶりの優勝へ単独首位でスタートしたザンダー・シャフリー。
 6H(Par3)でボギーが先行するも続く7H(Par5)でセカンドショットがグリーンの傾斜をうまく使ってピンに絡め、次のパットを決めてイーグルを奪いました。
 前半のうちにマキロイに並ばれたサンデーバックナイン、10H(Par5)ではバンカーからのセカンドショットをピン左3.5mにつけるイーグルチャンスを作りました。
 しかし先にマキロイに長いイーグルパットを決められて、何とか食らいつきたったイーグルパットがショートしバーディー止まり。
 今まで守ってきた首位の座を、ここで明け渡してしまいました。
 マキロイに離されないよう頑張るシャフリーですが、これまでのアプローチやパットの冴えが見られなくなり12H(Par4)と13H(Par3)で連続ボギー。一気に戦意が萎えてきました。
 終わってみれば最終日はイーブンパーで終了、またも優勝はお預けとなりました。
 PGAツアーの中でもスタッツが高いのは誰もが認めるところですが、肝心なところでミスをする、チャンスを決めきれないという”勝負弱さ”を払拭しないことには、メジャーはおろか普通の試合でも優勝は届きません。
 それでもじっと耐えているシャフリーの姿、ファンは見ています。

5.雑感

〇ウェルズファーゴ「最終回」の本大会、来年のメインスポンサーは地元の商用銀行?

 シグネチャーイベントイベントに格上げされ、賞金総額が2000万ドルにまで跳ね上がり大会を継続することが難しくなったということで、今季限りでスポンサーを降りることになった、サンフランシスコに拠点を置く金融機関であるウェルズ・ファーゴ
 メジャーも開催できるクエイルホロークラブで、来年以降大会を開催するメインスポンサーはどこになるのかという話が出ましたが、地元ノースカロライナ州シャーロットを拠点とする商用銀行、トゥルーイスト・ファイナンシャルがメインスポンサーになるのではないかと見られています。
 ただし来年は、クエイルホロークラブで全米プロゴルフ選手権が開催されることが決定しているため、他のコースで開催されることが濃厚です。
 以前はこれも地元の金融機関であったワコビアがメインスポンサーでしたが、リーマンショックなどによる金融危機でワコビアの株価が大暴落。
 ワコビアを救ったのがウェルズ・ファーゴであり、ワコビアの株式を買収し大会名もウェルズ・ファーゴ選手権に改められました(注)。
(注)09~10年の大会名称は「クエイルホロー選手権」でした。

〇母の日の演出が、何とも粋である

 最終日は母の日、選手のシャツやキャディバックなどがピンクで彩られていました。
 そんな中、大会を放送したCBSも選手がショットを放った後の弾道を可視化するショットトラッカーも母の日ということでピンクに。
 母の日を大事にする文化が根付いている証拠です。

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