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PGAツアー出場への道、”太平洋横断ルート”はもう眼中にない?

 DPワールドツアー(ゴルフ男子欧州ツアー)で、日本人男子選手の活躍が止まりません。
 先日行われたISPSHANDA選手権(欧州日本どっちが勝つかトーナメント!)で、桂川有人が優勝しました。
 今年に入り日本人選手3人目の快挙です。


1.DPワールドツアー日本人選手優勝の歴史

青木功
(83年・パナソニックヨーロピアンオープン)

松山英樹
(16年・世界ゴルフ選手権 HSBC選手権)
(17年・世界ゴルフ選手権 ブリヂストン招待)
(21年・マスターズ)
※ 世界ゴルフ選手権、マスターズはDPワールドツアーの日程に組み込まれているため、ツアー優勝扱いになる。
  今年から世界ゴルフ選手権は行われない。

久常涼
(23年・フランスオープン)

星野陸也
(24年・コマーシャルバンクカタールマスターズ)

中島啓太
(24年・ヒーローインディアンオープン)

桂川有人
(24年・ISPSHANDA選手権)

〇ここ1年で優勝者続出

 青木功が83年に日本人初優勝を挙げて、次に松山英樹が優勝するまでに33年間費やしました。
 それから久常涼の優勝まで2年費やしたのですが、この優勝以降雨後の筍のごとく星野陸也、中島啓太、そして桂川有人と優勝し、男子プロゴルフ日本人選手達も実力があるという証明をしてくれました。

〇JGAナショナルチームの改革

 10年前、軽井沢で行われた世界アマチュア選手権で成績が振るわず、地元でありながら世界との厚い壁を痛感した日本ゴルフ協会(JGA)。
 これを打破しようと15年に、オーストラリアでアマチュアゴルフの指導をしていたガレス・ジョーンズ氏をアマチュアナショナルチームのヘッドコーチとして招聘、アプローチやパットに力を入れ、コースマネジメント能力を向上させ、それに伴いフィジカル面も強化したこともあり、世界でも戦える実力を付けたことが大きいです。

2.「久常ルート」開拓でPGAツアーカードゲットへ別の道ができた

 DPワールドツアー優勝で注目されるようになった「久常ルート」。
 当の久常は、一昨年DPワールドツアー出場権をかけたQスクールに出場し、6ラウンドで上位23位タイの28選手が出場権を獲得。久常は7位タイで出場権を獲得しました。
 出場順位が下位ながらもフランスオープン優勝など成績を残し、今年からPGAツアーに出場しています。
 一昨年からジャパンゴルフツアー賞金ランク上位3選手がDPワールドツアー出場権を獲得できるようになり、星野の他比嘉一貴、岩崎亜久竜が昨シーズン出場しました。
 昨年のジャパンゴルフツアー賞金ランク上位3選手、中島、蟬川泰果、金谷拓実が今シーズンの出場権を得ています。
 しかし昨シーズンのQスクール合格者が多い事と、今シーズンからPGAツアー昨シーズンのフェデックスカップ126〜150位までの選手で、出場を希望する上位5選手も出場できることで、蟬川と金谷は今シーズンまだ出場できていないのが現状です。

3.だんだん”太平洋横断”する選手が少なくなってきた

 これまではPGAツアーを目指すには、その年の10月末位の賞金ランク上位10選手に入り、希望する上位3選手にファイナルQスクールに出場し、そこで上位25位以内の成績を収めれば、翌年のPGAツアーカードを手にして翌年からいきなり戦えました。
 ところが現在は、11月の三井住友VISA終了時で賞金ランク1位の選手だけがPGAツアーファイナルQスクールに出場できず、しかも上位5位以内の成績でなければ、翌年のPGAツアーカードを手にすることができません。
 しかも出場順位はDPワールドツアー・レーストゥドバイ上位10選手(すでにツアーカードを持っている選手を除く)とコンフェリーツアー上位30選手の次に来るので、昔みたいにすぐ出られない状況です。
 そういうこともあるのでしょうか、現在コンフェリーツアーで戦っているのは大西魁人と小平智のみ。
 欧州各国、アジア、中東、そしてアフリカなど各国を回るよりも移動距離は少なく済みますが、それでも直接太平洋横断してPGAツアーを目指す選手は以前に比べて少なくなりました。
 スポット参戦でいきなり好結果を出すのも、至難の業です。


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