【小説】睡蓮池にかかる橋の上で
穏やかな水面に映し出された白い雲と青々と茂る木々の葉を見つめながら、私の心もこんな風に鮮やかに映し出してくれる鏡があったらいいのにと思った。
「ねえミドリ、あの花どこから舞い降りてきたんだろうね」モネが私に尋ねた。
「あの赤い花のこと? 」
「うん」
「あれは睡蓮の花だよ」
「そうなんだ! 睡蓮の花言葉って何だろうね?」
「それは知らない」
「じゃあ睡蓮の葉言葉は何?」
「それも知らない。そもそも葉言葉ってあるの?」
「分かんない。ないなら作ってみようよ」
「じゃあモネが