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ナルシスティックなリーダーがうまくいくとき

割引あり

誇大な側面のナルシシズム(自己愛)は,主に2つの要素で成り立っていると言われています。

◎賞賛に対する過剰な欲求
◎この賞賛の欲求が得られないときの相手への強い敵意

多少のナルシシズムは日常的な活動や仕事において有効に働くと考えられるのですが,過剰なナルシシズムは大部分の仕事に対して悪影響をもたらすのではないかとも指摘されています。



リーダー

ナルシスティックなリーダーの場合はどうでしょうか。そもそも,ナルシスティックな人物はリーダーになりたがる傾向があるとも指摘されます。ナルシスティックなりーダーはうまく行かないのでは,と予想することもできますが,ことはそんなに単純ではありません。

スキルが十分に備わったナルシスティックなりーダーは,むしろリーダーシップをより上手く発揮できる,という研究すら行われているようです。

リーダーとしての政治的なスキルが高いと,ナルシシズムが低くても高くても,リーダーシップが有効になるという研究もあるそうです。ところが,その逆に逆U字型の関係になるという結果を報告する論文もあるそうで……なかなか一筋縄にはいきません。

リーダーシップの有効性

リーダーシップの有効性は,目標達成に向けて集団の活動に影響を与え,うまく指導するリーダーのパフォーマンスのことだそうです。リーダーに従っている部下たちから「効果的なリーダーシップを発揮している」と評価されることは,リーダーにとってはとてもよいことです。

このような効果を発揮するためには,スキルも必要になりそうです。たとえば,政治的スキルがあります。このスキルは4つの内容から成り立ちます。

◎社会的鋭敏性:職場で他者の動機や意図を察知すること
◎表面上の誠実さ:職場で他者に影響を与えながら本質を伝えること
◎対人的影響力:職場で他者と説得的にコミュニケーションをとること
◎ネットワーク能力:仕事に関連した目標を達成するために対人関係や人脈を構築,育成,利用すること

効果的なリーダーシップに対して,誇大な自己愛と政治的なスキルがどのように関連するのかを検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Why a lot of grandiose narcissism can be a good thing for leadership effectiveness: Political skill as game changer)。

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