【能登半島地震の話】地盤沈下と修繕費が驚きの価格だった件について#188
皆様、こんにちは。
佐伯です。
木曜日は定期的に能登半島地震のお話をさせて頂いております。
眼に見える破損箇所などは応急処置ですが徐々に復旧しているところが多い高岡市です。
ですが完全に倒壊してしまった空き家などは、その撤去に行政も苦慮しているとのことでそのままになっています。
不思議なもので3ヶ月も倒壊しっぱなしになると、その風景が普通に見えてきます。
本当に慣れとは怖いですね。
本来ならば危険なので直ぐにでも撤去する必要があるのですが、日に日に地元も要望の声が萎んでしまっています。
慣れなのか、自身の恐怖の反動で感覚が麻痺しているのか、はたまた異常な現状に疲れてしまって不安を感じなくなったのか。
少なくとも人間の適応能力がこのように発揮されるのは些か不本意なものです。
中には見た目には、分かりませんが3ヶ月間ずっと通行止めの道路もあります。
生活道路として地元の住民がよく利用する道なのですが、ここが封鎖され続けると何かと不便です。
隣町に行くにしても、大きく迂回しなくてはなりません。
どういった理由で通行止めなのかを少し知りたいと思います。
さて、前置きが長くなりましたが眼には見えない被害で1番大きいのは液状化による地盤沈下でしょうか。
先日、知り合いの建築家さんとお話をする機会があり、
「ざっくりどの位の費用が掛かるの?」
と、結構な無茶振りをしたのですが丁寧に教えてくれました。
本当に私は優しい人に囲まれて幸せです。
木造と鉄筋造りでかなり費用が違うそうです。
1番多い木造であれば最も安く仕上げるのであれば「土台上げ工法」の工法だと聞きました。
文字通り、沈んだ家屋をジャッキで持ち上げて土台を構成しその上に再度設置するというものです。
初めに聞いた時は家を持ち上げるなんて中々に豪快な工法だと思いました。
そして、1番安く済むといっても被害状況や重機が入る土地かなど様々な要件が絡んでくるので一概には言えないと前置きをもらって、
「軽く数百万円かな」
やっぱり、お家の修理って高いですね。
数百万円の「数(すう)」の幅は恐ろしすぎて聞けませんでした。
更に厄介なのは鉄筋造りのお家だそうです。
中々、鉄筋造りの民家は富山県には無いそうですが仮に修繕する場合は、数千万円掛かるそうです。
建築家さんも木造での建て直しを勧めていました。
と、このように現在富山県、石川県ではお家の修繕の順番待ち状態です。
職人さんも大忙しで至る所で作業されています。
建物の職人さんも足りないのですが、瓦も足りないそうです。
インフレかつ人手不足の高圧経済下でのこの震災は身体的・精神的にも経済的にも大きな傷跡を残していったことがよく分かります。
今でも避難所で生活されている方がいるそうです。
恐らく自宅は住める状態では無いのでしょう。
先行きが全く見えず、今後、どのようにして生きていくのか不安で胸が押し潰されそうだと思います。
このような大災害の場合は物質的な支援のほか、心のケアもとても重要だと改めて感じました。
私たちはこの教訓を他人事ではなく自分ごととして心に刻む必要があります。
そして、今、地震の被害で困っている方々に何ができるかを考え、行動することが大事なのかと思います。
それでは皆様、ご機嫌よう。
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