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湖北の風景28 米原駅周辺

※yukikoさまの写真をヘッダーにお借りしました。感謝。

~交通の要衝。西と東の結節点。
そんな言葉が枕詞のマチがある~

滋賀県北部の町。まいばら。
かつては宿場町・港町。現在は鉄道(新幹線・JR・近江鉄道)の町であり、湖北の玄関口。米原駅周辺・・・が な ん も な い !

近隣でない地域のみなさまも、「米原」という地名を、聞いたことがあると思います。乗り換えなどで駅を利用/通過されたこともあるかもしれません。

観光は?というと、隣市の彦根や長浜が圧倒的に有名です。
私おすすめの山とかは沢山ありますが・・・

JR米原駅周辺には何もないと言われがちですが、
(まぁ華やかなものは、ないのですが)
刺さる人には刺さるかもしれない。そんな駅から徒歩圏内の無料で見られる「風景」です。

西口
・下多良神社
・大谷吉継の首塚
・雪かき車「キ555」
・入江干拓米原承水溝
東口
・トトロの森
・新幹線高速試験車両展示場


・下多良神社(しもたらじんじゃ)

由緒書き
色々あったけど、昭和41年に元地が新幹線用地となったためここへ移転された。

・大谷吉継の首塚

お地蔵さんのような祠
ノートには全国から熱いメッセージが綴られていました。
関ヶ原で自刃した吉継の首級がここに埋め隠されたと伝わるそうです。
周辺はのどかな平地(駅前)

・雪かき車「キ555」

チャギントン♪
東海道本線(米原~大垣間)の豪雪地帯の雪かきに大活躍したそうです。
広大な市役所跡地

・入江干拓米原承水溝

東側(山側)
西側(琵琶湖側)
土手の水仙
賀目山新橋のプレート

・トトロの森 レトロ看板ミュージアム

ハナニラとムスカリ
※リニューアル前の姿
引用元 https://maibarand.shiga.jp/totoro-forest/

・新幹線高速試験車両展示場
(一般公開日2023年10月に撮影)

子どもに大人気(2023.10撮影)

※詳しい解説と余談
(よろしければ、どうぞ)

・下多良神社(しもたらじんじゃ)

祭神 素盞嗚尊(スサノオノミコト)

昭和40年、新幹線用敷地の使用に伴って此の地へ移動されたので、古めかしい社ではないですが、すっきりとした石構えで、つつじや桜の季節が美しい。きれいに手入れされた地域の神社といった風情。

由緒としては、宇多源氏の流れを汲む「佐々木秀義」の9代末裔、河合阿房守実氏が伊賀国(三重県西部)阿山郡河合村でご祭神を祀っていたが、天正2年(1574年)秀元(?)が現在の米原に引っ越してきた。その子孫が多良山の頂に神様を遷して、祇園社とした。(参考:滋賀県神社庁)

「河合阿房守」「秀元」が判然としないですが、400年ほど前に祇園社(スサノオ/午頭天王)として祀られたようですね。
「多良山」山頂にあった神社が、新幹線用地に使用するためここへ引っ越したそうです。

多良山って? そもそも多良(たら)の語源って何?
駅西口周辺には多良・上多良・中多良・下多良の地名があります。
多良とは「タタラ」(製鉄)を思わせるのと、
多羅国も妄想しますね。製鉄や文明に絡む雰囲気で、ここが鉄道の町になったのも偶然ではないのかもしれませんね!(適当)

・大谷吉継の首塚(おおたによしつぐのくびづか)
下多良神社の脇に小道があり、進んでいくと畑の中にぽつんとある塚です。

西軍・石田方の参謀として奮迅の働きをした大谷刑部吉継、関ヶ原で自刃した彼の首級を葬ったと伝わる地です。ノートとペンが置いてあり、読ませて貰うと、全国各地から熱い巡礼者が来られていることに驚きます。

吉継の墓は、この米原と、陣地があった岐阜県関ヶ原町居城のあった福井県敦賀市の3カ所が伝わっています。
米原には強い縁もなく、墓を作る必然性がないのに、なぜか伝わっている・・・
何が真実か。信じるか信じないかは、あなた次第。
住民によって大切にされてきたということですので、もしかしたら、そういうこともあるのかもしれませんね。

・雪かき車「キ555」

旧米原市役所前(現在跡地)のモニュメント的存在。
斜めになっている前方部分で、線路の雪をぐいぐいどけてくれていたそうです。
今も昔も、岐阜~滋賀の境は豪雪地帯で東海道の難所であります。私、いつも通っていても、ここに雪かき車があることを気にとめたことがなかったのですが、地域の経済・産業の発展へ尽くしてくれた昭和の遺産という気持ちで見るとまた違って見えますね。

・入江干拓米原承水溝(いりえかんたくしょうすいこう)

「米原は干拓の賜物」
免許センター近くより撮影。

承水溝とは字の通り、水を承けるための溝。
琵琶湖の水面より低い干拓地と、地区外の排水を遮断する排水路のこと。
この溝がないと、この辺りが水浸しになってしまうという重要施設なのです。

米原駅西側から琵琶湖までのエリアはかつて県下第2の面積であった入江内湖が広がっていました。古来から良好な漁場で、周辺からは土器や丸木舟、縄文時代の屈葬人骨やマグロの骨(!)などが出土しています。
第二次大戦末に食料難による農地開発のため、入江内湖干拓事業が昭和19年から実施されました。戦時下の物資や労働力に乏しい状況で、学生や捕虜を労働力として用いるなど過酷な条件の下、昭和25年に完成されたそうです。

私、承水溝のことを流れのない淀んだ堀、という程度にしか意識していなかったのですが、干拓事業の歴史を知るとまた違って見えてきますね。

ただ、琵琶湖の水質浄化や生態系の保護としては内湖の有用性が見直されているようです。入江内湖が干拓されず残っていたら、どんな風景だったのかな。とも思ってしまいます。

※入江干拓資料館(米原駅徒歩24分)
干拓事業の歴史や、出土品などを展示しています。
入館無料(平日のみ開館)

米原市の入江内湖と干拓事業の歴史がわかる「琵琶湖干拓資料館」 (maibarand.shiga.jp)

・トトロの森 レトロ看板ミュージアム

米原駅東口(山側)から米原高校方面へ、徒歩18分と少し遠いです。ジブリの世界感を表現した手作り観光スポット。(スタジオジブリに許可申請済みだそう)

山肌に「トトロ岩」(トトロがペイントされた大岩)が見られますが、現在は木に覆われ、徐々に森に還りつつあります。(災害防止の防護柵設置の為)

ここにもノートが置いてあり、「近くのホテルに泊まったから来てみた」「これから大谷善継の首塚も行く」など。知る人ぞ知るスポットのようです。

バス停のような雰囲気に、手作り看板とレトロ看板がいい味出しています。
周囲は小花が咲き乱れる春の花壇と公民館。住宅街にお邪魔しているローカル感がたまりません。

参考:米原市にあるトトロの森はジブリの世界が広がる秘密基地のようでした (maibarand.shiga.jp)

・新幹線高速試験車両展示場

駅東口から南へ徒歩で行ける展示場です。屋外に保存されていて、フェンスの外側から見ることができます。

(公財)鉄道総合技術研究所には、日本最高速度443㎞/hを誇る「300X」をはじめ、「WIN350」、「STAR21」の3台の新幹線高速試験車両が保存されています。

滋賀県唯一の新幹線停車駅である米原駅。新幹線の高速化に貢献した試験車両が3両が展示されているというのはとてもレアな光景のようです。

毎年10月頃のイベント時に一般公開され中に入ることができます。普段は閑散とした場所ですが、その時ばかりは子ども連れとカメラを持った鉄分豊富な大人達で大混雑しますよ。


以上、ここまで見て下さりありがとうございます。
とても長くなりましたが、興味を引かれるものがありましたら幸いです。
湖北の風景28 米原駅周辺。地元民も知っているようで知らない。米原駅周辺の探索オススメスポットでした!


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