観てよかったな〜映画(1月〜3月)

1月から3月まででよかったな〜と思った映画をnoteにも書いていこうかなと思ったので書く。
配信で観たりしているので昔の映画とかも全然ある。


映画館編

市子(2023)


市子のパンフレット

結婚する直前にいなくなってしまった恋人「市子」を追う物語。市子と関わった人たちと市子の過去を探すに連れて市子が昔は違う名前を名乗っていたことがわかりーー?
市子に関わったことがある人たちそれぞれの、市子の話を観る構成。
元々は予告を観て、吉野朔実先生の『透明人間の失踪』っぽくて気になるなあ、と思って観に行ったのだけれど、好きなものばかりで構成されていてすごくびっくりした。物語に出てくるすべてが水すぎる(すんとはいるし、わたしを構成しているもの過ぎると思ったの意)ので本当に観れてよかったなぁ、と思った。
ぐちゃぐちゃになったお弁当、ファーストブラ、そのお礼に盗んだたまごっち、手作りのケーキと約束、あの場面で初めての母からの「ありがとう」そのすべてが。そのすべての、日々が。

2024年3月〜アマプラ無料配信中


ファースト・カウ(2014)

ファースト・カウのパンフレット
牛の目の部分がくり抜かれている仕様。

「鳥には巣 蜘蛛には網 人には友情」
二人の男がその地域にいる唯一の牛から夜な夜なミルクを盗みドーナツを作り、一攫千金を狙う話。
これだけ聞くとコミカルな感じがする、そしてそのコミカルさのイメージに惹かれて行ったのだけれど西部開拓時代の地に足がついたお話でかなりシブい話だ。男二人の奇妙な友情、運命の良いこと。
わたしは主人公二人組の一人、クッキーが牛からミルクを盗むとき優しく語りかけ、優しく乳を絞るシーンが大好き。
ドーナツはオールドファッションが丸まったような、サーターアンダギーみたいなドーナツで映画の途中画面に手を伸ばして食べたいほど美味しそうだった。


カラオケ行こ!(2024)


カラオケ行こ!原作漫画

映画カラオケ行こ!の面白さは野木亜紀子の原作の解体と再構成の巧みさも確実にあって、ここに挙げるかは悩んだけれどここに挙げておく。カラオケ行こ!の映画としてエンドロールまで全部正しいと思ったし、さらりと入れられる「巻き戻せないビデオテープの映画を見続ける中学生」を映画オリジナルで入れるの、映画のこと、物語のこと、青春のことを表していて本当に痺れました。神は細部に宿る、みたいな。細かいとこまできちんと意味があるリッチな映画だった。
あと書き手は「紅」を聴いたことがなかったのですが、この映画で覚えました。

2024/4/12各配信サイトで配信開始

2024/4/12追記 Netflixで無料配信開始


配信・録画編

マジカル・ガール (2014 )

日本の魔法少女を愛する残り寿命が少ない娘のために父はプレミアがついている魔法少女服を購入することを決意するが、お金がなくて悩んでいた。そんなとき偶然であった精神が不安定な人妻バルバラとなし崩し的に一晩だけの関係になり、バルバラにバラされたくなければ金を寄越せと脅す。関係をバラされたくないバルバラは夫に黙ってお金を稼ぐため売春をして……
というあらすじの映画。魔法の話であり現実の話なので好き。
わたしはバルバラが売春をするとき、相手がバルバラの自傷跡だらけの体を見て「美しい」と言うところで泣いた。

マジカル・ガールは厳しい映画なんだけどそこに確かに優しさがあって、それはバルバラが売春している間なにがあったかを描かないところであったり、バルバラがトカゲ部屋でなにかされたあとその顔を映さなかったり、それは手厳しさと怖さを増幅する描き方ではあるけどわたしは優しさを感じる。というかそれこそバルバラの魔法だと思うんだよな。

マジカル・ガール アマプラで無料配信中(R18+)


キングスマン:ファースト・エージェント(2020年)

キングスマン:ファースト・エージェントのパンフレット

いやこれずっっと観たかったんですよね!!
キングスマンシリーズが大好きなんだけど、たしか丁度コロナ禍で、父親がコロナ必要以上に怖がってて家族の外出に制限が大きくかかってて。久々に出たときパンフレットだけ買って2024年まで開いてなかった…っていう。
キングスマン:ファースト・エージェントはキングスマン創設の物語なんだけけど、めちゃくちゃ丁寧な映像とシナリオで第一次世界大戦中のシナリオをやっていて骨太なムービーになっている。
観た人しかわからない話をするけど本当にあの夜のシーンが本当に、息がつまりそうなくらい怖くてトラウマ。
また実在する人物が沢山出てくるのだけれどラスプーチンの殺陣は見事としか言いようがない。
わたしはキングスマンのこと「お金をかけたB級映画」(最高)と思ってたんだけど、そんなこと言えないくらい、地に足のついた邪道から始まる王道で正道を行くためのシナリオだった。
強いて言うなら世界史(第一次世界大戦)もっと詳しいほうが色々拾えて面白かったかなあ、という悔しさが…ある…!!

因みに数年後に開けたパンフレットはすごく豪華でした。まず装丁がいいんだけどページ数も多いし歴史上人物の紹介+キングスマンではどういう立ち位置か…みたいなページとかもある。完全保存版。

※わたしはアマプラで見ましたが現在無料配信期間が終わっており、Disney+とhuluが見放題配信中だそうです。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝-永遠と手記人形-(2019)


「届かなくていい手紙なんてないからな」

ヴァイオレット・エヴァーガーデンという手紙代筆サービスをする人たちの物語のアニメシリーズの外伝映画。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンが好きだけれど劇場を観ておらず、劇場版を観ようと思ったけれど外伝が先らしい、ということで肩慣らしに観るか〜みたいな気持ちで観たらアホみたいに泣いてしまった。劇場版も素晴らしいし好きなんだけれど、テーマとしてこちらのほうが好みだったのでこちらを挙げることにしました。
もうずっと美しい。移り変わる季節の花々、香しい画面、繊細な指の動き、画面にある全てで、動きで、そして声で、そこにあるものを「伝えよう」ととても意識して提出された映画だな…と思った。
ここで充分視聴者は満足できるたろう、という部分からさらに一歩踏み込んで書き切ってて、本当にすごい。丁寧で、しかしわたしたちに伝えようとしてくれる、優しい作品。

因みに、クレジットを観ている途中、主題歌のタイトルで泣きました。


ラ・ジュテ(1962年)

シネフィルWOWOW プラスの公式YouTubeで2週間無料公開になっていたのだが、紹介記事にて押井守の原点とか、『12モンキーズ』も影響を受けているとのことで、『12モンキーズ』が好きなのでわたしは観た。
結果、『12モンキーズ』が観ていた当時よりとても理解できたな、と思った。

28分間モノクロでほぼ写真をスライドしていく形式の映画なので退屈に感じるかもしれないが、これは本当に本当に強烈な映画で、観れて良かったと思う。
少ししか出ない未来人のデザインのあとに残る感じ、不気味さとかいいよね。


ラ・ジュテを知るきっかけとなった記事

ラ・ジュテ(吹替版) ※有料

ラ・ジュテ(字幕版) ※有料


おわりに というか追記

他にも面白い映画っていっぱいあったというか、挙げようか悩んだ映画ってあった『ファイブ・ ナイツ・アット・フレディーズ』とかも面白かったし、『ボーはおそれている』も良かった。んだけど、ちょっとここらへんに関しては好きの説明が難しいのでここには詳しく枠を作って解説しなかったけどちょっと付け加えて振り替えろうかな。

『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2023)はゲームが原作のホラー映画で「M3GAN」を作ったブラムハウスが制作している。フォロワーさんがこのゲームが好きらしく、劇場で予告を観ましたよ!映画観てみようかな……?と劇場に行く大きなきっかけになった。
年の離れた妹を育てなければいけないが仕事がうまく行かない主人公が夜の廃墟のピザショップで監視員をする不思議なアルバイトをすることから始まり、マスコットキャラクターたちは特殊な技術で電源を入れると自動で動くのだがどうやらそれ以外の時も勝手に動くらしく……?
みたいな映画。
かなり王道をやってて観ててすごく気持ちよかったな〜と思う。
動く人形たちと遊ぶシーンがあってそこが本当にわくわくするし楽しくて大好きだ。
あと動く人形たちはCGではなくブラムハウスが実物を作ってるそうで本当にすごい。
多分ブラムハウスの最終回ってブラムハウスの倉庫にあるブラムハウスが今まで作ってきたホラー映画の人形が一斉に動き出して画面が終わるやつ。

この映画はゲーム原作とのことでわたしはゲームをやってないのでちょっと原作と比較したときの良し悪しとかわからなくてここに書きにくいかなあ、書いていいかな……と思っていた。でも映画がとても面白かったのは本当だし、続編が楽しみなのでやっぱりここに書き留めて置こうかな、と思って記しておきます。

『ボーはおそれている』(2024年)はアリ・アスター監督作品の中で一番好きかも。
今までは『ヘレディタリー 継承』が一番好きでした。
これはすごく…複雑な構造をしているのでわかりにく映画ではあるんだけど、3時間が2時間くらいに感じられるいい作品だったな。でもこの作品に関して色々なことは聞きたくないな、という感じの作品。
はい。

因みに3月はすごく忙しかったので後半になるにつれ映画というか娯楽が殆どできてなくて……4月に取り戻していきたい。

次行きたい映画は『映画ドラえもん のび太の地球交響曲(シンフォニー)』でこれも本当は3月に行きたかった…!

普段ドラえもん映画を見ないんだけど1月2月に映画館に通った時観た予告の音ハメがすごく楽しくてこれは絶対に見よう、と決めていたのだ。
地球交響曲には沢山の予告があるけれどわたしが観て一瞬で心を掴まれたのがこちらの予告編。

0:41のファーレの殿堂!?からの音の乗り方、合わせ方が素晴らしいので是非見て欲しい。

果たして、のび太はみんなと音楽ができるのだろうか。
とても楽しみだ。

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