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「ただ居るだけ」は仕事になるのか①研究計画書

はじめまして、ねねと申します。
新しい働き方LAB研究員第3期生として、「ただ居るだけ」は仕事になるのか、というテーマで研究することになりました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

この記事は、その研究計画書になります。
目次は以下の通りです。

◆実験の目的と背景

この実験の目的は、「働く」と「休む」のあいだの選択肢をつくることです。

目的の背景は、大きく分けて2つあります。
まず1つは、私自身の「働くと休むのあいだがあればいいな~」と思った経験です。
私は、月経周期にともなって心身の調子に波があり、仕事を一定のペースで続けることに困難を感じています。
そのため、「通勤はできるし、集中できる時間もあるから休むほどではない。でも、職場で座っているだけでも普段より疲れてしまうし、質のいい・正確な仕事を持続できないから働いても迷惑をかけてしまうだけかも…」と思うことがしばしばあります。
そんなときに、「働く/休む」の二者択一しかない現状に、「居る」という選択肢を加えられたらいいなと思うようになりました。

もう1つは、身近な人たちが働きたくても働けないという経験をしているのを目の当たりにしたことです。
まだ若かったり、長らく専業主婦(主夫)だったりで、ビジネスにおいて必要なスキルや経験がない(あるいは、浅い)と見なされてしまう…
心身の病気や高齢により、できることに限りがある…
あるいは、そうした身内の看護や介護がありバリバリと働けないなど…
さまざまな理由から、就職や社会復帰のキッカケがまだ少なく、チャンスをつかむのはとても難しいようでした。
一方で、社会的には人手不足が問題となっています。
この矛盾を打開する1つの可能性としても、「居る」という選択肢を考えてみたいと思っています。
多様な人が仕事場に「居る」ことは、新しい発見や気づき、そして改善につながるのだろうか…?
「居る」ことが許されれば、現在バリバリ働いているけど心身に不調を抱えているようなグレーな人にとっても、完全に働けなくなってしまう前に止まるキッカケになるだろうか…?
働かないことのリスクを最小限にしたまま、ちょっと腰をおろしてぼーっとしたり、考えを整理したりすることができるだろうか…?
いつか年を重ねて身体も頭も思い通りに動かなくなったときにも、「居る」ことで社会とつながれるだろうか…?

以上、2つの背景(①私自身の働くか休むか迷った経験②働きたくても働けない人がいる一方で人手不足である現状)から、「働く」と「休む」のあいだの選択肢をつくることを目的として、この実験をすることにしました。

◆検証したいこと

「働く」と「休む」のあいだの選択肢として「居る」を提案するためには、「ただ居るだけ」にも価値や意味があることを示す必要があると思います。
そのために検証したいことは以下の2点です。

A.「ただ居るだけ」は、どこに、どれくらいニーズがあるのか?
B.「ただ居るだけ」を仕事にすることには、どのようなメリットがあるのか?

Aは利用者(ただ居てほしい)側、Bは提供者(ただ居る)側です。
利用者側と提供者側の双方に価値や意味があるのか、検証したいと考えています。

◆活動の概要

活動は、来店型訪問型の2つのスタイルを考えています。

①「ただ居るだけ」会の開催
・関心を持ってくれた人や通りすがりの人が足を運んでくれる来店型
オンライン対面両方の開催を目指す

②「ただ居るだけ」サービスの実施
・提供者が、必要とする人のいる場所に出向く訪問型
・基本的には対面での実施を想定

実際にどちらを実施するか(あるいは、どちらも実施するか)は、リスク・危機管理を検討したうえで決定します。

◆アウトプット・成果

アウトプットは、noteの記事としてまとめて、それをTwitterやFacebookにて発信する予定です。

成果は、大きく分けて以下の3パターン報告したいと考えています。

序盤:「ただ居るだけ」を仕事にするまでの過程
・「ただ居る」の定義(例:スマホは見てもいいのか?雑談・会話はOK?など)
・「仕事になる」の定義(お金がもらえたら仕事?やりがいは必要?など)

中盤:「ただ居るだけ」活動の実施状況
・活動の詳細や告知、利用希望者の募集など
・活動の簡単な報告(その日の天候や場所の状況、参加人数など)

終盤:「ただ居るだけ」活動の結果報告
・各回の「ただ居るだけ」レベルの比較、感想の分析、およびそれらのクロス分析の結果を報告

※なお、利用者の個人情報等は、絶対に公開いたしません。
必ず事前にご確認いただいてから、記事の掲載・発信をいたします。
一緒に実験してくれるメンバー(私以外の提供者)がいる場合には、提供者側の個人情報等についても、その都度公開範囲を相談のうえ発信いたします。

◆実験の測定方法

活動の際に利用者・提供者それぞれにアンケートを実施し、以下の2点を調査する。

定量:「ただ居る」レベル(得点)×その時間(分)=「ただ居た」量
・「ただ居る」レベルを得点化(詳細は、これから作成予定)
・そのレベルで居られた時間を分単位で計測
・得点と分数を掛け合わせて、その場にどれくらい「ただ居た」のかを量として可視化


レベル5:身体も心もその場に「ただ居る」ことができた(5点)の状態が25分
レベル2:スマホを見たり、電話をしたりと、身体はその場にいるが心がその場から離れていた(2点)の状態が5分
→(5点×25分)+(2点×5分)=135
つまり、この人は135「ただ居た」となる。

※仮に、この回の最大得点がレベル5(5点)、最長時間が30分で、150「ただ居た」が100%であったとすると…
例の135「ただ居た」人は、(135/150)×100=90%と、割合として計算することも可能となる。
各活動の100%が設定できた場合は、こちらの割合で示す可能性あり。

定性:利用者・提供者それぞれの感想
・自由記述型のアンケートとして感想を記入してもらう
・KH Coderにてキーワード分析(仮)
・頻出語句やワードの分類・関連性を明らかにする

KH Coderについて詳細に知りたい方は、こちらのサイトをご参照ください。
KH Coder: 計量テキスト分析・テキストマイニングのためのフリーソフトウェア

最終的には、定量・定性のクロス分析を行い、「ただ居た」量(または割合)と感想に使用された語句・ワードとの関係性を調べたいと考えています。

◆スケジュール・進め方

あくまで予定ですが、このようなペースで進めようと思っています。


▼序盤
6月:研究計画書の提出、研究メンバー(提供者側)の募集
7月:メンバー顔合わせ、先行事例の勉強会
8月:研究計画の推敲、リスク・危機管理にかんする会議

▼中盤
9~10月:
①「ただ居るだけ」会(来店型)の企画から開催、振り返りまで
②「ただ居るだけ」サービス(訪問型)の事前打合せから実施、振り返りまで

▼終盤:
11月:測定結果の分析、報告書の作成


ちなみに、7月に勉強会を予定している先行事例は、以下の2つです。

レンタルなんもしない人(@morimotoshoji)さん / Twitter

居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) | 東畑 開人 |本 | 通販 | Amazon

◆研究メンバー募集について

詳細は、追ってこのnoteで発表します。
募集開始は、6月23日(金)の予定です。

※2023/06/24(土)追記
研究メンバー募集にかんしては、以下の記事をご覧ください↓

◆「研究員制度」の趣旨について

本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」に応募するために、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。
https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/

第3期研究員は、「人生の運転席に座ろう」というテーマで活動しています。
https://info.lancers.jp/29967

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