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Wall Of Eyesが来た!

CDを買わなくなって約5年の草の上の孤独と申します(^^;;

最近、洋楽ですら新しい若手バンドに触れていませんが、歳をとったことと、ちょっとバッハを知りたくて1日に1回は聴くようにしています。やはりロックリスナーの僕にとっては作品番号と演奏者のクラッシックのCDを掘るのはまだまだ難しいのですが、「本腰入れて触れてみよう!」となっているのですごく楽しいです!

今回は1月26日に発売されたThe Smileのアルバム、
「Wall Of Eyes」について聴いた感想を書きますが、職業、音楽ライターさんではございませんので浅く、フワフワとした言葉が目立つと思いますし、音楽理論上の間違いも見つかると思います(汗)

ただ、RadioHeadに関しては長く聴いてきましたし、好きなバンドなので、いちど勉強しなおす意味としてもThe Smileにしっかり触れて行こうと思います。

長くなりますのでごゆっくり。

The Smileについて

右からトム・ヨーク氏、ジョニー・グリーンウッド氏、トム・スキナー氏

メンバー
Thom Yorke (トム・ヨーク)

言わずと知れたバンド、RadioHeadのボーカル。
電子音楽に寄ったソロ活動や、特別プロジェクトの「Atoms For Peace」にはレッチリのベーシスト、Fleaが参加して話題に。映画「サスペリア」の音楽にも携わるなど、幅広く活躍している。

Jonny Greenwood(ジョニー・グリーンウッド)

RadioHeadのメンバー。独特なギターフレーズ、奏法が特徴。他にもモジュラーシンセ、ドラムなど、楽曲に必要であれば多様な楽器を自ら演奏するなど、ギタリストというよりはコンポーザーの役割を担っている。「ノルウェイの森」などの映画音楽も
書き、生前のクシシュトフ・ペンデレツキや、現在もスティーブ・ライヒなどの現代音楽家とも関わりがある。ロックミュージシャンの域を超えて、もはやクラッシック音楽家のイメージがついた。

Tom Skinner(トム・スキナー)

トム・スキナー(以下スキナーで紹介)はイギリスのジャズ バンド、Sons Of Kemet(サンズ オブ ケメット)のドラマー、パーカッショニスト。このバンドはサックス/クラリネット、チューバにドラム/パーカッションのメンバーがトムを含めて2人という編成で、2011年から活動して2022年に解散した。ロック、アフリカ音楽、カリブ音楽の要素を取り入れたジャズで手数の多いプレイスタイルが有名だ。2012 年の映画『ザ・マスター』のサウンドトラックで演奏したときに、ジョニーと仕事をしたのが始まりで、2021年にThe Smileを結成した。

と、こんな感じの紹介で次に移ります(^^;;

前作、「A light for attracting attention」の印象。

ここからは彼らの前回のアルバムにざっくり、少しだけ触れていきます。こちらは2022年5月13日にデジタル版が先行リリースされ、同年の6月17日にCD、アナログ盤がリリースされました。

RadioHeadのライブで演奏されアルバム入りしていなかった楽曲、「Open the floodgate」と「Skirting on the surface」がThe Smileのアレンジで収録され、特に「Skirting on the surface」のほうは例えるなら、David Bowie 「Low」のラストトラック、「subterraneans」のような静寂な感じですごく好きです(※個人の感想です)。

粒揃いの楽曲が多く、変拍子(彼らの代名詞)ではありますが、ちょっと気になればアルバム全体を通して聴き通しやすいと思いますし、Amazonのレビューも高いです。

とはいえ当時、僕の最初の印象は「In Rainbows」よりはムズいなと思いました(8thアルバムごろからそんな感想ですが)(笑)

最初に発表された「you will never work in television again」は「Bodysnatchersぶりにザラっとしたギターでトムがボブ・ディランみたいに歌う」パンクな楽曲だったので、「ニューウェーブがやりたいのかな?」というコメントも見られました。

「thin thing」は盤のアレンジでは難しいのか、ライブではトムが「1.2.3.4.5.6!」とカウントして終わりますが、ジョニーの空間系エフェクトを用いたギター音とフレーズが「これでもか」と聴ける、3人のテンションの高い、尖った楽曲に少しずつ惹かれていきました。

「The Smoke」は「Identikit」のようなレゲエ風味のある楽曲で、リスペクトのCAN(ドイツのバンド)に寄った印象でしたね。

そして、リリース後はタイトなビートにサイケデリックなギターフレーズのクールな楽曲、「Opposite」を気に入り、コロナ禍に対するメッセージ性の
ある「The Same」と「Pana-Vision」があり、
「Blue Eyed Fox」として演奏していた曲は
「A Hairdryer」へと名前を変え、特に美しい楽曲、「speech bubbles」と「Free in the knowledge」があって、3回以降も繰り返し聴くことで、難しい印象が僕にとって良いアルバムになっていました。ここまでが前作の感想で、ここからは新作、「Wall Of Eyes」に1曲ずつ触れていきます。

Wall Of Eyesの感想をズバリ言う

懐かしい顔と番組が浮かびましたが(笑)本当に軽く触れていきます。

あらかじめですが、実は先行シングル以外の曲は知りません(^^;;
ライブ映像もそこまで追っていない感じです。すみません。

それでも、このアルバム全体のポイントは……

・感覚的に、どことなくジム・オルーク期Sonic Youthのエッセンス。

・「King Of Limbs」のように世界観を8曲に凝縮。

・トラック7「Bending Hectic」のライブ感。

といった感じで、1曲ずつ触れていきます。
(歌詞に関しては皆さまで和訳を調べてもらうのと、一部を除いてあまり触れません。ご了承ください)

1.Wall Of Eyes(ウォール・オブ・アイズ)

タイトルトラックで、トムが何人も出てくるPVがいつもながらユニークです。軽快で心地よいアコースティックな楽曲で、3分あたりから「1〜2〜3〜4〜5」とトムのコーラスが重なり、独特な浮遊感を生み出します。ストリングスとジョニーのギターフレーズが柔らかく絡む終盤は、すごく神秘的な印象で好きです。また歌詞においても、自身に問いかけるようで、トムが「音楽は自分にとって自己肯定なんだ」と言ったときから「ここまで来たか!」と、僕の中でも気持ちが込み上がってきましたね。

2.Teleharmonic(テレハーモニック)

スキナーの心地よいサイドスティック、シンセサイザー主体の楽曲に中東音楽のようなフルート?(なんか横笛です^_^;)が絡みます。「Amok」の曲や、トムのソロアルバム「tomorrow's modern boxes」の曲に近い印象ですね。ライブで演奏していたのを初めて確認しましたが、サックスの方がサポートにいました。以前よりライブ映像を追いかけていないのですが、やっぱり演奏がカッコよかったですね!

3.Read The Room(リード・ザ・ルーム)

Bミクソリディアン?で構成された曲ですね。イントロの独特なギターフレーズから魔術的?にAパートが続き、Bパートはトムの歌に合わせてグロッケン音色のシンセベルの音が後ろでリズムを取ります。このAパートの短縮(リズム隊が結構動きますね∩^ω^∩)とBパートがもう一度続けば、3分台からはジム・オルーク期のSonic YouthみたいなCパートが11/12?のリズムで展開し、最後はトムがすっきりと吐き出して終わります。Cパートのズンズンとベースが歪むのに対して、ジョニーのギターとスキナーのハンマービートがめっちゃクールで好きですね!

4.Under Our Pillows(アンダー・アワァ・ピローズ)

前作の楽曲、「Thin Thing」の別バージョンのようなフレーズから始まる曲ですね。前半はちょっとエキゾチックに聴こえつつ、3分台かクラウトロック感のあるベースがズンズン進めば、4分台からはノイズ、アンビエントで、ビートルズの「I want you(she's so heavy)」みたいにぶつ切りで終わります。2分辺り、ブリッジでのトムの声が美しいです。

5.Friend Of A Friend(フレンド・オブ・ア・フレンド)

歌詞はコロナ隔離期間中の心境を綴ったもので、隔離中にイタリアの人々がバルコニーで歌を歌い合う動画を見たことがきっかけで作られたといいます。King Of Limbs後のシングル、「Daily Mail」のように美しい楽曲ですね。トムの歌唱が柔らかく熟し、まるでジョニ・ミッチェルのようにも聴こえて良いです。テンポダウンしてからのストリングスが「Spectre」のように重なり、さらに終盤、ホーンセクションが混ざって混沌から抜け出してからの丁寧な終わり方はKing Of Limbsからの到達点だと思います。

6.I Quit(アイ・クウィット)

Moon Shaped Poolの曲に近い印象の楽曲ですね。
イントロのリズムが複雑に変わり、曲全体にギターやシンセなどのサンプラーが重なっています。基本はピアノのコードとベースとドラムですね。2分30秒辺りからNumbersのようなストリングスが入ってきます。落ち着いていて幻想的な雰囲気です。アルバムの中では少し難しい印象ですが、アルバム全体の音のトーンで考えるなら次の曲へときれいにつなぐことまで考えられたのかと思います。

7.Bending Hectic(ベンディング・ヘクティック)

今作のクライマックスです。トムの以前の楽曲のように車の事故が出てきますが、今作は彼が彼自身に問いかけて、暗闇の中から光へと進むような歌詞に思えます。まさに集大成ですね。ここまで聴いてきてよかったです(笑)ジョニーの指引きが美しく、優しい浮遊感に包まれます。7分越えと長いほうではありますが、展開がロマンチックなバラードなので、僕はそこまで長くは感じないです。また、「RadioHeadはライブのアレンジの方が好き」とよく聴きますが(アルバムはトムとゴドリッチ、スタンリー・ドンウッドの世界観の音楽プロジェクトだと思っています^_^;)、この作品が一番ライブに近いです!

1コーラスが終わってからリズムも入ってきて、5分半から不穏なストリングスが6分にかけて抜けていけば、そこからは歪みの中をトムが「ぼくはなんとしてでも変わってみせる!」と歌い上げる、ジョニーのギターが泣く、スキナーが打ち付けて、終わりまでライブ感満載です!楽曲の熱量がハンパないので、こちらも長く書きました。最高!

8.You know me!(ユー・ノー・ミー!)

最後の曲ですが、True Love WaitsやFour Minutes  Warningのようにどこまでもピアノ主体で優しく鳴らされます。3分半越えあたりからのストリングスの重なりは深く、終盤5分あたりからトムの歌のメロディとストリングスがユニゾンしてから、その先へゆっくりと歩きだすように終わります。前作のラスト、Skirting On The Surfaceと比べると存在感のある曲ではないかもしれませんが、ドラマチックなBending Hecticからの締めくくりとしてはくどすぎず、きれいな終わり方だと思います。

まとめ

何とかひと通りレビューしました(^^;;

このようにアーティストの作品を細かくレビューして発信、投稿することは初めてのことでしたが、様々な音楽系ブログの方の記事をを読んできていますので、今回は「自分でやってみようか」と思いました。

アルバムの感想としましては、いい作品だと思いますし、僕個人なら繰り返し聴いても飽きないと思いますが、1曲ごとに存在感のあった前作よりは少し薄味に感じるところもあります。

ただ、アルバム通してのまとまりは前作よりも緻密で美しい完成度だと思いました。音にも温かみが感じられ、ゆったりと聴けますね。

ここまで読んでくださってありがとうございました。バッハ名盤のレビューはちょっとできませんが、今後もThe Smileの動きはマイペースに追っていきます。


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