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2024.4.6"Live Album: Island in Full Release Concert"大阪編 Report【布】

明日の叙景、ボーカルの布です。
バンドとして初めてライブアルバムをリリースして、このたび大阪Yogibo HOLY MOUNTAINと東京 Shibuya WWWXでワンマンライブを行いました。
今回はその前編。
レコードショップで行ったインストアイベントのことも含めて所感を書きたいと思います。

Photo by Jun Tsuneda / Designed by 齊藤誠也

はじめに:新しいことに挑戦したい

まず2023年夏に2nd Album『アイランド』の楽曲をすべて演奏するというワンマンライブ『Solo Concert Island in Full』を東阪で行いました。
当時は自分たちのライブを作品としてリリースするという発想はなかったのですが、ライブの録音データが良く、周囲の後押しもあって『Live Album: Island in Full』が形になりました。
メンバー内で「新しいことに挑戦していきたいよね」と話していたことも大きかったかもしれません。
そして新たな試みとしてもう一つ、CDショップでのインストアイベントも挙げられます。

インストアイベント情報

初めてのインストアイベント

インストアイベントの内容としてはサイン会と特典ステッカーお渡し会。
加えてULTRA SHIBUYAさんでは昨年のワンマン『Solo Concert Island in Full』東京編の上映会を行い、HMV record shop 渋谷店さんとHMV&BOOKS SHINSAIBASHI店さんではそれぞれライターのs.h.iさんと鴉鷺さんを招いてトークイベントを行いました。

ULTRA SHIBUYA

トークイベントの内容としましては、s.h.iさんとは今作の掘り下げをはじめ、ライブへの姿勢や方法論などについて話し、鴉鷺さんとはブラックメタルの捉え方やシーンに関する話を展開しました。
ライターのお二人には、これまでもインタビューしていただいたことがあるのですが、いつも見識の広さに驚かされます。
そしてなによりも、バンドの将来に強い思いを抱いてくださっているのが印象深いです。
ライターとは、音楽をはじめとする文化の現在を捉え、未来へとつなげてゆくという重要な役目を担ってくれている方々なんだと思います。

《s.h.iさん記事まとめ》

《鴉鷺さん記事まとめ》


誰かとつながることで自分を理解できる

来場してくれた方からもたくさんの質問をいただけました。
結成の経緯や一緒にツアーをしたいバンド、作品から滲むメロウさの源泉などについて答えたのですが、刺激的でとても楽しかったです。
また、こういった質問に答える機会は自分たちを振り返り、今後どうありたいのかを考えるよいきっかけにもなりますね。

HMV record shop 渋谷店

インストアイベントを行ったことで何よりもよかったのは、リスナーさんと生の声を届け合えたことでした。
ネット上で得られる再生回数やいいねの数も勿論、サポートしてくれる人がいることを示してくれます。
ただ、目の前にいる人たちに自分を発信してリアルタイムに反応をいただくことで、興味を持ってくれている人がいるという感覚がより強まります。また、自分がどういった行動を取っているのかを理解することにもつながります。
ライブはその最たる例かもしれません。
無音になるパートでこれまで盛り上がっていた方も、最初から聴くことに専念していた方も、一様に静まり返る瞬間には「面」のつながりを感じます。
逆にシンガロングパートでは歌う人と歌わない人で分かれることもあると思いますが、そこには「線」のつながりを感じます。
なお、僕は歌わない派です(笑)
解釈の一致も不一致も同じくらい大切ではないでしょうか。

HMV&BOOKS SHINSAIBASHI店

住んでいる場所によっては気軽にライブやイベントに来られない人もいます。
配信ライブは勿論のこと、ラジオのようなトーク配信で直接リスナーさんから質問を受け付けたりなど、よりリアルタイムかつ生の音でつながれる方法を実行できないか考えたいものです。
国内遠征についても後述します。

大阪編

観光

大阪公演の前日にインストアイベントを行ったため、前乗りしたメンバーとスタッフで大阪観光をしました。
これまでライブしたらすぐ帰るという大阪遠征だったのですが、四度目にして初の快挙です。

大阪観光

スタッフの中には大阪出身者と大阪住みの方が多いため、観光客であふれる町であるのにも関わらず、空いている道を縫うように移動することができました。雰囲気のある通りをゆったりと歩けるのはいいですね。
心斎橋から南下して、道頓堀のすさまじい活気をブロック一つ分隔てた先から感じつつ、案内されたのは大阪新世界。町全体が縁日であるかのような雰囲気にはやられました。いったい射的場がいくつあるんだ?ってくらい沢山あったような気がします。
大阪グルメの中では、どて焼きと紅ショウガ串が特に気に入ったのですが、オールフリーとの相性もばっちりでした。

Photo by Fuki Ishikura

ライブレポート

今回の大阪編はベーシストの関が不参加のため、普段からサポートしてもらっているギタリストのGen(GREEN3YED)に加えて、サポートベーシストのKensuke(lantanaquamara)に出演してもらいました。

Photo by Fuki Ishikura

会場はYogibo HOLY MOUNTAINです。
新しいライブハウスでフロアの天井は高く、レセプションホールも広々としていました。コンクリート打ち込みの作りは、どこか工場のようでありつつも、木製のベンチがあることや空気の流れがよいことから、不思議と森を思わせます。
音楽イベントに限らず、様々な用途で使用しやすい会場だと感じました。
このように表現を未来につなげるための場を、美しく整えてくれる方々に感謝したいです。

Photo by Fuki Ishikura

そして楽屋にあるヨギボーを巡り、いい歳した大人たちが醜い争いを繰り広げる中、本番の時刻が迫ります……。

Setlist
1.(入場SE) A Flower Is Not A Flower(坂本龍一)
2.見つめていたい
3. 土踏まず
4. 臨界
5. 歌姫とそこにあれ
6. 青い果実
7. 忘却過ぎし
8. 影法師の夢
9. 幕間SE
10. たえて桜のなかりせば
11. 私はもう祈らない
12. 甘き渦の微笑
13. 子守唄は潮騒
14. ビオトープの底から
15. 遠雷と君
16. キメラ
アンコール
17. コバルトの降る街で(旧題:コバルトの街で)

バンド史上最長75分セットリスト、「見つめていたい」初の生演奏披露、ダークな新SE、そして新曲初お披露目。
とてもレアな1日になったのではないでしょうか。
また、お客さんからは昨年のワンマンにも通ずる熱量をいただけました。

Photo by Fuki Ishikura

このセットリストは起承転結の4つに区切られております。
『アイランド』の思想を伝えるアバン、外向と内向の移ろいを表すセクション、独白的セクション、そして他者とのコミュニケーションのセクション。
明日の叙景がこれまで大事にしてきたものを体現することもあれば、それを壊すこともある。外界から自分を切り離す行為も、つながりを求めることもどちらも尊い。
そのような意味を込めました。

Photo by Fuki Ishikura

これからの遠征

これまで大阪ではSOCORE FACTORY(1回目はFAREAST DEATH CULT、2回目はワンマン)、246 LIVEHOUSE GABU(COTD x Boris "hello there" tour)でライブを行い、今回のライブで4回目です。
継続的にライブを行えており、とても恵まれているなと思います。
今後も大阪でライブができるように頑張りたいですし、他の町にも行きたいものです。
先日Ten 56.来日公演の際に、福岡のEvilgloomのメンバーと話す機会があり、福岡のシーンについて話を聞くことができました。
パンクやハードコアはラップやペイントなど、ストリートな文化と一緒にやることでおもしろいことができており、人の動きも盛んになっているという点が興味深かったです。
全国ツアーというのは確かに、バンドとして目指すべき一つのプロジェクトだとは思います。ですが、地域ごとの強みや特色を理解しないままでは、ただライブしただけで終わってしまうかもしれません。
今後も各地域の情報にアンテナを張り、明日の叙景チーム一丸となって遠征するためには何が必要なのかを具体的にしていきたいと思います。

Photo by Fuki Ishikura

次回予告

2024.4.29 "Live Album: Island in Full Release Concert" 東京編 Reportは5/2(木)に公開します。
お楽しみに!

Header photo by 宙希(ユーキ)

Photo by Fuki Ishikura

ライブ情報

5/5(日) DEVI BATTLE~デビバト~Vol.12 明日の叙景 × DEVILOOF
町田CLASSIX

6/16(日)明日の叙景 presents『Dialogue vol.1』
吉祥寺CLUB SEATA


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