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貧民のアラサーがハイブランドの魅力に気付いた話

ブランドバッグにあまり興味がない。


どれも上質で、値段相応の価値があるものだということは分かる。

どれも可愛くて、みんなの憧れの対象みたいなのも分かる。

どのブランドもコンセプトがしっかりあって、こだわり抜かれた作品ということも分かる。


分かった上で、結局別に、自分には必要ない。


というか、恐れ多い。
特に憧れのブランドがこれと言ってないのに、ただのミーハーな、適当な気持ちでブランドを持つというのが、大変烏滸がましく感じるのである。

ブランドバッグをぶら下げた人々を浅はかだとか、見栄っ張りだとか、そんな風に思っているわけではなく、私の中でハイブランドは、芸術で、崇高な存在なのだ。


”靴と鞄は良いものを!”という言葉を何度目にしたか分からない。

分かってはいるけれど、どのブランドのどのラインを選んだらいいか分からん上に、どうせならブランドのコンセプトに自分が共感できるものが良いなとか、謎の追及心も出だして、じゃあ共感できるブランドって何?となると、調べ疲れてバッグを選ぶどころではなくなることが多々あった。

ブランドってロゴが好きか好きじゃないかは結構はっきり分かれるポイントだろうけど、ロゴは自分で感じられる程度は欲しいというか、だからといってこれ見よがしなロゴは要らんというか、

でも柄がもうブランドの象徴!!みたいなやつは、まあある程度はしゃーないなあとか、

結局私にはハイブランドは不向きなんかなという結論に至り、「30代になったらこれを買う!!という目標を立てる!!」という目標すら立たなかったのである

そう、つい数日前までは。



『芸能人の〇〇さん愛用!』『あのドラマで〇〇さんが着用!』なんて売り文句も、この世の中には多い。
有名なあの人も愛用してる、というのは、商品に対してのひとつの大きな信用であり、購入者にとっても、ひとつの自信を手に入れられそうに思える言葉なんじゃないかと思う。

実際商品だけ見てみてもイメージって湧きにくいし、一般人とかけ離れた洗練された芸能人や、自分と同じ生物とは思えない手足の長いモデルなどが使ってると、ただのバッグも命が吹き込まれたかのように、なんとなくイキイキするというか、バッグの魅力を発揮するというか、

何が言いたいかというと、なんとなくの考えでハイブランドに手を出すのってなんとなくミーハーやなあと、喧嘩を売ってるわけではなく、あくまで自分の中で思っていたわけです。が。


先日、自身の歌のレッスンを受けに、はるばると少し遠方まで大枚をはたいて行ってきたわけだが、何を隠そう、先生の座る隣のピアノ椅子に置かれたショルダーバッグが、

あのルイヴィトンだったのである。

貴重品などはショルダーに入れられてるのか、異国を思わせるぱっきりとした色使いがお洒落な大きめのトートバッグとのダブル使いだった。


なんだか、目を奪われてしまった。


正直、レッスンどころではなかった。

というのは冗談だが。


先生は勉強のため5~7年程フランスで過ごされており、いわば、ハイブランドが生まれた、聖地のような、本場を、ご自身の目できっとご覧になったはずだった。

レッスンでフランス歌曲を見たいただいたとき、

「今の歌い方やとちょっと田舎臭い雰囲気するというか、パリの、エルメスとか、ブティック…わかる?そこを颯爽と歩くような、で、鍔の広い帽子被って、クロワッサン食べるイメージで(笑)」

と言われたことがある。

※田舎がダメだというわけではなく、曲の雰囲気に合わない、という話なので、その点は補足しておく。

先生のその言葉から、なんとなく、ハイブランドはお洒落だけでない、音楽や絵画と同じような芸術作品みたいなものだと、なんとなく思い始めるようになったのだ。



そんなハイブランドバッグが、今目の前にある。


それも、心から尊敬する、大事な師匠のバッグ!!!!!!!



別に、ルイヴィトンのバッグを持ったからって歌が上手くなるわけでもないし、美人になるわけでもないし、先生のような音楽性が身に付くわけではないし、そんなことは分かってるけど。

これは、さすがに、憧れずにはいられなかった。

というか、芸術を学ぶ自分に芸術をプレゼントするって、どんなブランドであれ、素敵なことなのでは!?!?!?!?(今更)




今年、ついに30代に突入する。

まだまだ未熟だろうが、見栄っ張りと言われようが、結局お前もミーハーやがなwと言われようが、人生の目標のお守りとして、思いっきり背伸びして、自分もいつかハイブランドのショルダーバッグを買おう。

そして、パリのブティック街を颯爽と歩く・・・予定はないが、梅田のダンジョンを迷いなく颯爽と歩こう、いや、極度の方向音痴なので、四条大橋あたりに留めておこう。ダサすぎて草。


30代の目標ができた。


というわけで、転職活動始めます☆



つづく。

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