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【読書感想文】伊坂幸太郎さんの独特なスッキリ感

こんにちは、小谷りなです。

転職先の施設に図書館が入っているので、最近の昼休みは図書館で優雅に過ごしております。

そんな中、読み終わった伊坂幸太郎さん作品が2冊ありますので簡単に記録。

■バイバイ、ブラックバード

星野一彦の最後の願いは何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。
そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」
これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。
なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。

Amazonより

星野一彦がそれぞれの恋人に別れを告げにいくのですが、

別れを悲しむ人、別れを静かに受け入れる人、なんだかあっさりしてる人、別れる気はサラサラない人、色々いるわけですが、そもそもなんで彼女たちと別れなければならないか、〈あのバス〉がなんなのか、ずっとぼかし続けられます。

それぞれの恋人ごとに章がわけられ、出会いのエピソードから始まります。
…からの、「あれも嘘だったわけ?」と別れ話が描かれるので、流れがつかみやすいし読みやすいです。

そして、なんといっても、繭美が強烈。

これは本当に女性か?と疑うような、暴力的な言葉しか吐きません(笑)
別れを悲しむ女性たちの傷口に塩を塗りたくるレベルで、ひどい言葉を浴びせます(笑)

それなのに、5人の恋人たちが繭美について発する些細な言葉で、どこか魅力がある女性だと想像させられます。

スカッとするラスト!…というわけではないのに、前向きで明るい気持ちになるストーリーです。


■AX

最強の殺し屋は――恐妻家。

物騒な奴がまた現れた!
物語の新たな可能性を切り開く、エンタテインメント小説の最高峰!

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
一人息子の克巳もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

Amazonより

このお話がシリーズとして扱われていたことをそもそも知らなかったのですが、この1冊だけでもおもしろい!!!!!!!!

殺し屋って、なんて物騒な。。。とは思いましたが、なかなかのエンタメ作品。ふふっと笑みがこぼれる場面が多々あります。

また、個人的に、結構感動した話でした。
感動して泣くとかそういうのじゃないんですけど、夫婦のあたたかさを感じた作品でした。

結婚してからというもの、夫婦系のストーリーに弱弱ですので、これもそんな感じのうちの1つです。

殺し屋なので、もちろん殺しのシーンもあるのですが、死んだことに気が付かないくらいの描写で、「…?え、死んだ?www」ってなります。それくらいサラッと描かれます(笑)
殺し屋シリーズですが、あくまで殺しがメインストーリーというわけではないです。

恐妻家な殺し屋目線で描かれる夫婦のやり取りはかなりおもしろく、私ももしかすると、夫にこんなふうに思われてるのかも(笑)と思いました。

若干ネタバレかもしれませんが(オチには関係ありませんが)、「大変だね」という相槌は恐妻家の間では1番良いという描写が、いい線捉えてて好きでした。

◆まとめ

伊坂さん作品、そんなにたくさん読んだことはないのですが、伊坂さんのデビュー作『オーデュボンの祈り』がとても好きでして、

というのも、音楽辞めたいな〜と思ってたときに、この作品に出会えて、また前向きになれたんですよね。

また、悪いことをした人がちゃんと痛い目を見るのも、伊坂さんの作品ではよく見られる気がします。

オーデュボンの祈りでも、残虐な行為を好んで行ってきたものは、それなりのことが返ってきました。

悪いことをした人は死んでもいい、なんて思いませんが、現実の世界では、悪いことをした人がなんの反省もせず、被害者だけが苦しい思いをしているなんてことはザラにあるわけで、

人間のブラックな感情ではありますが、そこのスカッと感を、上手い具合に表現してくれるところが好きです(笑)

お涙頂戴感動ストーリーとかではなく、自分の中の霧が晴れる感じが、伊坂さんの作品にはある感じがします、そんなにたくさん読んだことないですけど。(これから読みます。笑)


以上、読書記録でした。

読んだ本はこれからもアウトプットしていきたいです。(ガチで過去に読んだ本の内容を忘れる)

皆さんのお好きな本があれば、是非ご紹介ください🙇‍♀️♡

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