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作業療法ってなに?

6月14日佐世保はっぴぃFM87.3にて、作業療法についてお話をしてきました。一時間という枠だったので、作業療法について、全てのことを語ることはできませんでしたが、番組終了後、リスナーの方から「作業療法について分かりました!」と嬉しいお言葉をいただいたため、noteの記事としても残しておこうと思います。

この記事は、作業療法の一部分について説明をしたものになります。


作業ってなに?

作業療法士(occupational therapist)が意味する「作業」って何だと思いますか?

一般的な作業のイメージは手工芸、塗り絵、編み物、折り紙など、机の上で何かを作るものをイメージするかもしれません。しかし、作業療法でいう作業は、日常生活に必要な行為全般のことを言います。

朝起きてから、寝るまでの全ての行動のことを作業と呼んでいます。

例えば、食事、排泄、更衣、入浴、移動、コミュニケーションなども作業に含まれます。

病によって一時的に失われた作業能力を、その方に合わせた目標、治療計画を組んでリハビリを行い、患者さんの生活の質、QOLを高めるのが作業療法士です。


作業療法士の対象領域

作業療法士が対象としている領域は主に4つあります。

身体障がい、精神障がい、発達障がい、老年期障がいです。

身体障がいの対象疾患:骨折、脳卒中、脳梗塞、脊髄損傷、パーキンソン等
精神障がい:統合失調症、神経症、うつ、双極性障がい、適応障がい、薬物・アルコール等の依存症、心身症、パーソナリティ障がい、摂食障がい、認知症など
発達障がい:脳性まひ、ADHD、自閉症、学習障がいなど
老年期障がい:認知症、廃用症候群など


それぞれの場所に専門の作業療法士がいます。作業療法士の学生はこの全ての知識を3~4年で習得して国家試験に臨みます。

その後、どの職場を選ぶかによってどの分野を専門にするかが変わってきます。


作業療法士が主に働いている職場

一般病院、総合病院、精神科、介護老人保健施設、障がい者福祉施設、児童養護施設、デイケア、認知症初期集中支援チームなど。

病あるところに作業療法士あり。

どこにでもいます。


作業療法の目的

先ほどお話した4つの領域で、各々専門性も違いますし、目的や治療内容も異なってきますが、おおまかには

・身体機能・精神機能の回復、維持

・自信の回復

・気分転換

・生活リズムの確立、集団生活に慣れる

・体力の維持

・再発、再燃予防

です。以上が作業療法の目的の全てではありません。例えば、産婦人科医がいたとします。妊婦さんが巻き爪で悩んでいたとしても、産婦人科の先生が立てる治療プログラムの中に巻き爪治療は含まれません。

作業療法士も、各々の専門分野で、他の職種と連携を図りながらリハビリ行為を行っていますので、作業療法の目的の全てをご説明するのが難しいです。


作業療法の活動内容

身体機能、精神機能を回復、維持したり、患者さんのQOLを上げたりすることが得意です。そのために、活動内容としては

・日常生活訓練(ADLと言いますが、食事、排泄、入浴、更衣、整容、移動、コミュニケーションなどの動作に直接アプローチするもの)

筋力強化、歩行訓練、環境調節なども行います。

・手工芸、塗り絵、カラオケ、合唱、体操、園芸、陶芸、書道、クラフト、スポーツ、日光浴など

作業療法士はこの作業たちを、日常生活に役立てるための手段として用いています。作業療法ならではですので、作業療法に対してこういった手工芸のイメージを持っている方も多いのではないかと思います。

作業療法士はこういった作業活動の一つ一つで、その方の身体機能(関節の可動域はどうか、巧緻性はどうか、日常生活にその動作を反映した時に、やりにくい部分はないかなど)と、精神機能(気力はどうか、集中力はどうか、注意の分散はどうか、他者との対人技能はどうか、問題に対処する力はどうか)など、評価と治療を同時に行っています。


作業療法士は、患者さんの気持ちに寄り添い、患者さんの生活をより細かく想像する必要があります。ですので、共感能力の高い人や、創造性が豊かな人が活躍できる仕事なのではないかと思います。



以上、精神科作業療法士×切り絵作家として活動しているくのいちでした!

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ありがとうございました!

記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。