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精神科で働く時に気をつけるべき恋愛感情・関係妄想

私は精神科で勤務して6年目になります。精神科に入院や通院をしている患者さまは、教科書通りの症状が出ている方は一人もいないので、一人一人の特性を見て行く必要があります。

この6年、残念ながら、医療の現場には少なからず問題のある対応をするスタッフがいます。患者さまとトラブルになっている現場も見てきましたし、自分が困ったこともあります。「精神科で絶対にやってはいけないこと」を知っておくと、精神科で働く時にトラブルを避け自分の身を守ることができます。

一人一人、その方の性格や育ってきた環境、症状、病期がどの時期にあるか等を適切に判断して対応をしなくてはいけません。一人一人個別の対応が必要とはいえ、正直、すごく難しいです。正解がいくつもあります。ですが、絶対にやってはいけないことは決まっています。

「接し方において絶対にやってはいけないこと」を知っておくことで、患者さまの治療を円滑に行うことができ、トラブルを避けることもできます。


作業療法士の学生さんは実習の参考にもなるかと思いますので、最後までご覧いただけると嬉しいです。

「絶対にやってはいけないこと」。これも挙げれば沢山あるのですが、今日は精神科で働く時に気をつけるべき「男女の違い」についてお話していきたいと思います。特に、経験年数が少ない若い方や、人から恋愛感情を持たれやすい方には最後までご覧いただきたいなと思います。

以前、精神科の患者さまとの共依存について動画にしていますので、こちらも合わせてご覧いただければと思います。



性別差は意識しましょう

年齢に関わらず、恋愛感情を持たれることがあります。若いスタッフは恋愛感情を持たれることが多いです。精神科の患者さまは自分を適切に評価するのが苦手な人もいます。「俺は何でもできる!」と自分を過大評価する人もいれば、「私は何をやってもダメ・・・」と過小評価する人もいます。

恋愛感情を持つ患者さまには過大評価タイプが多いですね。過小評価するタイプの方は依存傾向がある人が多いなと思います。だから、若いスタッフを見た時、「この子のお父さんくらいの年齢だしなぁ」という気持ちはないようです。


事例①

私も以前精神科のデイケアで働いていた時に、統合失調症の50代の男性からいきなり、「昨日は告白を断ってしまってすいませんでした」と言われました。よくよく話を聞いてみると、私が「お疲れ様でした」と言った言葉が、「私と付き合ってくれませんか?」に聞こえたそうです。

よく幻聴も聞こえる患者さまだったのですが、私の声で幻聴が聞こえるようになったそうです。

私は初めて患者さまの言葉を否定をしました(^-^; 「お疲れ様でした」としか言っていませんよ、と。


事例②

また私の経験談で申し訳ないのですが、作業療法士1年目の時、30代男性の患者さまから「相談があるのでお時間良いですか」と言われました。業務の時間を調整して、相談ルームをいう小さい部屋に入ってからさっそくご相談内容をおたずねすると、エロ本の切り抜きの束を見せてきました。

「こういう性癖の僕、どう思いますか?」

「僕はこれを17歳から集めています」

と言われたんですが、何も言えませんでした。固まっている私を見て、ククっと笑っていました。

「この件に関しては私は何も言えません。また何か別のことでお悩みの時はご相談ください」

と言ってその部屋を出ました。

終わってからすぐに他のスタッフに報告すると、「危なかったね。異性の患者さまとは密室に入っちゃだめだよ。」と言われました。あの時見せられた切り抜きが気持ち悪くて、しばらく具合が悪かったのを覚えています。

自分の身は自分で守らないといけないんだなと思った出来事でした。


環境設定が大事です。

特別な感情を持っているか、持っていないかに関わらず、密室で異性の患者さまと2人きりになることは避けましょう。

もしも患者さまがLGBTで、身体と心の性別が違ったとしても、筋力の差はどうしてもあります。だからどのような患者さまが相手でも密室に2人きりは避けてください。

女性スタッフと男性患者さまの場合、どうしても男性患者さまが力が強いです。男性スタッフと女性患者さまの場合、力はスタッフのほうが強いですが、密室に入ったことによって、後々その出来事から妄想に発展することもあります。

自分の身を守るためにも、環境設定を行ってください。

とはいえ、「静かな場所で相談をしたい」と言われることもあります。そういう時は、窓から部屋の中が見えるような場所を選んで、他のスタッフも目が届くようにしてください。

そして相談に入る前に、必ず、他のスタッフにも「〇時から○○さんとお話をします」と報告をしてから相談を開始してください。

患者さまは状態が良い時だけではありません。

誰でもそうですが、気分って波がありますよね。患者さまは特に、症状にも左右されて状態に波がありますので、信頼関係ができていても、「この人なら2人きりでも大丈夫」とは考えないほうが良いかなと思います。

その他の対策

恋愛感情を持たれたり、関係妄想を持たれたりするのを防ぐために、私は以下の二つを行っていました。

・恋人がいるふりをする、既婚者のふりをする
・物理的な距離を離す

どちらも有効ですのでお試しくださいませ。


まとめ

精神科で働く上では、男女の違いは意識しましょう。

恋愛感情が治療の妨げになることがあります。人を好きになるということは悪いことではないのですが、関係がこじれたり、トラブルに発展することもあります。

患者さまと、自分の身を守るために、環境設定をして対策していきたいと思います。

もしも患者さまとの関係性で何か困ったことがあれば、すぐに周りのスタッフに相談をしてください。人と人との仕事ですので、一筋縄ではいきません。一人で悩まず、すぐに他のスタッフに相談をしてくださいね。


【活動紹介】


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病院内だけでなく、地域で作業療法を行っていくために、切り絵作家として独立したいと思っています。精神障がいや発達障がいのグレーゾーンの方を支援していきたいと思っています。この活動を応援してくださる方がいらっしゃいましたら、詳細をご覧いただけると嬉しいです。↓



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記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。