DAN 運命学の実態

運命学に親しんだ30年の経験を公開。

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  • 占星術 運命学の実態

    運命学に親しんだ30年程の経験を公開。

記事一覧

魔法

父が足を切断する事になった。 父は、足を失ったショックで嘆くだろうか。 無い足が痛むという、幻覚痛に苦しむだろうか。 そんな事を知ったところで、どうにもならない…

生き地獄

ある日、病院から電話が来た。 父が倒れたという。 夏だった。 酒を飲み、エアコンの効いていない部屋で昏倒していたらしい。 熱中症で救急搬送されたが、これが原因で…

私の父親は、アルコール中毒者だった。 小学校に入る頃には、毎日、千円札を持たされ、 酒とタバコを買いに行かされたのを憶えている。 シラフの父と会話した記憶は 殆ど…

相性

鑑定者との相性、というものもある。 できるだけ、自分に しっくり来る人物を選んだ方がいい。 論調や考え方、占術への取り組み方や姿勢に共感できる人物、 自分と ある…

中国運命学

二十代前半に、佐藤六龍が率いる透派五術の香草社に学ぼうとしたが、 その中国運命学から、私は特に何も得る事は出来ず、浪費に終わった。 後に、御子神龍児、阿藤秀夫と…

孤高

波木星龍は、中国を経由して流入した東洋運命学の継承者でもあり、 同時にその革命児という意味で、日本式運命学の極みと言っていい。 子平の大運法が、西洋占星術のプロ…

占星術

何が、どれが、一番 妥当なのか判らない。 どれが一番、正しいのか。 これは占星術を学ぶ者が、必ずといっていいほど陥る誤解であると同時に、 正しい疑問であり、どれが…

自分の事は

私の運命学への造詣の中心は占星術だった。 初めて占星術を知ったのは、子供の頃に読んだ門馬寛明の著書だった。 仕事の出張先から東京に戻った事で、二十三歳から占星家…

1

量子力学の精髄

量子力学の精髄と言われる 二重スリット実験、その"観測問題"こそ、 予言が的中する仕組みを、物理学的によく表している様に思われる。 波である素粒子がスリットを "通過…

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面白さ

私は現役の占術家と個人的な付き合いはない。 だが半世紀を生き、人生の節目節目で体験した事実に基づき、 私しか知らない実績について、触れておきたいと思い立った。 …

1

救う響き

当時の妻とその父親は、思いのほか素直に応じ、くわの擁齋と対面した。 私はさすがに席を外し、妻と待合室で待っていたので、 具体的にどのような話があったのかは分から…

1

くわの擁齋

私は再婚しているのだが、最初の妻は実家が工場を経営していた。 田舎の零細企業で経営は厳しく、借金も抱えていた。 土地家屋を担保に銀行から借入しながらの綱渡りだっ…

名は体を表す

くわの擁齋に依頼し、突然、名前を変えた。 「お前が変えたなら、俺も変える」 と言って、改名する友人もいた。 私が本名にすると、この友人も本名にした。 名前に興味…

1

間違い

いつ生まれ、いつ死ぬか、何をどう感じるか、人は選べない。 認識自体が意識に伴う機能でもある。 認識に翻弄され、認識に苦しみ、認識を求め、認識に幻滅する。 仏教で…

認識と事実

意識という絶対の事物に、認識という相対が伴っている。 顕在意識、潜在意識、個人的無意識、集合的無意識と呼ばれるものは、 認識のグラデーションであり、精神世界は認…

姓名判断

くわの擁齋は、書き連ねた数字を見て言った。 「あなたの場合、直感ね、直感を通り越して閃き」 そして少し頷き、 「間違わない」 と、言った。 「鋭いなんてもんじゃ…

魔法

魔法

父が足を切断する事になった。

父は、足を失ったショックで嘆くだろうか。
無い足が痛むという、幻覚痛に苦しむだろうか。

そんな事を知ったところで、どうにもならないと解ってはいた。

だが 私は、札幌の波木星龍に電話で相談した。

彼は余計な事は一切言わず、

「なるほど、なるほど」

と、静かに相槌を打ち、少し間を置いて言った。

「ショックを受ける事も、幻覚痛に苦しむ事もありません、ね」

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生き地獄

生き地獄

ある日、病院から電話が来た。

父が倒れたという。

夏だった。

酒を飲み、エアコンの効いていない部屋で昏倒していたらしい。

熱中症で救急搬送されたが、これが原因で父は認知症を発症した。
これが原因で父の入院生活が始まり、二度と自宅に帰る事はなかった。

父は病院を たらい回しにされていたのだが、
ある病院から呼び出しがあり、私は都内の病院に向かった。

医師は、父の片足を切断する必要がある事

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父

私の父親は、アルコール中毒者だった。

小学校に入る頃には、毎日、千円札を持たされ、
酒とタバコを買いに行かされたのを憶えている。

シラフの父と会話した記憶は 殆ど無いのだが、
酒に酔っていない時は大人しく、知的な人だった。

飲酒運転で、軽い接触事故を起こして運転免許を失ったが、
警察からは、常人の致死量のアルコールが検出されたと聞いた。

母親は、自分の気が済むまで見境なく執拗に人を罵倒する

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相性

相性

鑑定者との相性、というものもある。

できるだけ、自分に しっくり来る人物を選んだ方がいい。

論調や考え方、占術への取り組み方や姿勢に共感できる人物、
自分と ある種の共通点がある人物の方が "噛み合う"と言える。

私の場合、うまく噛み合わなかった例は、台湾上機派の村野大衡、
西洋占星術の松村潔、東西占星術研究所の岩田一男といった面子で、
何が悪い、とかいう事ではなく、兎にも角にも、要領を得な

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中国運命学

中国運命学

二十代前半に、佐藤六龍が率いる透派五術の香草社に学ぼうとしたが、
その中国運命学から、私は特に何も得る事は出来ず、浪費に終わった。

後に、御子神龍児、阿藤秀夫といった、明澄透派五術の知識から、
張耀文(張 明澄)や透派五術の実態について色々聞く事になった。

阿藤秀夫は、張耀文から非常に信頼されている人物だった。
後に "阿藤大昇"と名乗り、数少ない五術の第一人者である。

惜しみなく話してくれ

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孤高

孤高

波木星龍は、中国を経由して流入した東洋運命学の継承者でもあり、
同時にその革命児という意味で、日本式運命学の極みと言っていい。

子平の大運法が、西洋占星術のプログレスに基づいている事を看破し、
子平の六合が、西洋占星術のサインと支配に基づいている事を見抜き、
暦法を含め、四柱推命の成り立ちと仕組みの根拠にまで精通している。

これを発表した例は、日本は元より中華圏も含め、一人もいない。

前人未

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占星術

占星術

何が、どれが、一番 妥当なのか判らない。

どれが一番、正しいのか。

これは占星術を学ぶ者が、必ずといっていいほど陥る誤解であると同時に、
正しい疑問であり、どれが一番、正しいかを発見する必要があると言える。

一流占星家を訪ね歩いて判る事は、各占星術自体による的中率の差はない、
という事であり、技法自体による差もなく、的中の差は個人差だという事。

2007年に、私は自分の方から一方的に離婚し

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自分の事は

自分の事は

私の運命学への造詣の中心は占星術だった。

初めて占星術を知ったのは、子供の頃に読んだ門馬寛明の著書だった。

仕事の出張先から東京に戻った事で、二十三歳から占星家巡りが始まり、
私は、故 銭天牛、辛島宣夫、ジョージ土門に続き、門馬寛明と接触した。

渋谷区だった。

彼は、厚紙で作った手製の丸い装置のような物をクルクル回していた。
ホロスコープよりハーフサムを重んじている様で、その為の物らしい。

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量子力学の精髄

量子力学の精髄

量子力学の精髄と言われる 二重スリット実験、その"観測問題"こそ、
予言が的中する仕組みを、物理学的によく表している様に思われる。

波である素粒子がスリットを "通過する前" に "観測"すると粒となる。

だが "通過した後" に装置を用いて観測しても、
素粒子は波ではなく粒として振る舞うのである。

未来に観測される事が決まった時点、つまり、特定の時期を決定すると、
素粒子は粒として振る舞い

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面白さ

面白さ

私は現役の占術家と個人的な付き合いはない。

だが半世紀を生き、人生の節目節目で体験した事実に基づき、
私しか知らない実績について、触れておきたいと思い立った。

今思えば、世話になったなあ、と思う。
同じ時代を生き、人生を彩ってくれた。

気付けば、その殆どが故人となった。
ささやかな恩返しといった気分もある。

侮辱する様な事を述べる心算はないし、
実際、そんな人とは出くわさなかった。

今と

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救う響き

救う響き

当時の妻とその父親は、思いのほか素直に応じ、くわの擁齋と対面した。

私はさすがに席を外し、妻と待合室で待っていたので、
具体的にどのような話があったのかは分からなかった。

妻の父は、戻ってくると血の気が引いていた。

改名を依頼した、と言っていた。
全て お見通しだと苦笑いしていた。

それ以上、何も話したくないようだった。

それから、二~三ヶ月だったろうか、銀行が四千万ほどの借金を、
損金

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くわの擁齋

くわの擁齋

私は再婚しているのだが、最初の妻は実家が工場を経営していた。

田舎の零細企業で経営は厳しく、借金も抱えていた。
土地家屋を担保に銀行から借入しながらの綱渡りだった。

長男は保証人にされて逃げ道がなく、更なる保証人が必要だった。
当時の妻にその相談が来た時、妻の名前を鑑てもらう事になった。

私は、くわの擁齋に妻の名前だけを予め報せ、例の如く同行した。
到着すると 和室に通され、妻の顔を見るなり

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名は体を表す

名は体を表す

くわの擁齋に依頼し、突然、名前を変えた。

「お前が変えたなら、俺も変える」

と言って、改名する友人もいた。

私が本名にすると、この友人も本名にした。

名前に興味があったり、名前を変えたいという人は意外と多く、
当時、私の周りから そういう人が随分出て来て紹介を頼まれた。

例によって "同行して欲しい" というのは親しい者に多かった。
私なら嫌なので不思議なのだが、何故か同行する事になるの

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間違い

間違い

いつ生まれ、いつ死ぬか、何をどう感じるか、人は選べない。

認識自体が意識に伴う機能でもある。

認識に翻弄され、認識に苦しみ、認識を求め、認識に幻滅する。
仏教で云う、苦諦、集諦という迷妄の輪廻転生という事になる。

だが、それでも、殆どの人が認識の成就と保守に人生を賭ける。
それが長くは続かないとしても、むしろ儚さを愛して止まない。

それは間違いなのだろうか。

なるようにしかならない。運命

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認識と事実

認識と事実

意識という絶対の事物に、認識という相対が伴っている。

顕在意識、潜在意識、個人的無意識、集合的無意識と呼ばれるものは、
認識のグラデーションであり、精神世界は認識の中にしか存在しない。

それは各層の記憶からなる厖大なイマージュでもある。

"認識"を用いる限り、認識を見る。

それを現実として体験する。

土台(意識)の上に投影された"認識"を観測することで、
次々現実を確定しながら体験する際

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