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バルコニアン(12) 番外編―ケンブリッジ・ブラックホールへの道?

ヴィクトリアン・テラスド・ハウスのカラー写真が見つかった

前回のnoteでイギリス・ケンブリッジの話をしました。

私が借りていた住まいはヴィクトリアン・テラスド・ハウスという古風な二階建ての長屋でした。1階にはキッチンとリビング、中二階にトイレとお風呂、2階に寝室という構造でした。そしてキッチンを出たところには結構広い庭があったのです。

部屋の様子を見てもらうために写真を2枚お見せしましたが、モノクロの写真だったので驚かれたかもしれません。探したのですが、なぜかモノクロの写真しか見つからなかったのです。ひょんなことから、カラー写真を見つけました。リビングとキッチンのカラー写真をご覧ください(図1と図2)。

図1 イギリスのケンブリッジで住んでいたヴィクトリアン・テラスド・ハウスのキッチン。一人で住んでいたので、もっぱらキッチンで仕事をしていました。
図2 イギリスのケンブリッジで住んでいたヴィクトリアン・テラスド・ハウスのリビング。

やはり、カラー写真の方が、雰囲気がよくわかります。

ブラックホールへの道?

今回、幸いにも、もう一枚のカラー写真を見つけました。まるでジブリの世界に入っていくような写真です(図3)。

図3 ケンブリッジの天文学研究所へ続く道。

鬱蒼とした林の奥に建物の入り口が見えます。この建物はケンブリッジの天文学研究所の建物の一部です。本館はこの左奥にあるのですが、実はこちらの建物方が本館と呼ぶに相応しい建物です。なぜなら、大天文学者、アーサー・エディントン卿(1882-1944)の住まいだった建物だからです。

当時、この建物はケンブリッジの天文学研究所図書室と、研究員の居室に使われていました。私の勤務していた王立グリニッジ天文台の建物はこの奥にあったので、いつもこの建物の中を歩いてオフィスに通っていました。

エディントン卿は太陽などの星が輝く理由は熱核融合であることを提案した人です。そんな偉大な人のご自宅だった建物の中を毎日歩けるのは大変幸せでした。

天文学研究所へ続く道(図3)。なんだか、ブラックホールへ吸い込まれるんじゃないかと思いながら、毎日通っていたことを思い出しました。

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