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読書日記

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読んだ本について語ります。
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【読書日記3】 クリームイエローの海と春キャベツのある家

【読書日記3】 クリームイエローの海と春キャベツのある家

4月5日発売のこの本が発売日を過ぎても我が町で手に入らないと愚痴ったのが、ちょうど先週の日曜日のことだった。

それから4日後(発売日から6日後)、ようやく私の手元に届いた。

ちょうど今の季節に合う、柔らかな色合いの装丁に、「創作大賞2023」の文字。
裏表紙の帯には、9人のnoterさん達の感想コメントが並んでいる。
同じnote界のすみっこに生息する身として、本当に誇らしい。

土曜日の昨日

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【読書日記2】 同志少女よ、敵を撃て

【読書日記2】 同志少女よ、敵を撃て

先日の記事で、私は直木賞や本屋大賞系の小説を好んで読む、ということを書いた。

それは事実であるが、それしか読まないということでは決してない。受賞歴に関係なく好きな作家さんはたくさんいる。

ただ、読んだことのない作家さんに興味をもつのが「◯◯賞ノミネート!」などとメディアに取り上げられることがきっかけであることも多く、自然とそのような方向性になるようだ。

第11回アガサ・クリスティー賞。
選考

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【読書日記1】ラブカは静かに弓を持つ

【読書日記1】ラブカは静かに弓を持つ

昨秋行ったクラシックコンサートのプログラムに、チェロの独奏があった。曲はチャイコフスキーだった。

それまでのオーケストラの迫力ある演奏からうってかわって、たった一台の楽器の音色がホールに響き渡る。

チェロの音域は、人間の声のそれとよく似ているそうだ。
だからあんなにも感動したのだろうか。鳥肌がたったのを覚えている。

と書いていて、楽器の音を言葉で表現する難しさを実感する。私には「響き渡る」「

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