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CS-21工法 施工事例 / 既設橋梁の改修工事

工事概要

工事名称:平成18年度 統合補助 細島港湾 細島港 曙橋 補修工事
工事場所:宮崎県日向市
工  期:2006年(平成18年)3月~2007年(平成19年)3月
施工箇所:橋面・旧コンクリート表面(440m2) 
使用材料:CS-21( CSⅡ工法:CS-21・0.15kg/m2×2回塗布 )

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工法採用の経緯

 本PC3径間連続桁橋梁は、供用後30年経過している。そのため、老朽化による耐久性の低下と、当初の設計荷重が小さく、現規格を満足させるには補強が必要なため、改修工事が発注された。
 港湾構造物であるため、劣化原因として、経年劣化(ひび割れ、浮き・剥離、鉄筋露出)・繰返し荷重と併せて、塩害も主原因と考えられ、橋面上面増厚工法が採用された。
 当初はシート防水が設計されていたが、ひび割れ対策および長寿命化の効果が期待できることから、「コンクリート改質剤CS-21」に設計変更された。
 これは、液体材料をコンクリート表面から塗布し浸透させる工法である。環境性能、コスト縮減、品質確保が得られ、発注者・元請業者にその有用性が高く認識された。

使用材料の概要と特徴

 当該材料は、無色透明な水溶液であり、コンクリート表面に塗布することにより、微細ひび割れなどのコンクリート表層部の空隙に浸透し、反応により安定したCSH系結晶を構築する性能を有し、各種劣化因子(塩分・水・炭酸ガスなど)の侵入を防ぎ、中性化・塩害抑制と防水が可能である。
 したがって同工法は、コンクリートの耐久性向上と防水シートの代替えを短期間に経済的で所定の品質を確実に施工できる工法である。

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施工手順

① 下地処理:アスファルト舗装切削、高圧洗浄
② 材料塗布:希釈せず原液を使用
③ 湿潤散水:水を散布・塗布する
* ②・③繰り返し : 2日施工で完了

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今後の展望

 土木学会は、2005年に制定した『コンクリートライブラリー119 表面保護工法 設計指針(案)』の中で、表面含浸工マニュアルを策定し、けい酸塩系表面含浸材を用いた表面保護工法、けい酸塩系表面含浸材をコンクリート構造物の耐久性向上対策の一つとして位置づけた。
【 最新の指針は、2012年制定 コンクリートライブラリー137 
けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)
 です。 】

 けい酸塩系表面含浸材は、耐久性向上に貢献することを期待され、補修あるいは予防保全的な使用が多岐にわたり展開されている。
 当協会では、材料の反応特性を理解し、コンクリートの状態に合わせた最適な工法を選定できる専門技術者の育成を行うなど、技術の向上に努め、協会員による責任施工により品質を確保している。今後もインフラ構造物の維持管理へ寄与していきたい。

                   アストン協会会員(株)計測技研

最後までご覧いただきありがとうございました。
 本記事は、防水ジャーナル2008年10月号(P43-44)に掲載された「30年を経過した橋梁の補修工事におけるコンクリート政質剤の適用事例」の転載(一部再構成)です。
 【新製品】既設コンクリートの表面保護材CS-21ビルダー(NETIS:CG-170009-A)など、CS-21工法による躯体防水、表面保護(予防保全・長寿命化)の施工実績につきましては、資料「CS-21工法 施工実績表【pdf】」をご参照ください。
 CS-21シリーズ製品・工法の最新情報・詳細につきましては、アストン オフィシャル ウェブサイト をご覧いただけますようお願いいたします。