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【読書処方箋】天使の囀り 貴志祐介

天使の囀り 貴志祐介

処方 とんぷく
症状 平凡な日常に辟易としている
   パートナーの愛情が感じられない

天使
①天子の使。勅使。正法眼蔵行持上「―また食を再送して師を尋見するに」
②(ギリシア語のangelosは「派遣された者」の意)神の使者として派遣され、神意を人間に伝え、人間を守護するというもの。セラピム(熾し天使)・ケルビム(智天使)など。エンゼル。エンジェル。〈哲学字彙〉
③比喩的に、やさしく清らかな人。「白衣の―」


自分のメンタルの弱さに辟易として、強くなりたいとよく泣いていた20代。どうして自分ばかりこんな目に遭うんだろう、そんな狭い目線でしか物事を捉えられなかった時を考えると、今の自分は少し成長したのかと感じる。

SNSが発達した現代は、人間の充実した部分がピックアップされてどうしても隣の芝の青さが目につくが、誰にでも悩みはあるし、見えていないだけで苦しみもある。
そういった負の感情との向き合い方に正解はないが、向き合うことを避けることで結局は自分に苦しみが返ってくる。

死は常に隣にあって、それは事故かもしれないし、震災かもしれないし、病かもしれない。
だからこそ、周りに左右されず、自分がどうありたいのか、自分がどう生きたいのか、何を大切にしたいのかを常に考えて生きていきたいと思った。

貴志祐介が描く、リアルなおぞましさ。そして、題名が意味するものとは。

ぜひ、これが現実に自分の身に起こったら、と考えて読んでみてほしい。

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