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浅生鴨の短編Z

月に二本の短編を掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘も喜んで!(あまり喜ばな… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
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2023年9月の記事一覧

以前に会ったのかも

 瀟洒な出窓から差し込む柔らかな日の光は、まもなく冬が終わることを予告するかのように応接…

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浅生鴨
8か月前
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星と文字

 びっしりと窓についた水滴が外の寒さを物語っていた。たっぷり積もった雪が街灯の薄暗い光を…

100
浅生鴨
8か月前
33

嬉しくて嬉しくて

 大きな音を立てて駐車場の鉄門がゆっくり引き開けられると、それまで門の前に集まっていた人…

100
浅生鴨
8か月前
26

ミッション・インポッシブル

 長らく使われていない廃墟ビルは昼間でも夜の世界に取り残されているかのようだった。タクは…

100
浅生鴨
8か月前
20

ぜったい間違えている

 たいていの警告は無視されるのが常である。初めのうちは天文学者たちの言うことを真に受ける…

100
浅生鴨
8か月前
34

定期購読のお詫びとお知らせ

 チャイムが鳴ってすぐに伊福は玄関のドアを開けたが、すでに配達員の姿はなく足元の石畳には…

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浅生鴨
8か月前
46

画期的な仕組み

 ショーケースに並んだ菓子をいくつか選び終えたところで、飯尾は壁に貼られた小さなメモに気づいた。 「あ、現金だけなんですね」  確かめるようにメモを指しながら店員に聞く。 「ご不便をおかけして申しわけございません」  カウンターの向こう側で濃茶に白いフリル襟のついた制服を着た女性店員が三人、揃って困った顔になったあと丁寧に頭を下げた。  どんどんキャッシュレス化が進んでいる世の中でクレジットカードさえ使えないとは、さすがは高級菓子店だな。何がさすがなのかわからないが、とにかく

有料
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ルール違反

 金属製の大きな筒を取り囲む特殊部隊のチームをかきわけるようにして一人の男が前へ進み出た…

浅生鴨
9か月前
37

拾ったときは

 カチリと鍵を回す音がしたあと玄関の扉が静かに開いた。扉の隙間から夕陽が差し込んで土間に…

100
浅生鴨
9か月前
23