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浅生鴨の短編Z

月に二本の短編を掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘も喜んで!(あまり喜ばな… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
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2023年6月の記事一覧

世界の秘密

 執筆の合間にぶらりと出かけた散歩の途中、ひょいと覗いた八百屋の店頭に小ぶりな西瓜がいく…

浅生鴨
11か月前
28

境目の時間

 歩き慣れた山道の途中で、風介はふと足を止めた。ほんの少しばかり道から逸れた岩の上に立ち…

100
浅生鴨
11か月前
23

別れのとき

 ぽつりぽつりとガス灯が点り、すっかり暗くなっていたプラットホームの地面にぼんやりとした…

100
浅生鴨
11か月前
22

黒い川と茶色の池

 自宅に向かう薄暗い坂道を上る途中で、不穏な音が微かに聞こえた気がしてツマミはふと足を止…

300
浅生鴨
11か月前
26

実感

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浅生鴨
11か月前
26

渦巻き

 営業先から会社へ戻る途中で能雅風介は腹痛を覚えた。最初は漣のような痛みだったが、やがて…

100
浅生鴨
1年前
22

白線

 追い立てられるように建物から外に出ると木寺の目の前にはグラウンドが広がっていた。青や茶のタータンが敷き詰められた最近のグラウンドではなく、風が吹けば土煙の上がる昔風のグラウンドだ。高台に設けられたグラウンドの周囲には緑色の金網が張り巡らされ、金網越しに夕暮れの街並みが遠く見えていた。 「ここは?」  振り返って訊くが、木寺をここへ追いやった者たちは建物の中に留まっていて、はっきりと姿を見ることはできなかった。アーチの奥の暗がりでいくつもの目だけがこちらをじっと見つめていた。

有料
100

あれが部長

 二軒目になってようやく酔いが回って来たらしく、若手の二人も次第にリラックスし始めたよう…

100
浅生鴨
1年前
25

あいまいな指示

 マホガニー製の執務机に置かれたいくつかの書類に目をやり、ブルーブラックのインクでサイン…

100
浅生鴨
1年前
26