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浅生鴨の短編Z

月に二本の短編を掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘も喜んで!(あまり喜ばな… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
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2023年4月の記事一覧

恩返し

 つきっぱなしになっているテレビを、可児は見るともなくただぼんやりと眺めていた。  テー…

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浅生鴨
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ダイジョウブ

 もうとっくに下校の時間は過ぎていて誰も校内には残っていなかった。職員室から漏れる青白い…

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浅生鴨
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ネバー・アスク・アバウト・イット

 夕方からパラパラと散らついている雪を避けるように庇の下へ入り、比嘉は窓のない木のドアを…

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浅生鴨
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大規模な移転

 古庄がソファに転がってのんびりテレビを見ていると窓の外から何やら騒がしい声が聞こえてき…

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浅生鴨
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イタチと検閲

 ラフリエでの共同生活は、当初の話とはずいぶん違っていて、デンは数名の若い男女がマットレ…

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浅生鴨
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金と銀と鉄

 男は考えごとをしていた。そのせいでうっかり楽器を落としてしまったのだ。それにしてもうっ…

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浅生鴨
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鳩胸

 久しぶりにジムで体を動かした丸古は、上気した顔でシャワールームへ入った。脱衣所には数名の男性がいて、汗を拭いたりロッカーから着替えを取り出したりしている。 「ふうう」  疲れた体を休めようとベンチにどっかと腰を下ろした丸古のすぐ横に、若い男がやってきた。おそらく大学の運動部員だろう。小柄ながらがっしりとした体格で、タンクトップから伸びる太い腕や肩には筋肉が盛り上がっている。男はロッカーを開けてから、タンクトップをガバッと勢いよく脱いだ。 「うわっ!?_」  何気なく男を見て

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メッセージの宛先は

 ここへ来てからそろそろ三年になる。井間賀俊哉は人気のない砂浜に腰を下ろし、ゆっくり空を…

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浅生鴨
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