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浅生鴨の短編Z

月に二本の短編を掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘も喜んで!(あまり喜ばな… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
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2022年12月の記事一覧

閉じかけた扉から

 急いでいるときほどエレベーターはやってこない。甲斐寺は意味がないとわかっていながらも、…

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浅生鴨
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辛いのは三日だけ

 検査結果の表示されたモニタ画面から視線を外した医者は、厳しい顔つきで伊福に向き直った。…

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浅生鴨
1年前
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必ず連絡が来る

 配属されたばかりの新人たちを見ながら宅羽は分厚い眼鏡をかけ直した。 「ここはね、社内の…

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浅生鴨
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送迎

 バタバタと大きな足音を立てて二階からダイニングへ妻の有音が下りてきた。朝早いので、まだ…

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浅生鴨
1年前
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しがらみ

 割れんばかりの拍手を受けて舞台袖から現れた首相は、あきらかに様子がおかしかった。就任式…

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浅生鴨
1年前
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ママ

 準備はほとんど終わり、あとは客が入るのを待つばかりであった。丸古三千男は長机に置かれた…

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浅生鴨
1年前
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家へ帰りたい

 本当はもうしばらくベッドの中で微睡んでいたいし、そのあとは、のっそり起き出してからベランダに出て、ぼんやりした頭で街の景色を眺めながら濃いめのミルクティーを二人でゆっくりと飲みたい。  そういう休日を過ごしたいのに、利揮が朝早くから部屋の中をウロウロと忙しなく歩き回るものだから、彩としてはなんとも落ち着かなかった。  布団から半身を起こして、彩はキッチンで水を飲もうとしている利揮に声をかけた。 「トシくん、せっかくうちに来てるんだから、もうちょっとゆっくりしたら?」  金曜

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片づける前には確認を

 ほんの数日前までは、日の照っている日中であればTシャツ一枚でウロウロしても平気だったの…

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浅生鴨
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国境の外

 空から電子走査のビームが同時に何条も照射されると、ひっそりと闇に包まれていた深夜の森は…

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浅生鴨
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