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浅生鴨の短編Z

月に二本の短編を掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘も喜んで!(あまり喜ばな… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
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2022年8月の記事一覧

ブラックコーヒーは二杯目に

 朝からずっと得意先を回っていたので、いくら体力に自信のある甲斐寺とはいえ、午後になると…

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浅生鴨
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いつか忘れる日まで

 鬱蒼と木々の詰まった深い森の奥にも初秋の風は抜けていく。冬支度を始めた葉が一斉に舞い散…

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浅生鴨
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ピンポイント

 散歩の帰りにいつもと違う道を通ったのはまったくの気まぐれからだった。 「おお。こんな近…

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浅生鴨
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うめ祭り

 大事な話があるからすぐに帰ってきてほしいと祖母から拓也に連絡があったのは、大学の夏休み…

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浅生鴨
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シール

 壁に掛けられた大きな時計の針はまもなく一七時を指そうとしている。バックヤードにいた青谷…

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浅生鴨
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壺の国

illustrated by スミタ2022 @good_god_gold  三十年以内に我が国は鎖国する。  此の政策が…

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浅生鴨
1年前
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足りないもの

illustrated by スミタ2022 @good_god_gold   いったい何が悪いのかはわからないが、どうも個人タクシーとは相性が悪いらしくて、乗るたびにあまり気分の良くない思いをするため、古庄敏夫はできるかぎり個人タクシーには乗らないようにしている。  新幹線を降りて駅前のターミナルでタクシーを待つ行列に加わったときも、ちゃんと頭の中で車列と乗客の順番を数え、個人タクシーが古庄には当たらないよう計算していた。  まもなく古庄の順番になる。古庄は乗り場で客を待

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空気をきれいに保ちたい

illustrated by スミタ2022 @good_god_gold  大会議室に入るとすぐ、ねずみ色をした大きな金…

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浅生鴨
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寝る前の記憶

illustrated by スミタ2022 @good_god_gold  ハッと目が覚めるといつの間にかベッドに横たわ…

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浅生鴨
1年前
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