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恋愛への執着を捨てたい。⑤

書き出すことは心の余白をつくること

私は何かストレスを感じた時、浪費で気持ちを落ち着かせてきた。
今はその方法を取る事がなくなったので、日々感じるモヤモヤが蓄積しがちだ。
今は母とそれなりの関係性であるので、夕飯を食べがてら、母に聞いてもらう事が多い。

でも私は人に話してもスッキリすることが少ない。無駄だと言いたいわけではない。人と話すと心の漣は間違いなく落ち着く。それにごく一部、ものすごくカウンセリングが上手い人がいるので、そう言う人に話すと劇的に楽になる事が実際にある。
でも、大抵は波を生んでいる元凶には届かない感覚があって、対症療法のような感じ。
震源にアプローチするのに今のところ毎回手応えを感じている方法は、こうやって自分で頭を捻って言語化して、整理することだ。
人生で最も長く付き合うのは自分自身。
心が大きく揺れる時、それと折り合いをつけるには自分と向き合い切るしかないのだろう。

彼の転職活動を支えた記録

過去記事にも書いているが、彼は転職活動中(向こう数週間で集結する見込み)だ。
大切な人を支える事は私にとって生きがいのようなものなので、彼と全力で向き合ってきたが、この数ヶ月を振り返りたくて、まとめを記すことにした。

彼は直属の上司がとにかく嫌いだ。その理由については非常に理解できるし上司に相当に問題ありと見受けるが、上司のことが嫌いすぎてやがて会社自体が嫌になり、夏頃から少しでもマイナスな刺激が入ると感情を爆発させるような状態に陥っていた。そしてもちろんストレスチェックでは産業保健師が介入するほど異様な数値を弾き出していた。
せっかくの異動希望ヒアリングで嫌いな上司がいない部署ならどこでもいいとめちゃくちゃな要望を書いたり、会議で自制が効かなくなり他部署の先輩にケンカをふっかけたり、研究室の使い方にムカついて後輩社員にキレたり、聞いていてヒヤッとするほど“行動化”がみられる状況だった。

私はちょうど借金問題を彼に伝えた後だったので、2人の間で結婚だのそう言う話が仮に出るとしても完済した後になるだろうと伝え(そう伝えることで副次的になんとしても早急に完済しようと言う鉄の覚悟が出来て無事完遂した)、そんなに今の環境がしんどいなら新天地を探すのはどうかと伝え続けた。
そして産業保健師による面談でも、最終的に彼は全く同じことを言われた。

ビビりの彼なのでずっと逡巡していたが、会社での怒り爆発エピソードが高頻度で連発した時期にとうとう「一回転職活動してみる」と言い出した。いざ転職活動が始まると仕事をこなしながら選考の課題をこなすのが大変で不安定さが増したので、週末に会うときは家事の一切を私がやり、やがて服の整理整頓や換気扇のメンテまで手がけるようになった。平日にメンタルが不安定になったときは電話がかかってくるので、話を聞きできるだけ心が軽くなるよう関わり続けた。

そして紆余曲折あって、一流大手メーカーから複数内定が出た。
同時に彼は転職活動を通して自分を見つめる事ができ、怒りに支配された状況を抜け出した。
関西が自分にとって居心地が良く、他の住環境に魅力を感じづらくなっていること。
特別頑張らなくても中の上くらいのパフォーマンスをだせる環境が精神の安定に必要だと気づいたこと。
そして、今までパートナーの不満を同期によくこぼしていたのに、私と付き合ってから不満と言えるような不満を口にしていないことを同期に指摘され、私と離れたくないと漠然と思っていたのが、強固な気持ちに変わったこと。
以上の理由から現職でできる限りのことをやり、また3年後くらいに転職を検討するというところに落ち着いた。

しかし、内定がでた会社の一つにおいて、辞退を伝えてもなかなかそれが通らなかった。
エージェント側の都合かと思いきや、返答期間をもう一週間延ばすから一度先方の管理職から直接説得させて欲しいと申し出があった。
つまり彼はめちゃくちゃに気に入られており、最早引き抜きに近い様相を呈している。

内定が出てからの最初の返答期限の2週間が丁度今日。
私はもう今日には決着がついて2人の今後について、この土日に具体的にやっと話し合えると思っていた。
そこにもう1週間延長することになったと彼から報告があったわけである。
この2週間、彼は私に現職に残ると涙ながらに話して決意表明していたが、どこかでまだ揺れているなあという感じがあった。
そしてそれを指摘すると彼はいつもバツが悪そうに苦笑した。
だから私は安易に喜ばず、ちゃんと自分の中で決め切るように言い続けた。

2週間近くかけて悩んでやっときめたものを先方からの提案で大きくぐらつくあたり、彼にとっては現職に残るのも転職するのも本当にどちらも捨てがたい微妙なラインの選択肢なのだろう。
専門職で狭い世界なので、先方の提案をあしらうようなことをすると角が立つから最終回答を先延ばしにせざるを得ないが、現職に残るという選択を変えるつもりはない、という説明ならなんの疑問も持たずもう1週間待った。
でも、先方が面談を提案してきてもう1週間考えることにしたと彼は言った。

私は正直2週間以上悩むことなんてない。
迷ったときはコイントスで自分の心がどっちに向いているか試して、もう一度判断材料を並べてから、ある種機械的に判断する。
彼のパーソナリティ的に予想の範疇だったが、人を巻き込んでおきながら自分の選択に腹を括りきれないところにやけに腹が立った。
飛躍しすぎかもしれないが、彼が結婚前提で助走期間としての同棲をしたいと言っていてそう言う話ならと最近OKを出したものの、実際に同棲して結婚するか否かのXデーが迫ったとき、同じように結婚するつもりはあるといいながら悩みまくる未来がぼんやり見えた。
私は付き合って半年経過したら、その先は結婚したいと思ってなかったら付き合い続けないと明確に伝えている。
なのに、そんなことをされたら私は年単位で腹を括っているのに誠実さに欠けるのではないかと、取り乱して責めまくりそうだ。

話が逸れたが、私の判断としては一回引くこと。
今、彼の選択の天秤の俎上に私も乗っているわけだから、いつものように週末を過ごすと判断にノイズが入るだろう。迷う決断は、自分で決めきれたかどうかが、のちに大きく響くことを私は知っている。
もう選考は全て終わって私が家事を引き受ける理由はなくなったし、私が関わってプラスに働く時期は終わった。あなたが腹を括って決断できるまで会う気はありませんと伝えた。
彼は少し不服そうにしていたがちゃんと自分で決め切るよと言った。

週末を一緒に過ごさないのは数ヶ月ぶりなので言い出しっぺは自分だが心がざわついている。
でも書き出すことにより私は私の判断を適切だと思う事ができた。
この土日は不貞寝を決め込むことにする。笑

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