世界遺産「富岡製糸場」の滋味
1 富岡製糸場とは 富岡製糸場は1872年(明治5年)に明治政府が設立した官営模範工場です。官営、というところがポイントで、政府によって運営されていたわけですね。
富岡製糸場ができた経緯には江戸時代末期の開国がありました。1859年には横浜をはじめとする神戸、長崎、新潟、箱館の5港を開港し、諸外国との交易を行います。その際の日本からの主な輸出品が生糸や蚕種でしたが、手作業の座繰(ざぐり)製糸法では大量生産ができず、粗悪品や偽物が出回るようになったのです。こうした問題を解