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「集」から「個」への流れをつかめ

最近こんな経験はありませんか?

タクシーに乗ろうと駅前のタクシー乗り場で待てど待てどタクシーが来ない。たった10分先の先に行きたいだけなのに30分待ってもタクシーがこない。

イライラしながらスマホのGoというタクシーアプリを開いて呼んでみる(駅前とかは呼べないので近場になりますが)と1~2分くらいでタクシーが到着する。

タクシーに乗車して「最近タクシーが駅前にいないのはGoなどのタクシーアプリの影響ですか?」と私が聞くと運転手が即答しました。
「完全にそうですね」やっぱそうなんだと思う私。「前はお客様を捕まえるためには駅という『拠点』に戻る必要があったんですよ。それが今は一度お客様を乗せて駅から出ると、タクシーアプリで次のお客様を見つけられるから駅に戻る必要が無くなってしまった。申し訳ないねぇ」

その解答にビビッときました。これも「集」から「個」へ人類が移行している流れの一環かなと。

雇用から、フリーランスの時代へ。

こんなタイトルを見たことがある方は少なくないと思います。

これからは集団に帰属して生きていくのではなく、個々の人がそれぞれ自分の力で生きていく時代と言われています。

身の回りを見渡しても今まで『拠点』となっていたものが自然となくなっていることに気づきます。

この「集」から「個」の流れを無視して事業の方向を決めていくのはとてもリスクのあることだと思います。

そのため今回は、このお話をビジネスの観点から捉えていただきたいポイントに絞って解説していきます。


なぜ「集」から「個」なのか?

例えば、昔は家に固定電話が一つあるのが一般的でした。電話を一つ持っていればそれで人は満足していていたのです。それが最近はどうでしょうか?誰もが携帯電話を一人一人持つようになっています。その種類は実に様々です。形や色や機能もバラバラ。人によって重視するポイントも違います。

これを多様性の時代と言います。

昔は正解は一つでよかったのです。遠くの人と会話できる通信機器は家に一台あればよかった。けど今は違う。自分にあった世界で一つだけの通信機器を人は求めている。

なぜこのように多様性が求められるようになったのでしょうか。

昔は不便だらけの世界だったので便利になることを第一に人は考えて生きてきました。

何もない不便だった時代から抜け出すために人は必死に働き、いわば便利な時代への大移動をしてきました。そのため人はみんな一緒でも便利になればそれでよかったのです。

一方、今の世界では人は「自分の価値観」というものを持つようになりました。誰もが便利さは既に手に入れているので、その中で「自分らしさ」という新しい豊かさの基準を持つようになったのです。

つまり、昔は人の価値の基準は「便利か否か」であったため便利であれば人と同じであっても問題はなかった。しかし文明の力によって人がみな便利で豊かな世界になったので、もはや便利であるだけでは人は満足しなくなりました。
今の人の価値は「自分らしいか否か」に変わったため人と違う自分だけの価値観を満たすものを求めるようになりました。

ここで一つ問題がおきます。

昔はみんな同じで良かったため何らかしらの一つのシステムに依存して生きていくことで効率的に生きていくことができました。

ですが今は一つのシステムに依存していてはみんなと同じになってしまう。だから人の多様性や価値観を満たすことができなくなりました。

会社や学校や国。こういったシステムに依存することで、人は人生を全うすることができました。会社に帰属することで、仕事を与えられてお金をもらう。一人で仕事をするよりも、たくさんの仕事が会社に集まっているのだから、そこに入って仕事をたくさんこなした方がお金をもらいやすかったわけです。

ですが現在の多様性の時代では、働き方一つとっても人の考え方は様々です。終身雇用制度の崩壊もこれが一番の理由です。そして昔と比べて会社に帰属しなくても仕事を見つけることができる時代です。

インターネットの力を使って、人は組織に帰属していなくても世界とつながる力を手に入れたのが大きな要因です。

こうして、人は大きなシステムに帰属しなくても、世界とつながっていける術を手に入れて、自然と大きなシステムからの距離を置き始めました。

人の働き方も、雇用からフリーランスの時代に移行すると言われて久しくなりました。会社に出勤せずに自宅でテレワークという働き方も生まれました。

人口構造の変化に伴い、年金制度や社会保障制度に頼ることが難しくなり、本屋に行けば投資など、自分の力で老後資金を作る方法を教える本が平積みになっています。

貨幣制度も同じです。皆さんは手元にある千円とか書かれた紙っぺらがこの国において、お店で当然のように商品に変えてもらえることになぜ何の疑問も持たないのか考えたことはありますか?
これは日本という国がその紙っぺらに千円という価値を保証しているからです。これが貨幣制度というものですね。

ですが、最近国が保証しなくても価値があるモノと認識されるお金があります。そうです仮想通貨ですね。仮想通貨はどの国が保障しているものではないですが、ブロックチェーンという極めて信頼性の高い仕組みに裏付けされているため貨幣として流通することになったわけです。

他にも冒頭にご紹介したタクシー業界や、キャバクラに所属せずにパパ活の方が手取りが多くなり楽でいいと思う人が増えているのもこの流れでしょう。以前は個人と個人がつながる方法はとても労力がいることでしたが、現在はマッチングアプリによって簡単に人と人とがつながれます。

こうして「集」から「個」の流れが生まれてきたわけです。


ビジネスをどうシフトしていくか

このように考えたときに、私たち経営者はどのような行動をとるべきでしょうか?

ビジネスモデル

この流れをヒントにモデルを考えていくときは「拠点」を奪うということがキーワードかもしれません。

例えば、タクシーアプリGoは上述の通り、駅という拠点を無くして人とタクシーをマッチングするアプリを開発しました。

他もウーバーイーツなども、飲食店という拠点ではなく自宅でホカホカのおいしい食べ物を食べられるアプリを開発しました。これにより人はわざわざ飲食店に足を運ぶ必要がなくなりました。

逆の発想で言えば、飲食店の存在意義は「おいしいものを食べられるところ」から、例えば「仲間と楽しく食事を通じてコミュニケーションをとるところ」という形にシフトしていくのかもしれません。

このような発想で「拠点」の存在意義をシフトさせる発想もありだと思います。

スタッフの採用

スタッフの採用についても、雇用か外注かという論点や、出勤かテレワークかという論点が様々出てきそうです。

これらについては下記のブログを参考にしていただければと思います。


経営お役立ちコンテンツ「となりのブレイン」

いかがでしたでしょうか?

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