ハロー、5月
「こんにちは」と5月に挨拶したくなるような陽気だ。
青い空、風に緑が揺れていた。
我が家はカレンダー通りに過ごす息子ふたりと、昨日からバイクツーリング一泊旅に行っている夫。
今晩には夫が帰ってくるし、息子達も明日から連休。
ゴールデンウィークの後半が始まる。
今日は楽しいことがあった。
幼児とパパらしき人が、一緒に道端に立っているのを見た。
風が吹くと、ちびちゃんが首に着けているスタイがふわっと持ち上がり、お顔を隠してしまう。
パパは慌てて、スタイを下ろしてあげる。
何が起きた?な驚きと、いきなり顔が覆われ不満げな表情のちびちゃん。
また風が吹いて、スタイが持ち上がる。
パパがさっと下ろす。
それを3回くらいやっていた。
私はゆっくり歩きながらそれを見ていた。
ちびちゃんの表情とパパの手際のよさが可笑しくて、これを見られたなんて今日はいい日だ!と思った。
誰だか分からない誰か達、このごきげんな気分をありがとう。
気がつくと、もう5月になっていた。
もちろん覚えてるさ、4月。
私たちは忙しい時を乗り切ったよね。
忙しいことも暇に暇することも、良いことも嫌なことも混ぜこぜになりながら、過ぎていく。
今日の爽やかな陽気に、混ぜこぜな気持ちを風にのせて飛ばす。
空を一周してまた戻ってくるかもしれないが、それもウェルカムだ。
郵便局から、友人に紅茶とお菓子を送った。
どちらも「少しばかり」という日本語にきっちりと相応しい少量さ。
しかも味気ない角封筒に入れてある。
一生懸命がんばっている人へのおやつに、と思った。
ちょっと体調を崩していたと聞いていたから、
「せっかく送ってくれたからと、無理に飲んだり食べたりしちゃだめ」
と余計なことを同封の手紙に書いてしまった。
郵便局の人が
「お預かりします」
と受け取ってくれた角封筒が、友達のもとに届くことを思い浮かべる。
ちびちゃんのスタイが上がった時のように、私の心もふわっと軽くなった。
ハロー、5月。
始まったばかり、よろしくな。
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