【企画参加】あの日聴こえてきたものは
企画に参加させていただきます。
②朗読部門です。
……………………
雨が降っていた。
洗濯物を室内に干しながら、すまいるスパイスを聴いていた。
「ピリカ文庫」朗読の回。
ピリカさんが読み始め、思わず手が止まった。
あの日聴こえてきた『カーディガン』に、打ちのめされた。
ピリカさんの朗読に吸い込まれ、気がつくと物語のなかに居た。
さっきまで靴下やパンツを干していたのに。
「ピリカ文庫」の中で好きな作品をあげよと言われたら、迷わず『カーディガン』を選ぶ。
それくらい好きな作品で、先に文章で読んでいたからストーリーは分かってはいたのに……朗読恐るべし。
「新幹線とか飛行機とか、座席の前の、網ところにある冊子。あれに載ってる小説みたい」
そうそう、それです、それ。
ピリカさんとこーたさんの会話に、うなずいた。
ああ、今すぐスマホの向こうに飛んでいって、おふたりと語り合いたい!!
「終わりです」後の、張り詰めた緊張がふわっと緩んでからの感想タイムも楽しい。
朗読者の達成感と安堵感、見守っていたパートナーのお疲れさまのあたたかさが広がる。
朗読までの舞台裏を聴けるのもお楽しみだ。
この日こーたさんが「カーディガン、好きなんです」と話されていたと思う。
お会いしたことはないが、カーディガンがお似合いに違いない。
この日、後半の朗読者は誰なのか、公表されていなかった。
Marmaladeさんの作品
【ピリカ文庫】カーディガン【ショートショート】~赤いカーディガン
紫乃さんじゃないかな?
始まって早々に思った。
だって紫乃さんはすまスパのプロデューサーだから。
作中に出てくる「カーマイン」色。
海風にひらひらと舞うカーディガン。
なんて美しいのだろう。
朗読から、海が見えた。
読み手は紫乃さんだったことを告げるピリカさんの声。
やっぱりね……とひとりでニヤけて、また洗濯物を干し始めた。
気持ちは熱く高揚したまま、シャツの皺をパンパンと勢いよく音を立てて伸ばした。
ふとしたタイミングに、まるでそう決められていたかのように出あえる時があると思う。
作品にも人にも。
三周年、おめでとうございます。
みなさんの声にありがとうの気持ちを込めて。
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