地球のエコシステム
家の電話が鳴った。
おかあさーん、でんわだよー
オンラインゲームに興じていた次男が教えてくれた。
電話、電話、電話だよー
試験勉強が疲れたと言い(20分しかしていないぞ)イラストを描いている長男も、大声で教えてくれた。
読んでいた文庫を置き、慌てて受話器をとると、
「地球のエコシステムについて興味のある方へのアンケートをおこなっております」
機械の声だった。
すみません、と小声で言って受話器を置く。
どうしたの?誰から?と聞く子ども達に説明する。
◇◇◇◇◇◇◇◇
土曜日は丸一日外に出ていたので、日曜日はずっと家にいるぞ、空いた時間は好きな本を読むぞと思っていたが、家にあるストックではどうしても四人分のお昼ごはんとして足りず、買物に出た。
コンビニでパンを選んでいる最中、マスクをし忘れていることに気がついた。
どうしよう!
いつものバッグの中には予備のマスクを入れてあるのに、今日に限って違うバッグで来てしまった。
カゴには既にいくつもの惣菜パンが入り(麺好きな次男には冷やしラーメン)あとは会計だけ。
マスクコーナーに小走りし「小さめ 5枚入り」を手に取り、それもカゴに入れてレジに並ぶ。
袋、お持ちですか?
店員さんの問いかけにオーバーにうなずき、
冷やしラーメンに割り箸をつけようとしてくれるので
要らない要らないとオーバーな動作をし、
ひと言も声を出さないようにして、走り去るように店を出た。
こんなこと、初めて。
マスクをし忘れて外に出てしまうなんて。
ノーマスクで悠々と買い物していた数分前の自分を思い出して笑う。
そして店内で、他にもいるはずだとノーマスク仲間をとっさに探してしまったこと(もちろん、いなかった)にも、思い出し笑いする。
間抜けな自分が楽しい。
今日だけはいいことにしようじゃないか。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ずっと読みたかった文庫本を読み始めた。
読み出すと止まらないのが分かっているので、読まずにとっておいたものだった。
電話で中断したので、いま、 noteを書いている。
本が読める。
noteを書ける。
好きな時間が、ひたすらに嬉しい。
さっきから地球のエコシステムが気になって仕方ないけれど、また本に戻ります。
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お読みいただき、ありがとうございました。
見出し画像はみんなのフォトギャラリーより、藤沢奈緒さんの作品をお借りしました。ありがとうございました。
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