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Daft Funk (All Soul Mixes #02, Side A)

All Soul がプライベートダブプレートに収めた自作ミックス - 今回紹介するのは #02 のAサイド

Daft Funk (ダサいファンク 笑)

1983年春の高校入学をきっかけに入り浸るようになった豊橋の輸入レコード屋 (ラビットフットレコード) で「時々見かけて名前は知ってるけどなんとなく怖い」と感じて手を伸ばせなかったバンドが。それが ↑ のミックスの収録曲の出処、ポストパンク/ニューウェーブ期のイギリスを代表するインディーレーベル、マンチェスターの Factory Records に所属してたバンド A CERTAIN RATIO (ACR)

ACR は結局一度も聴かないうちに1980年代が過ぎていき、彼らのサウンドに初めて触れたのはイギリス留学中の90年1月 - 当時の最新リリース 'Four for the Floor' EP のリードトラック "Good Together" をBBCラジオで思いがけず耳にして、それがまたなんともへたれなハウスミュージックで妙に心地良く、同時に「なんで昔こんなのが怖かったんだ?」と。それをきっかけに後追いで ACR にのめり込んでいった

ACR のキャリアは大雑把に二つに分けることができて、まず第1期が1979年のデビューから82年前半 - この頃はいかにもポストパンク/ニューウェーブってかんじのアバンギャルドで尖ったサウンドで、昔輸入盤屋で見かけて怖いと思ったのはそんな第1期のレコード。そして1982年後半以降が第2期 - ここからなぜか急にポップ、それでいてへたれなダサいファンクサウンドに変身。All Soul はそんな第2期の方が圧倒的に好きだったりするんだけど

やっとここから冒頭で紹介した All Soul 自作ミックス "Daft Funk" の話。ACR 第2期のスタートとなった1982年秋リリースの4thアルバム ’I’d Like to See You Again' 収録曲の、かつて運営した海外レコード取寄せ販売サイトの仕入先提供試聴サンプルをつないだミックス - 「ダサいファンク」ってことで "Daft Funk" ってタイトルを付けた

  1. Guess Who

  2. Knife Slits Water (12" Version)

  3. Touch

  4. I'd Like to See You Again

それにしても1982年、第1期から第2期への大胆な変貌は何がそうさせたのかと推測すると、まず思いつくのはそれまでサウンドプロデュースを務めてた Martin Hannet が手を引き、Factory Reocrds の総帥 Tony Wilson がマネージメントに加えプロデュースも自ら手掛けるようになったこと。あと大きいと思われるのが Factory と NEW ORDER (のバーニーとフッキー) の共同経営で後に伝説と呼ばれる存在にまでなったナイトクラブ Hacienda のオープンか。この頃は Factory 全体としてエレクトロ/ダンス方面にシフトしてて、NEW ORDER の面々が手掛けた Factory 一連のダンスチューンに ACR のメンバーもちょくちょく駆り出されてて、ACR は「Hacienda の箱バン」という異名も (この投稿の冒頭の画像、'I'd Like to See You Again' のジャケ写も Hacienda 店内で撮影されたとのこと)

ちなみに ACR 1982年の第1期から第2期へのシフト期のエピソードは2002年の映画 '24 Hour Party People' でも軽く取り上げられてて、Hacienda でのライブ前の楽屋で Tony Wilson から「地味、ぱっとせん」という理由で渡されたテニスウェア上下 (ダサ 笑) を着て出演させられたという

この "Wild Party" リミックスを手掛けたアーティスト Fila Brazillia の名前は、上述のテニスウェアのエピソードから取ったという噂も (テニスウェアと言えば "Fila" !?)

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