付加価値は「視点」で生み出す
「付加価値をつくる」をテーマにリレー形式で進めているこの企画。
今回は柿内が担当をさせていただきます。
以前、あるお店でおもしろい発見がありました。
そのお店は長く愛されている商品を数多く置いていたのですが、その商品に面白い仕掛けがされていました。
それは、商品の「年齢」が書いてあったのです。
長く続く商品には、長く愛される価値がある。
それを商品の年齢を使って伝えていたのです。
「ああ、この商品は自分の年齢に近いんだな」とか「おばあちゃんの年齢の商品なんだな」と、まるで生きもののような感覚が生まれてきました。
また「長く愛されているのは、それだけ価値があるからなんだろう」ということも伝わってきたのです。
商品に年齢が書かれているケースは珍しいですが、似たようなことは、実はあちこちにあります。
たとえば老舗のお店が「寛政元年創業」とか、ロングセラー商品が「発売50周年」とか、ありますよね。
最近ではレトロ喫茶、レトロデザインなど、古くからあるものを「レトロ」と表現して価値をつくっていくこともあります。
古いものは、マイナスにみられることもあります。
でも違う視点から見れば、そこには長く続くだけの理由があり、そこを付加価値としてみることもできるのです。
視点の違いで、価値は大きく変わります。
このように、視点を変えてみると付加価値を生み出せることがあります。
たとえば、外国人に人気の里山ツアー。
「わかりやすい観光地」ではない里山の風景が、「日本らしい景色」として観光客に人気になる。
北海道の旭山動物園の人気も、視点を変えてうまくいったケースです。
動物園はもともと動物の「種類」を売りにしているところが多かったと思います。
パンダなど、珍しい動物がいることを魅力にしていました。
でも、種類で戦うのが難しい動物園もあります。
旭山動物園が見つけた視点が「動物の生態」でした。
生態にスポットをあてたことで、旭山動物園は大人気になりました。
視点を変えることは、付加価値を生み出すことにつながります。
視点のあてかたひとつで、弱点が価値化することもありうるのです。
ぜひ一度、自社の商品やサービスに新たな視点を向けてみるのはどうでしょうか。
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